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もしも、殺し屋だけの世界があったら。 1
新シリーズです!キャラクター名など募集中なのでぜひ送ってください!
殺し屋、それは自分が苛立ったとき、相手の命を奪い取り、得を得るための、卑怯な職業。そんな中、もしも、殺し屋しかいない世界があれば、人はどんな人生を送るのか、そんな切ない物語。
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この世界には、殺し屋しかいない。しかし、自分の家族(夫婦間を除く)以外は、相手が殺し屋だということを、お互いに知らない。相手が殺し屋だということを知ったとき、殺し合いが始まる。そこで、必ずどちらかが倒れるその瞬間まで、殺し合うというのが礼儀だ。◯ぬその日まで、自分が殺し屋だということは、隠し通さなければならない。だから、この世界に「法律」という文字はない。
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この世界に生まれた朋紀が物心ついたのは、2歳の時だった。この時、彼は、母親から、殺し屋という存在を知り、またその時自分の両親が、殺し屋であることを知った。
しかし、彼が両親が殺し屋だということは、両親それぞれから聞いたのだ。つまり、両親はお互い、相手が殺し屋だということは知らないのだ。そのため、彼は両親に口封じをさせられた。もちろん、彼は、自分以外の全く知らない人たちが殺し屋だということは知らない。
殺し屋の技術も、それぞれから教えられた。両親に教えられる技術は、互いに違う。だから、彼は2倍の技術を手に入れた。普通に考えれば、相手が殺し屋だということを知らない限り、こんなものなんて使わない。
彼は、自分が殺し屋だということが分かった時、後悔していた。彼は殺し屋になんてなりたくなかっただろう。
彼は、こんな技術は到底使うこともなく、保育園に通い始めた。もちろん、皆さんの住んでいる世界では、殺し屋なんていないのだから、変な遊びをする人はいないだろう。しかし、彼の入園した保育園は、殺し屋の技術を習った人しかいないので、包丁のおもちゃがあれば、振り回す。誰か1人が振り回せば、他の人も振り回し、勝負に挑もうとする。
そもそものことを言えば、先生までもが殺し屋なのだから、園児は先生が殺し屋だということは先生に教えられて、知っている。でも、園児も殺し屋なので、園児たちは、他の同級生には黙っている。まあ、包丁を振り回し合う時点で、絶対に何かあると思うだろう。それに、そもそも保育園児が殺し合いなんてしない。
彼ももちろん、同級生が殺し屋だなんて知らない。包丁を振り回すのも保育園児のお遊びだとしか思ってなかった。
特に何も違和感もなく保育園を卒園した。
次は、朋紀が小学校に入学します。お楽しみに!