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叶うはずない恋だけど。#1
ある日の、昼休みのことだった。
「ねえ、|彩音《あやね》!」
「なあに、|柚木《ゆき》?」
「彩音って好きな人とかいないの?」
私は|河井《かわい》 彩音だ。
ちなみに、大のファンタジー好きである。
「私…?私は、えっと…」
私は、|羽石《はねいし》 |優斗《ゆうと》くんが好きだ。
でも、そんなことを言ったら…。
優斗くんは実は、いたずらっ子で、勉強もできないわけじゃないけど、できるわけでもない。
顔も別にいいわけでもない。運動神経もいいわけでもない。
そして…。
柚木の、親友の、|心愛《ここあ》のことを、恨んでいるのだ。
私は、心愛がいくら恨まれても、いいと思っている。
…なぜなら、私は散々心愛にいじめられたからだ。
他にも、私の柚木以外の親友も全員、いじめていたのだ。
…優斗くんは、私たちを守ってくれた、神様なのだ。
なぜ、柚木を心愛がいじめなかったかというと。
柚木はすごく弱くて弱くて…。物理的にも、精神的にも。
ちょっと叩いただけで、皮膚が腫れてしまうくらいだ。
しかも、先生にチクられるから、そんなことされたら面倒だ、という理由があるらしい。
優斗くんは、そんなことで差別をした心愛のことを、恨んでいるのだ。
同時に、私たちを守ってくれたんじゃないか…。私は勝手にそう思っている。
次に、柚木が私を守ってくれなかった理由。
クラスのいろいろな人が止めようとし、心愛に対抗した。
でも…。
心愛は、その人たちみーんなに、暴力を振るった。
…柚木はそれが怖くて、止めなかったらしいのだ。
ひどい。
あまりにも、ひどすぎるよ…。
私はそう思っている。
…だから、私、実は…。
柚木のことが、嫌いなのだ。
「彩音〜妄想入っちゃってるぅ〜?」
「え、あ、ごめん。」
「そんでさあ〜好きな人、だ〜あれ?」
「…羽石、優斗くん。」