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第1話
「…!!」
目を覚ました僕は、驚いた。僕は今、知らない部屋にいる。女の子のような部屋だ。なぜ僕はここにいるのか分からない。そして、僕は本当に僕なのか。もちろん、部屋には大きな鏡があったから、僕は鏡を覗いた。そしてまたびっくりした。鏡に映るのは不細工な僕ではない。キラキラした、僕で世界で1番大好きな、空色きらりであった。
僕が3年前から思っていたこと、「空色きらりと入れ替わりたい」が叶ってしまった。なぜ僕が空色きらりになってしまったのか、理由は分からない。そんなことを考えているうちに、インターホンが鳴った。
「はーい」
「今からスタジオに行くぞ。準備してるか?」
す、す、スタジオ!?これはいよいよ現実かもしれない。
「すみません、私は本当に空色きらりですか?」
「何を言ってるんだ。俺はきらりのマネージャーだろ。さっさと準備しろ」
僕は今、本当に空色きらりとして生きてるんだ。僕は何が何だか分からないながらも、急いで準備をした。
準備が終わって、マネージャーという男の車に乗った。
「今日の予定を見てくれ」
と言われ、予定表を見せてきた。ぎっしりと書き込まれていた予定はざっとこんな感じだ。
10:00〜12:00 テレビ収録
12:30〜16:00 雑誌撮影
17:00〜21:00 ダンスレッスン
きらりはいつもこんなに大変な仕事をこなしていたのか。ダンスレッスンは4時間もある。アイドルはみんなこんな感じなのか。一瞬で僕は1人でこれを全てこなすのが不安になった。
テレビ収録と雑誌撮影は頑張ってやり遂げた。残るはダンスレッスン。これだけはできる気がしない。
レッスンスタジオに着いた。車から降りるとマネージャーにこう言われた。
「レッスンが終わったら、いつものように1人で帰るんだぞ」
マネージャーは収録や撮影中、ずっと僕のやっているのを観察していた。でも、ダンスレッスンだけは来ないらしい。
とりあえずスタジオに入り、練習をしようとした。すると、きらりの所属するグループのメンバーである、佐藤 氷河流は僕に言った。
「今日も遅刻じゃない!筋トレしなさい」
筋トレ…?他のメンバーは?言われるがまま、僕は筋トレルームに連れて行かれた。
腹筋100回、スクワット100回をさせられた。その間、外から漏れる音を聞いた。きっと踊っている。僕だけ筋トレをさせられている。そして、きらりは今日「も」遅刻した…?きらりはずっと筋トレをしているのか?僕は色んな謎が深まった。
なんとなく結末は決めたので、想像通りのものができるように頑張ります!