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わすれたいもの
『わすれたいもの / want to lose a spring 』
「__これが終われば、貴方の苦しみに価値は付けられなくなるのかな」
貴方が星屑を蹴った
褪せた看板が綺麗だ
貴方は気付くのだろうか その色に
何かが波にさらわれた
おぼろげで目を擦った
それを「陽炎」と呼ぶには、あまりにも
インストゥルメンタルみたいな波風に
胸を締められたいから
僕は忘れたいです 春の桜も残らずぜんぶ
忘れたいです 値札はもう要らないから
ただ低気圧のせいにして
机の上に突っ伏したいです
今はただ 空を眺める時間が、欲しい
貴方は何かを口ずさんだ
揺れる袖が|海月《くらげ》みたいだ
あ、何でしたっけ
何かが日に呑み込まれた
眩しくて目をそらした
それを「青春」と呼ぶには、あまりにも
曲と曲の間みたいな夕焼けに
息を奪われたいから
僕は忘れたいです 春の日向も残らずぜんぶ
忘れたいです 心は埋まらなくていい
なんで、物語ではすぐ人が苦しむのでしょうか
なんで、それを「感動した」って褒めたたえるのでしょうか
青春にいるだけで 価値が何倍にも上がっていて
貴方の横顔は、痛ましくてさ
僕は 僕は 僕は
僕は忘れたいです 青い春なんか気取らないでよ
忘れたいです 値札はもう、いらないから
「未来を視よう」なんて言わないで
貴方がいない日を視たくないから
今はただ、夏が遠くて
今はただ 貴方と歌う時間が、欲しい
風見鳥です。初の作詞に挑戦です。
つたない言葉たちですが、何卒何卒。
『曲と曲の間みたいな夕焼けに
息を奪われたいから』
ここ、個人的にめっちゃ気に入ってる。