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海と貝
リリリリリリ
今日も目覚まし時計が部屋に鳴り響く
私は重い体を無理やり起こして「はぁ・・・」と呟いた
学校に行くのが嫌だったからだ
嫌な人はどこにでもいるだろう でも私は普通の”行きたくない”とは違うのだ
わがままではない
「いやだ」そんな気持ちで携帯と予備の服を持って家を出た
目の前は海 海は私の気持ちとは正反対
自由で大きくて強そう
そんな海がうらやましい そして私は海が好き
優しく話を聞いてくれる海が好き 大好き
そんなことを思いながらふと時間を確認した 8:20 学校が始まるのが40分
やばい 遅刻だ
実は走れば2分で学校に着くのだが、私が急いでるのにはちゃんと理由があった
ガラガラ
教室の重いドアを開けた
「今日はあいつらに何をされるのだろう・・・」
ドキドキしながら机へ向かった
「・・・・」
びっくりしなかった いつもの光景だった
私の机には油性ペンで「死ね」「馬鹿」「あなたの死を望みます」「嫌い」などの
暴言が書いてあった
またか・・・何が楽しいのかな?
そう思いながら私は先生が来る前に机を奇麗にし、着席した
いじめっ子たちは「つまらないの」「ッチ・・・」とか言いながらこちらを睨んできた
普通に聞こえる 皆が聴こえる音量で話してたから
「おはようございます」
いつものようにホームルームの時間が始まった
いつものようにスマホのゲームを始めた
その時
「ゆらちゃん!」
私のことを呼ぶ人
あ・・・るなちゃんだ
この子だけは私の味方 大好き 海よりも広い心を持ってて強い
見て見ぬふりをしないで助けてくれる
「何?るなちゃん」
「はい、お手紙」
受け取った手紙には 暴言・・・・ではなく
何て言えばいいのだろう ふわふわ言葉が書いてあった
負けないで、味方だよ、大好き、ずっと友達
涙が溢れそう嬉しい
そんなこんなで 授業も終わり、帰りの時間
いじめっ子たちに「来い」と言われた
私は、ついていくしかなかった
屋上に連れ出されて、
”いつものように”暴言が飛んでくる
”いつものように”暴力を振ってくる
いじめっ子が憎い
いつもいじめて、いじめて 何が楽しいの?何かメリットがある?教えて、ねぇ
先生も憎い
相談してるのに「相手が金持ちだから、、」ってバカなの?
見て見ぬふりと同じだよ、、そんなの、、、、
見て見ぬふりするクラスメイトも憎い
「行こう」「・・・」何?何で助けないの・・・
るなちゃんだけがヒーロー
見て見ぬふりをしないのが本当のヒーロー
海もヒーロー
気づいたら私は気絶していた
夕日に照らされて、少し強くなったみたいだ
下に行くとるなちゃんが待っていた
「行こう」
「うん」
目の前は海 海の風が気持ちい
そんなことを思って歩いていたら、砂浜に貝が落ちているのを発見した
「あ。。。」
それに吸い込まれるかのように、私はそのかいを拾った
藍色の貝 私の気持ちを表すかのように 暗く、どんよるとしてた
・・・・苦しい
たとえ、友達が居たとしても 私は限界
ふと、海に入りたくなった
私は靴と靴下を脱ぎ海へ向かった
ぼーっとしながら入ると、もう深い所まで行ってた
6月の海は まだ冷たかった
上から「ゆら!戻ってきて!ゆら!」と叫び声が聞こえる
ごめん。私、もう限界なんだ
私は深く、深く、深く潜った
引き返す気持ちなんてなかった
消えてしまいそうな貝を握りしめて・・・
意識が遠くへ行く
「あぁ・・神様、私に友達をくれてありがとう でも、もっと味方になってほしかったな」
最後にそう思った
「ゆら!」
少女は泡になった
少女は苦しかった
少女は限界だった
少女は『生きる』という呪いから解放された
少女は『自由』を手に入れた
砂浜に 少女の代わりに貝だけが浮かび上がった