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友達作り⑬悪グループたちのお願い
星
次の日。奈々は佐藤くんと顔を見合わせて、にっこり微笑みながら一緒に教室に入っていった。「おはよ」「おはよう」奈々と佐藤くんが挨拶をすると、周囲から「はよ」「おっはー!」と先に来ていたクラスメイトたちが明るく返してくれた。昨日、奈々と佐藤くんは「全部、全部、最初からやり直す」という約束をした。その約束のおかげで、二人の間からはぎこちなさが消え、もっと仲良くなれた。お互い口には出さないけれど、二人はもうただのクラスメイトではなく、特別な「親友」になったのだった。「佐藤くん、今日の給食カレーだって」「まじか。俺、カレーの時についてくる福神漬け、辛いから苦手」「辛いの? 私、いつも減らしてるから……」そんなふうに楽しく話しているときだった。「ねぇ……」「え?」奈々の後ろから、か細い声が聞こえた。振り返ると、そこにはあの悪グループたちが全員で立っていた。リーダーっぽくて可愛いけれど一番目立つ女の子、ゆい。体中にジャラジャラとアクセサリーを付けている、かのん。そして、かな、ゆり、ちよ、もも。全員で6人。このクラスの中で、とーっても意地悪だと言われているメンバーだった。「な、何?」奈々が恐る恐る聞き返すと、グループの中のももが少し気まずそうに言った。「相談があるんだ。ちょっとこっち来てくれない?」奈々は不思議に思いながらも、とりあえず彼女たちの後についていくことにした。連れてこられたのは、学校の中でも人気(ひとけ)の少ない薄暗い場所。まるで、誰にも見つからない秘密基地のようなところだった。(こんな場所に呼び出して、みんな一体どうしたんだろう……)奈々は身構えながら、何も言わずに首を傾げた。すると。「ねぇ、うちらって、意地悪……だよね?」ゆりの口から、ぽつりとそんな言葉がこぼれ出た。「え……?」奈々は目を見開いた。どうして自分たちからそんなことを言うのだろう。わかっていて意地悪をしていたの?という疑問が、頭の中でぐるぐる回る。「私たちね、わざといじめてるわけじゃないんだ。ただ、メンバーの王様……すごく偉い子に、いじめろって言われているだけで……」「えっと……」なんて言ったらいいのかわからず、奈々は言葉に詰まってしまった。奈々の目の前で、いつもは強気なはずの悪グループたちが、全員もじもじしながらうつむいている。(気まずいっ! どうして何にもしゃべってくれないのっ! いつもみたいに元気出してよっ!)奈々は心の中で叫んでいた。でも、その言葉をうまく口にできなくて、奈々自身ももじもじしてしまう。沈黙を破るように、今度はゆいが意を決したように口を開いた。「私、私、本当はみんなのこといじめたくないっ……!」「うちだってそうだよ。でも、天野様の言うことを聞かなきゃ……」「天野様……?」聞き慣れない名前に、奈々が問い返す。「あっ、天野様っていうのは、二組の天野空(あまの そら)ちゃんのこと……」(天野空ちゃんって、あの子だよね? なんか、いつも周囲に命令してきて嫌だって有名の……。あの子が、この子たちのリーダーだったの?)ちよが、震える声で奈々を見つめた。「私たち、あの子に操られてるの」