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    来年の愛へ花束を
    
    
        世界設定☆
・人間の寿命は1000年になってるよ☆
・そのかわり100年生きると20から100までの記憶が消えるよ、つまり101歳になったら19歳になったと同じ感じだね
・一様ファンタジー×現代だよ(だからダンジョンとかもあるけど今回はファンタジー要素?がある花が出てくるだけだよ)
    
    
    「とある場所に咲く一輪の花を持っていると100年経っても記憶が消えない」
そんな噂を聞いたのは私が10歳の頃だった
その時はみんな「そんなわけがない」と信じていなかった、
記憶が消えてしまうことには逆らえないと思っていたから
でも、今の私はその噂が本当だとと思っている
それは80歳の私が80歳のあの子に会った
その時からの話だ
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「やっほ、久しぶりだね《《やーちゃん》》」
)久しぶり、《《沙忌》》
「………あだ名」
)…さーちゃん
「!うん!」
)今何歳?
「80だよ、もうすぐ記憶が消えるころだねぇ」
)…そうだね
「………どーしたの?やーちゃん」
)ねぇ、さーちゃん、あの噂覚えてる?
「噂?あ、もしかしてあの花の噂?」
)うん
「覚えてるよ、でもあれってもうないらしいよ?まだどっかの家族の金庫の中にあるっての聞いたけどさ」
)さーちゃんはさ、あったらほしい?
「…いらないかなぁ、そんな花を持ってても周りのみんなは消えちゃうんでしょ?なら私はいらない」
)…そっか
「…あ!今日バイトだった!ごめんやーちゃん!私行くね!あ、これ私のメール!あげる!じゃあね!」
ダダダダダ
)…相変わらず早いな…メールピコン
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お互いが80歳の時、私は久しぶりにその噂を言っていたさーちゃん
|家月《やつき》|沙忌《さき》と会った、さーちゃんはすっかり大人っぽくなっていた
綺麗に切り揃えていた短い黒髪はストレートのロングに、
タレ目で柔らかな黒目にはメイクが施されてかわいくなっていた
あの噂もちゃんと覚えていたからさーちゃんだとわかったけど
見た目だけだとわかりづらいことになっていた
そして、あの噂の花はおそらく、私の家にある《《あの花》》なのだろう
それを見つけたのは20の時だ、
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20の頃
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キラ
)…何この鍵…おばぁちゃん、何これ?
「…それはね、金庫の鍵だよ」
)金庫?そんなのあったっけ?
カタン
「これだよ」
)…小さい
「ほら、ここの穴に入れてみなさい」
)………
カチ
カチャ
)……お花?可愛い
「これはね、記毱華だよ」
)記毱華?
「そう、記毱華、これを持っていればね、記憶が消えなくなるんだよ」
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そんなことを言っていたおばあちゃんはもうその時は980歳だったからもういないから本当なのかはわからないけど、もしあれがその噂の花ならば、どうすればいいんだろう、
売る?いや、大変なことになりそう………、あれてか会った日から今って…あぁ、もうすぐで100年か
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ピコン
)ん?…あ、メールか
『バイト終わったぁ!ねぇねぇやーちゃん、今日やーちゃんの家泊まってもいい?ダメなら教えて〜?(*'ω'*)』
)……いいよ、っと
ピコン
)はや
『ありがとう〜!今もう家の前いるから鍵開けてー!(≧∇≦)』
)……泊まる気まんまんだったでしょ、まぁいっか
タタタタタ…
カチャ
「やっほー!やーちゃん!お邪魔しま〜す!」
)邪魔するなら帰ってー
「はーいって帰らないよ⁈」
)wwちゃんとそれはのるんだ?
「当たり前じゃん?ww」
)で、どうしたの?いきなり泊まるなんて
「いやぁ、もうそろ100だからその前にお泊まりしたくって」
)そ、でもパジャマとか布団とかはどうするの?
「大丈夫!パジャマは持ってきたし布団はやーちゃんのに入る!」
)……布団は私のなんだ
「まぁ布団大きいから!もってこれない!から!」
)まぁいいけど……あ、お風呂は?
「もう入ってきたよ!」
)ならよかった、じゃあ入ってくるね
「いってらー!」
カチャ
「……さてと、探るか!」
ガサガサ
「……ん?何これお花?可愛いぃ…後で聞こ〜」
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出てきた
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)出たよ…
「あ、やーちゃん!このお花なぁに?」
)…花?
「うん!このお花!」
)……さーちゃん、今日私眠いから寝よ?
「え、う、うん」
)おやすみさーちゃん
「お、おやすみやーちゃん」
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ごめんねさーちゃん、でも、私教えたくないの
もしあれが噂の花なら、私は
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「やーちゃん!やーちゃん!おきてぇ!」
)んぅ…さーちゃん、おはよ…
「おはよ!さて、行くよ!」
)ヘ?どこに
「ゆーえんち!」
)…はいはい
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遊園地
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「よし!ジェットコースターいこ!」
)…はいはい
「きゃー!」
)…わー(棒)
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「じゃあメリーゴーランド!」
「ぐるぐるぅー!」
グルグルグルグル
)…目ぇ回る…
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「で、クレーンゲームです」
)なんでやねん
「あー!まっまっておちたぁ!」
)さーちゃん
「ん?ってめっちゃ持ってる!」
)はい、これあげる、好きでしょ?猫
「わぁ!ありがとう!」
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「で、最後です!」
)はい
「観覧車〜!」
)わー
「………景色きれぇ…」
)…そー、だね
「なんか今日、元気ないけどどーしたの?」
)…へ?なんもないよ
「………そう?」
)ほら、もうすぐ終わりだよ
「………ねぇ、やーちゃん」
)ん?
「私達、明日で100歳だね」
)…うん、たまたまでも、私達誕生日一緒だもんね……
「またね?やーちゃん」
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……明日、なら
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)……明日の記憶が消える前の7時50分、ポストの下、見て?
「え、うんいいよ?」
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「またね〜!」
)うん
)……花屋さん、まだ開いてる……!
)すみません、ハーデンベルギアとミソハギ、シオン、あと赤いペチュニアを、花束にしてもらえませんか
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ガチャ
)ただいま……鍵は…
カタ
)あった、それと金庫……!
カチ
)ちゃんとある、これを………多分、やってくれるよね
ガチャンッ
タッタッタッ……
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次の日
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「えーと…ポストの下…花束?可愛い…と手紙?」
『さーちゃんへ、この花束を見たらすぐにさーちゃんの家にある湖に一本も残さず浮かべてください、あとこの花束の中の手紙もお願いします、そして、誕生日おめでとう、沙忌また、友達になろうね』
「……」
タタッ
バッ
パラ…
チャプ…
「………最後まで、この花のこと教えてくれなかったなぁ…まぁとりあえずもうそろ記憶消える頃か」
パタン
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---
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カチャ
)……
カチャ
「あ」
)……《《槍勿》》…おはよう!
「沙忌…おはよう」
---
チャプ…
『来年の|愛《君》へ、花束を』
    
        シオン」の花言葉は、「君を忘れない」「遠くにある人を思う」「追憶」
ミソハギの花言葉、「愛の悲しみ」
ハーデンベルギアの花言葉は、「壮麗」や「運命的な出会い」「広い心」「思いやり」
赤いペチュニアの花言葉は「決して諦めない」
いつも通りの超特急小説列車でーす