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3話 暖かさ
「うん。ニコッ」
#名前は#軽く笑ってみせる。その偽の笑顔が終わるまでれるは願う。この
大切な人が幸せを失わないように。もう、失えへんから。
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れるの父親は酒癖が悪かった。
「酒持って来いっ!」
れると母さんは素直に従うしかなかった。毎日殴られ、蹴られ、幼稚園では
この髪色を、瞳を馬鹿にされ、虐められ、
「普通じゃなくてごめんねぇ…。」
母さんには涙流し謝られ。母さんは悪くないのに。普通じゃないのは父さんだ。
父さんは警察に逮捕された。れる達は引っ越して幸せを手に入れた。でもその
幸せはすぐに壊れた。車が突進してきたんだ。すぐそこの大人がれるを突き
飛ばす。れるの母さんの命はそこで途絶えた。幼いれるでも母さんが命尽きる
ことは分かっていた。でもすぐに別れることになった。この幸せをもう失わへん
ように。
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私は普通じゃない。だって、私の目は黄色で、髪は黒髪だが先が紫で、
「変だ。」
そう馬鹿にされる。家族も私の髪色を昔は綺麗って言ってくれた。でも今は
「汚い」
「変なの」
そう言われる。だから私は本当の自分を隠す。でも一人の子に姿を見られた。
また馬鹿にされる。そう思った時、男の子は
「綺麗な瞳やな!髪色もれるは好きやで!」
笑顔で言ってくれた。その時少し自身が持てた。その子はウィッグを外し、
きれいな髪色を見せた。黒のカラコンも外し、綺麗なオッドアイを見せる。
それに心奪われた。
「綺麗」
私は呟く。れるくんは
「ありがとな!」
って言ってくれた。これが嬉しかったんだ。
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れるは彼女の過去を知った。そっと抱きしめる。
「え?」
そっと彼女を暖めるように。
「守ってやれへんくて、ごめんなぁ」
母さんと同じ言葉をいう。これで少し落ち着かせられるんなら。涙を流し
「何で謝るの?」
と質問してきた。れるが守れへんかった、れるが、れるが全部悪いんや。
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「守ってやれへんくて、ごめんなぁ」
「何で謝るの?」
私は問う。わたしが全部悪いんだよ?自分を責めないでよ。もう、終わったよ。
家もないしもう、一人だね。いや、れる君が居るから一人じゃないよ。
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「家は?」
れるは聞く。こんな夜、少女が出歩いてるんがおかしい。
「追い出されちゃったニコッ」
何時もと変わらない作り笑顔。本当は辛いはずなのに。なんで笑うん?泣いて
ええのに。今にでも壊れそうな#名前#をそっと抱きしめる。
「れるの家来る?」
れるは聞く。#名前#を放っとけへんから。
「良いの?」
首を傾げそう問う。れるは手を引く。
「わ!」
いきなり引っ張られよろめく#名前#を支える。そのままお姫様だっこで連れ
帰る。
「え、あ、ちょっ!」
赤面させ慌てる彼女にそっと接吻をする。
「重くない?」
そう聞いてくる。軽すぎて心配なんだが…。まるで軽く力を込めると割れる
ガラスのよう。そのまま家へ帰る。
「なぁ?」
れるは聞く。
「ちゃんと食べとん?」
「食べてるよニコッ」
また偽笑顔で答える。でもその瞳は五日間食べていないようだ。
「ふーん。」
れるに嘘ついたからお仕置きやな♡家につく。
「何食べたい?」
れるはそっと見る。
「なんでもいいよっ!ニコッ」
まぁ、ええわ。れるの愛、いーっぱい、入れてあげるな?れるはそっと指を切る。
ハンバーグにその血を入れる。これで愛、分かるんかなぁ?
「お待たせ。ハンバーグやで♡」
「ありがとうニコッ」
でも手を付けない。れるは頑張って作ったんやけどなぁ。れるの愛、無駄に
するん?パクっ。れるはそのハンバーグを食べる。
「こっち向いて♡」
#名前#はこっちを向く。そっと口移しする。
「ん…、」
「美味しい?」
「うん。ニコッ」
「それは良かったわ♡」
れるの料理美味しくてよかったなぁ。
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