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泣いて、笑って、手を取りあう 9
ついにラストになりました!この話を見る方はぜひ1話から見てください!
新曲を作ってもらうことになった。今回はメンバーきっての希望で、今までの自分たちのことを曲にすることになった。
そして完成したタイトルは、「泣いて、笑って、手を取りあう」。グループで、「泣きあった」こともあった。「喧嘩」もした。それでも、「たくさんの人を笑顔」にさせたい。そのために自分たちは、アイドルになったんだ。誰にも負けたくない。なんとかして、みんなを幸せにしたい。アイドルは、みんなのために生きている。自分を犠牲にしてまでも、声を届ける。辛くても、みんなは1つなんだ。そんなことを、歌詞に書いた。
センターは誰にするのか、それは、「全員」になった。歌詞に応じて、センターの人を変える。
8人は、一生懸命に練習した。みんなに笑顔になってもらえるように、ファンのことを大切に考えて練習した。
3カ月くらい練習した。そしてようやく本番になった。あの頃は、自分たちが1番後輩のグループだった。でも、1年が経ち、新しいグループができた。だから自分たちは、最後から2番目に歌う。
この日の8人は、やはりいつもの顔じゃなかった。ずっと笑顔だった。目もいつも以上にキラキラしていた。自信しか表れていなかった。
ステージに上がった。8人は、ステージの前にいる、たくさんのファンの人の顔を一人ひとり見渡すかのように、歌っていた。曲の終盤に差し掛かったとき、8人は泣きそうになっていた。今まであった辛いことを思い出した。自分たちは、まだ、先輩には及ばないかもしれない。でも、自分たちがゴールテープを切るその日まで、走り抜く。涙は溜まっていても、溢さなかった。ファンの前で、まだ涙を流したくはない。彼女たちは、真のアイドルになった。アイドルというものが、よく分かったのだ。彼女たちは、涙を堪えながら、歌いきった。
ステージから戻った時、8人は大号泣した。今まで辛かった、悲しかった、ここから抜け出してしまいたかった。でも、我慢して耐えた。自分たちが歌った時、それを思い出したのだ。
結果発表になった。8人は唾を飲み込み、ドキドキしていた。彼女たちは、
1位になった。8人で、また泣きあった。そして、最高の笑顔が溢れた。去年は、悔し涙を流した。けれど今は、嬉し泣きをした。
アイドルは、こんなに辛いのだ。でも、楽しいことも努力すればいつかはきっと訪れる。人生も同じなのだ。
その後、8人は、テレビに引っ張りだこのアイドルになった。今まで、とても辛かった。でもたくさん努力をしたから、今がある。この世界に生きて、ゴールテープを切るその瞬間まで、8人はこれからも走り続ける。
シリーズ完結しました〜!今までこのシリーズをご覧いただき、ありがとうございました!