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第8章:虚星の影《オフィウクスの封印》
虚星の地――それは、空の記憶が歪んだ場所。 星霊の力を奪い、空を“無”に変えようとした者たちが封じられた禁域。 空は黒く裂け、星の光が届かない。 そこに、へびつかい座の星霊――オフィウクスが封印されていた。
ルミナは、星霊の声に導かれてその地に足を踏み入れた。 空気は重く、星読の力さえ揺らいでいた。 彼女の周囲に、影が蠢いていた。 それは、かつて星霊と契約した者の“影”――虚星の使徒。
「彼は、星霊でありながら、星霊に背いた。 禁忌の力を使い、死者を蘇らせようとした。 その代償として、空から追放された」
中心には、蛇の形をした石柱があった。 その周囲には、封印の紋が刻まれていた。 ルミナが手をかざすと、星霊の記憶が流れ込む。
「私は癒しの星霊だった。 命を救い、死を受け入れる者だった。 だが、私は抗った。 愛する者の死を受け入れられなかった。 私は禁忌を犯し、死者を蘇らせようとした。 星霊に背いた私は、封印された。 あなたは、私の罪を赦せるか?」
ルミナは、石柱に手を添えた。 彼女の心にも、失った者への痛みがあった。 もし、星霊の力で救えたなら―― その誘惑に、彼女も一度は心を揺らした。
「私は、あなたの罪を赦す。 それは、愛の証だった。 でも、命は戻らない。 だからこそ、星霊は祈る者でなければならない」
その言葉に、石柱が砕けた。 蛇の紋が光に変わり、虚星の地が浄化されていく。 オフィウクス座が、夜空に戻る。
ルミナの手に、星の蛇が巻きつく。 命の光が広がり、死者を癒す力が目覚める。
オフィウクス・リザレクション:倒れた味方1人を蘇生+HP回復。
星霊の声が、静かに語る。
「あなたの赦しが、私の罪を浄化した。 星霊は、祈る者であり、悔いる者でもある。 次に待つのは、最後の星座。 それは、空白そのもの。 あなた自身の記憶。 あなたの魂が、空に刻まれる時が来た」
ルミナは、虚星の地を後にした。 空には八つの星座が輝いていた。 だが、最後に向かうのは――空白の星座。 そこには、彼女自身の真実が眠っている。
実はなぜここだけ「封印」なのかわかりましたか?
へびつかい座だけ追放されたからです((そんなのみんなわかるだろ