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【作品】海王杯 参加作品
タイトル「放置ゴミ」
ジャンル:ホラー
一部不快な表現を含みます。
三年くらい前の話になるんですけど。
僕は初めての彼女ができたんですね。
歳が一つ下の、肌の白い、可愛い子でした。
デートで海に行ったんです。
海って言っても、ビーチなんて呼べるもんじゃなくて、地元の海岸沿いでしたね。
僕らはレンタカーで、二人きりで。お酒なんかも持って行ったりして。
で、しばらく話してました。
話っていっても、お気に入りの服がどうとか、美味しかったラーメン屋が閉まっちゃったとか。
そんな他愛もない話をしてる時間が、本当に楽しかったですね。
で、そろそろ帰るか、場所を移すかしようかってところで車に戻ったんです。
なんだか妙な気分がするなーと思って、なんか忘れてるんじゃないかなーなんて思いながら車を走らせて、街の方まで戻って行ったんです。
んで、ちょっと別のところで、一息ついて、で、その日はそれぞれのうちに帰ってったんですね。
で、歩いてる途中で僕が「そういえばお酒のゴミ忘れてきちゃったなー」って思い出して。
でも取りに行くのもなんだなーめんどくせーなーとか思いながら帰っちゃったんです。
まあ二、三日くらい普通に過ごしてたんですよ。
ある日バイト終わって家帰ってきたら、
彼女が床に寝転んでたんですよ。
別に僕たち同棲してたわけじゃないので、おかしいなーと思って近づいてみました。
そしたら、口の中にすごい量の砂が入ってるんです。
よく見たら目とか、鼻とかにも。
それこそ息できないくらいです。
僕もう怖くて。何もできなくて。
救急車を呼びました。
彼女の肌が砂で汚れて、別人みたいでした。
あの時僕がゴミを忘れたのがいけなかったんですかね。
もう怖いから、二度と海なんて来ないぞって決めてたんですけどね。
あなたがここでお話ししたいって言うから、来てあげたんです。
ええ、もう吐きそうです。早く帰りましょう。
ゴミ、忘れないでくださいね。僕が死んでもいいなら別にいいですが。