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秘密
ちょっと思いついたものを…
登場人物ぅ
クロア:ラピに布団をひっぺがされるのが不満。ベットをでかいのにするか検討中。
ラピ :朝に起きないクロアの布団をひっぺがすのが日課。新しいオーブンがほしい。
秘密っていいよね
おやつどきの昼下がり。焼けたばかりのチョコチップクッキーをほおばりながら、ラピは布団に転がるクロアに声をかけた。
「ねぇクロア」
「何」
「オーブンが古いから買い替えてほしいんだけど…」
「また今度ね」
クロアはラピのほうも見ずに言い放ち、ラピはおもむろにボイスレコーダーを出してくる。
「なぁに、それ…」
本を読む手を止めて、クロアはラピの手元のレコーダーを見て首をかしげた。パチッと音を鳴らしてボタンを押すと、ぼやぼやしたクロアの声が聞こえてくる。
『オーブンがしっかり動かなくて…買い替えとかできない?』
『また今度ね…』
やはり内容は先ほどの会話とほぼ同じで、ラピがレコーダーに書かれた日付を見せてくる。今から十日前の日付が書かれていて、ラピはこれをじっくり温めていたのだろう。
「…すこし調子悪くても使えるならいいじゃない」
「お嬢様、お言葉だけど、”タルト”rの昼下がり。焼けたばかりのチョコチップクッキーをほおばりながら、ラピは布団に転がるクロアに声をかけた。
「ねぇクロア」
「何」
「オーブンが古いから買い替えてほしいんだけど…」
「また今度ね」
クロアはラピのほうも見ずに言い放ち、ラピはおもむろにボイスレコーダーを出してくる。
「なぁに、それ…」
本を読む手を止めて、クロアはラピの手元のレコーダーを見て首をかしげた。パチッと音を鳴らしてボタンを押すと、ぼやぼやしたクロアの声が聞こえてくる。
『オーブンがしっかり動かなくて…買い替えとかできない?』
『また今度ね…』
やはり内容は先ほどの会話とほぼ同じで、ラピがレコーダーに書かれた日付を見せてくる。今から十日前の日付が書かれていて、ラピはこれをじっくり温めていたのだろう。
「…すこし調子悪くても使えるならいいじゃない」
「お嬢様、お言葉だけど、”タルト”が焼けないんだよね」
その言葉を聞くなりクロアはバッとパソコンを開き、通販サイトを開き…その後ろで満足そうにラピはうなずいた。二人でサイトを物色していると、これなんかどう?と首をかしげて、あるオーブンを指さした。
「…高くない?」
「必要経費で落ちるよ」
「オーブンが?」
「タルトがないのは死活問題だから」
「そぉ…」
オーブンをカートに入れながら、構わず下着を物色し始めたクロアにそっとラピが聞いた。
「…それも必要経費で落ちるの?」
「落ちるというか…落とすというか」
「どこからそんなお金を…」
「流石に徴収してるやつは使ってないし…」
「君が何かバイトかなんだかやってるんだったら教えてもらいたいんだけど…」
「文字起こしとか?まぁ秘密」
「秘密ねぇ…君の稼ぎ先は国家秘密なのね…」
「私にとってはラピが国家秘密かな」
「へぇ?」
とぼけた顔のラピの顎を面白げにくすぐりながら、クロアは呆れたように、天井を見ながらそう言った。
「わかってないようだけど。ラピみたいなこはこの国に何人?居ないでしょ?」
「そぉだけど…」
「見つかったら大ごとなわけ、ラピの事マスコミに売ろうとした召使も居たし…できることなら外に出したくない」
怖い顔つきで見つめてくるクロアに思わずラピ身震いしていると、隙だらけの手元のクッキーをひったくられてしまった。
「食べないならもらっちゃうねっ」
ぱたりとパソコンを閉じ、クッキーをくわえて寝そべって本を読み始めたクロアの背を見ながら、ラピが困ったように言った。
「それさぁ…僕の」