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”普通”じゃない俺と、”普通”の君、夕闇に包まれて。 #2 「女らしく」
✡今回のあらすじ✡
悠くんの過去編です。
これは完っっっっっっっっ全に俺ですね。夢小説にも程があります(?)
あ、あと…これ投稿すると後々俺に対する慰めがいっぱい来ると思うので
そんなに心配しなくてもいいですよってことだけ
批判はどうぞお好きに
あらすじどうなってんねん。ただのつぶやきやんけ。
ってな感じで遅れましたね
どうもぉ!俺です!!
いやぁお友達にいいお名前の案をいただきましてね!
「とうが」くんと「かいが」くん!!
とうがくんはさ…かっこいいじゃんそれはもう。
え、「刀」かな「透」かな「燈」かな!?
刀かなぁやっぱり
よくよく考えてみれば、この展開めっちゃ怖い。むりかも、
※これは俺がされた訳じゃないし、いじめられてた経験もないです。
これからいじめられるのかは知りません。
あ、実際の俺と想像の俺が合体したみたいな感じの話です。
俺は昔から、自分の性別に違和感を感じていた。
『女の子らしくしなさい』
『普通にしなさい』
『それは男性用でしょう』
女の子らしくって何?
普通って何?
そもそも、女に生んだのはそっちじゃん。
俺はおかしくない。
俺は悪くない。
俺は…
『俺って言うな、気持ち悪い』
『女なんだから』
あぁ、死にたいな
ずっと思ってた。
死ねば、俺が笑われることも無くなる。
何度か、自ら死のうとしたことはあった。
でも、その度に周りの奴らが止めてきて。
あの時、無理矢理にでも飛べていれば。
何度も思った。
高校で起きた出来事。
今はここ、東京の高校に通っている。
大学生になったら、一人暮らしが許されていた。
ここら辺に住もうと思ってるけど…家賃とか大丈夫かな。
でも、俺はそんなことまだ気にしていない。
早く卒業して、早く…「俺」になりたかった。
周りに決められた「私」じゃなくて、俺が決めた…俺に。
そんな時に起こったのが、|これ《いじめ》だった。
…慣れてる、このくらい。
「……(落書き、)」
見事に落書きスペースになったな、俺の机。
なんか小学生みたいやな…やること。
まぁ気にせず席に座る。
すると、後ろから伸びてきた手が、俺のシャツのボタンをありえないスピードで
外していく。
気づいたときには、服を脱がされていた。
「…っは、」
「ほら見ろみんなぁ!胸あるぞ!笑」
高々と叫ばれる小鳥遊の声は、少し遠のいている。
あれ…俺って、あれ?
なんだか、思うように息が吸えない。
男みたいに短くした髪も、
男みたいに着ている制服も、
全ての感覚がなくて。
まぁそもそも、服は脱がされてるからそりゃ感覚ないんだけど。
そうして俺は…気がつくと自分の部屋にいた。
後から聞いた話だと、俺はそのまま意識を飛ばして、唯一仲が良かった友達
三人に保健室へ運ばれたらしい。
しばらくしても意識が戻らなかったから、次は病院へ運ばれたらしい。
ちなみに出来事は三人が全部話してくれて、保健室の先生が校長先生に
報告してくれたそう。
そして、病院で検査を受けた結果、この出来事のせいでパニック障害を
患ったらしい。
その他には異常は見られなかったから、そのまま親が迎えに来たらしい。
まぁ、全部聞いた話だから、「らしい」とまでしか言えないけど。
でも、これをきっかけに俺は不登校になった。
部屋にいるだけで発作が起きて、その度に死にそうになって。
何をしても思い出しちゃって、息をするだけで精一杯。
そんな訳のわからない生活が、気づいたら幕を閉じていた。
やっと始まった一人暮らし。
でも、なんだか思っていたものとは違ったというのが本音。
というのも、そもそもあんな出来事想像してなかったし、パニック障害なんて
それこそ想像してなかった。
だから、「やった、一人暮らしだ!」というより「あぁ…一人暮らしか、うーん」
って感じだった。
でも、そんなにネガティブでも意味が無い。
まずは友達を作ろう。家呼んでわちゃわちゃできるくらいの。
そう思い立った。
最初に来たのは、東京ならではのスクランブル交差点あたり。
建物の名前なんて知らないからわかんないけど、とりあえずぶらぶらしてみた。
そうして、疲れたしなんか食べるか。と思った結果入ったカフェ。
別にお腹が空いているわけでは無かったし、ちょっとアイス食べるくらいで
いいか…そう思っていた。
…これにしよう、チョコといちごのパフェ。
ちょうど近くにいた店員さんに声をかけて、注文を承ってもらった。
「えっと、このチョコといちごのパフェで…お願いします、」
「かしこまりました~」
ふぅ…何して待とっかな。
スマホでも見とくか…そう思い、右側に掛けていたカバンに目を向けた時。
隣に、誰かが座っていることに気がついた。
「ぇ、」
「あっ…隣ダメでした?」
隣に座っていたのは、「イケメン」と言わざるを得ないくらいのイケメンだった。
年齢は…俺と同じくらい。
「いや…いいんですけど、なんで隣…」
「いや、俺さっきまであっちに座ってたんですけど、店員さんと喋ってるときの
あなたがとても優しそうな顔で…いわゆる一目惚れってやつ?」
「は…っえ、」
”一目惚れ”。
そんな一言に、顔が熱くなる。
だって…そんなこと言われたの、初めてだ。
今まで会ってきた奴らは、全員「俺の秘密」を知ってたから。
だから、告白なんてされなかった。
一目惚れなんて、言われなかった。
告白も、全部拒否ってきた。
なのに。
目の前で笑っているこいつに、何故か心臓が高鳴っていた。
おかしい…俺は、おれは…っ
「はは、顔赤いですね!もしかしてこう言うの慣れてない?」
「っ……すいません、一目惚れしてくれたところで悪いんですけど、
俺そういう関係興味ないんですよ 恋人探すなら他当たってください」
突き放せたつもり。
大体、こんな拒否られたらみんな諦めるでしょ…
でも、こいつは違った。
「え~っ、酷いですね!俺別にそんな関係じゃなくてもいいですよぉ!
