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友達作り㉖みんなで奈々を取り戻せ!
星
「転校しなきゃいけないんだ……!」奈々の口から飛び出した衝撃の言葉に、廊下の空気は完全に凍りついた。ポロポロと涙をこぼす奈々の肩は、今にも壊れてしまいそうなくらい小さく震えている。「来月、引っ越しだなんて……そんなの急すぎるよ……」モモちゃんが奈々の手を握ったまま、自分のことのように泣きそうな声をあげた。他のメンバーも、あまりのショックに言葉を失って立ち尽くしている。誰もが絶望に沈みかけた、そのとき。「――おい」低くて、でもお腹の底に響くような強い声を出したのは、佐藤くんだった。佐藤くんは一歩、奈々に近づくと、その涙で濡れた顔を真っ直ぐに見つめた。「諦めるなよ、奈々」「え……?」奈々が涙のたまった目で佐藤くんを見上げる。「昨日、お前言ったじゃんか。新しく増えた仲間のおかげで、絶対に壊れない強くて温かい円になったって。その円の真ん中にいるお前が、勝手にいなくなるなんて許さねえぞ」「でも、お父さんの仕事だし、私じゃどうにも……」「どうにかするんだよ! 大人の事情なんて知るか!」佐藤くんがニカッと、いつものちょっと生意気で、でも最高に頼もしい不敵な笑みを浮かべた。その目は、本気で燃えている。「奈々がこの学校に残れる方法なんて、探せばいくらでもあるはずだ。お父さんにみんなで直談判したっていい。とにかく、俺たちの奈々を、その『引っ越し』とかいうやつから奪い返す。作戦タイトルは――『みんなで奈々を取り返せ!』だ!」佐藤くんの力強い言葉に、李央くんがパッと顔を上げた。「……そうだよな! 奈々がいないグループなんて、そんなの円じゃなくてただの線じゃんか!」「私も手伝う! 奈々ちゃんを行かせたりしない!」モモちゃんが力強くうなずき、空ちゃんとカナちゃんも「当然でしょ!」と涙を拭って笑顔を見せた。「みんな……」奈々の胸の奥に、さっきまでの絶望とは違う、じんわりとした温かい光が灯っていく。「よーし、放課後は全員で秘密基地に集合だ。あそこで、奈々奪還の超極秘ミーティングを行う!」佐藤くんがそう言って、みんなの真ん中に自分の右手を突き出した。そこに、モモちゃん、李央くん、空ちゃん、カナちゃんの手が次々と重なっていく。最後に、奈々がおずおずと手を重ねると、佐藤くんがその上からグッと力を込めた。「待ってろよ、奈々。俺たちが、絶対にお前をここに引き留めてみせるからな!」