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2話 日常
気づけば、少年とはよく遊ぶようになった。
猫を追いかけたり、逆に猫に追いかけられたり。
雨が降れば小屋の中で隠れん坊をした。
そんな日々はボクにとって、日常となった。
その日常にボクは、心が隙間なく満ちる感覚がした。
それに、少年と猫はボクの知らない世界を教えてくれた。
だからボクは、満たされた心の溢れたものに浸った。
けれどそれは少年も同じだったようで、少年はボクによくこう言った。
「えへへ…、君と猫ちゃんと遊んでると、すっごく楽しいな」
その言葉に同意するかのように、いつも猫はにゃーと返事をした。
そんな会話のおかげもあるのか、ボクと少年と猫は、もっと仲良くなれた。
猫は膝に乗ってくるようになったし、少年と猫と一緒に、色んなところへ行った。
入ってはならない場所や山に行くたび、ないしょが増えた。
そして、ないしょの量に比例するように仲良くなって、ボク達は2人と1匹で1つのようになった。
ボクは、昔から憧れて、羨望していた日々を手に入れることができた。
少年にとっては普通のこと。
でもボクにとっては幸せなこと。
ボクはこの時、やっと人間になれた気がした。