お友達…なりたいんですけど、ダメですか?」
そう言って、ふわっと笑顔になる。
あぁもう、まただ。
また…心臓がうるせぇ、
だめだ…こいつといると、気ぃ狂いそうになる。
でも、友達を探していた俺にとっては好都合だ。
恋愛関係に持って行かれなければ…
「…別に、友達なら」
パフェ食べてから、案内されるがまま色んなところへ行った。
ちなみにこいつは、この店名物特大ドカ盛りパフェとかいうやつを
食べてた。俺のパフェの三倍くらい量あった…あいつ味覚も腹もバグってる。
最終的に着いたのは、夕焼けが反射して眩しい河川敷だった。
「ここ、俺のお気に入りのとこ」
そういってまた笑う。だめだ、なんか直視できねぇ…
「ね、今日楽しかった?」
「…まぁまぁ」
「…そっか、そりゃよかった」
こいつ、色んな場所回ってる間もずっと喋ってた。
でも、以外と面白い話ばっかだった…かもしれない。
「なぁ、お前って…なんなの、」
「え、どういうこと?」
「だって、普通はただ注文してるやつに一目惚れとかしねぇじゃん。
ほんとは、違う理由あんじゃねぇの」
そうぶっきらぼうに聞くと、吹き出した白椿。
「ふ、っはは!ううん、ほんとに一目惚れ!かっこいいじゃん、如月」
「ぇ…ほんと?」
「ほんとほんと!男の俺でも惚れたよ?笑」
なんだか…「俺」が、認められた気がした。
きっと、いつか…こいつにも秘密がバレて、落胆される。
でも、それまで…いつかくる日までなら。
一緒にいても、いいのかな…
「もう一回告白していい?」
「元々された覚えは無いけど。」
「ぇ、ひっど!じゃあしてあげるよ!!
お前のこと好きっちゃけど、付き合ってくれん?」
「…は、」
これは聞いたことがある…博多弁ってやつ。
普通に告られてるはずなのに、なんか…いつもよりドキドキすんだけど。
博多弁だから?
「無理かな、」
「…いや、別に…無理とか言うてないし、っ」
「え、それって…」
「っだから!!いいって言ってんの!!なんでいちいち言わせるん…」
「え、やったぁ!これからよろしくな、悠!」
「っ…よろしく、りつ…」
「え、りつって初めて呼ばれた!なんか可愛い!!」
「うるせぇ…っ」
…今はもう、あんな可愛いイケメンって感じもなくなったな、りつ。
今俺は、ショッピングモールを出て、あの時の河川敷にいる。
あの時と同じように、今も夕焼けに照らされていた。
やっぱり…
こんな俺が、あいつと付き合っていていいのだろうか。
そろそろ、「バレる時」じゃないのか。
もう、終わりかなぁ…
頬を伝う冷たいのは、多分涙で。
気がつくと俺は、馬鹿みたいに泣きじゃくっていた。
きっと俺は、あの日…認められたのが、嬉しかったんだと思う。
だって…初めてだったから。
友達どころか、家族にまで見放されて。
そんな俺を、好きって言ってくれて。
嬉しかったん、だよなぁ…
「悠!!!」
後ろから響いたのは、間違いなく…りつの声。
振り向くと、俺の予想通り…いや、予想通りじゃない。
顎からは汗が滴っていて、頬からは何故か血が出ている。
「っ、え…りつ、なんで…」
「お前が急に走って行って、どこ行くかもわからんやったけん、今まで一緒に
行ったとこ全部回ってきた。…まぁ、お前のことやけん…ここおるやろうなとは
思いよった。」
「…なんで、来たん」
「は…なんでって、」
「来なくてよかったのに!!!りつが来たら、俺は…全部話さないけんくなるやんっ、
やのに…」
また泣いてる、俺。ダサっ…
でも、そんな自虐は…ふわっ、と包まれた暖かさによって途切れた。
目の前に広がるのは黒。
そこでやっと、抱きしめられていることに気がついた。
高校生の時は、ちょっと標準語だった(らしい)です。知らんけど。
「お友達に」ってさ、まじでリナリアさんと仲良くなったときと一緒なんよw
うわぁ、改めて思い出すと恥ずかし…なんで仲間とか言って話しかけたんだろ。恥ず。