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異界の地
トラックがこちらへ走ってくる。
トラックと俺の距離は段々と縮まり、そして..
矢島「.....い゛っ、たくない..?」
左手を支えにして、飛び起きる。
ずっと硬い土の上で寝っ転がっていたからか、体の痛さも感じず、あまり動けない。
矢島「てかそもそもここ何処..?」
キョロキョロと周りを見渡せば、普通じゃ考えられないようなものが多くある。
動物が見当たらない。周りには多くの木々があり、鳥の一羽か二羽くらい飛んでいてもおかしくない。というよりかはそれが普通だろう。
1番特徴的なのは、遥か上空にある浮島だろうか。
矢島「え、島浮いてる..重力は..?」
見れば見るほど、まるでここが別の世界のように感じる。
矢島「取り敢えず病院行かないと..」
当初の目的は病院に行くことだ。嬉しいことに保険証は持っているし、ここが何処であろうと受診くらいはしてもらえるだろう。
脚に力を入れ、立ちあがろうとした。
ふらり、とよろけてしまう。いつもの立ちくらみとは少し違う。
左脚は自由に動かせるというのに、右脚だけ動かしにくい。
矢島「..ついでにこれも診てもらうか」
動かしにくいとは言えど、歩けない訳ではない。
まだ明るい時間帯だ。夜になるまでには病院につけるだろう。そう思い、若干右脚を引き摺る形で歩き始める。
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もう何時間歩いたか分からない。
さっきよりも右脚が重く、全体重が左脚に掛かっているようなものだ。
木を支えにしてずりずりと座り込む。
矢島「はぁっ..はぁっ....」
すっかり日は落ち、木の葉が掠れる音がどこか不気味に感じる。
もう生きるのを諦めたかのように目を瞑る。
「〜〜〜、〜、〜!」
矢島(あぁ、もう耳までおかしくなったのか..)
こんな場所で聞こえるはずのない人の声が聞こえた気がした。
...いや、これは確かに人の声だ。
「..ぇ、〜〜ぃ..ょ!...!?」
誰かが俺に駆け寄ってくる音が聞こえる。
??「ねぇ、あなた!?大丈夫!?」
うっすらと目を開けると、目の前には俺と同じくらいの歳に見える女の子が居た。
矢島「あの、病院ってどこにありますか..?」
初対面で聞く事じゃない。
??「え!?あなた病気なの..!?じゃあ早く街に行こ!歩ける?」
矢島「いや、どういう訳か右脚が動かなくて..」
??「本当?じゃあ肩貸したげる!」
非常事態ということで、ありがたくその女の子の肩を借りる。
少し言葉を交わしながら歩き続けていると、いつのまにか夜が明けていた。
それと同時に、俺の目には大きな都市が映っていた。