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初めてのキスを交わしてから、一週間。恋人同士になったゆうせいと星太郎は、初めての週末デートに繰り出していた。行き先は、大学から少し離れた場所にある、緑豊かな大型公園。付き合う前も一緒に歩いたことがある場所なのに、今日という日は全く違う景色に見えた。「星太郎、ほら、あそこ。新しいカフェできてる」ゆうせいは自然な動作で、星太郎の左手をそっと握りしめた。人目が少し気になって星太郎がビクッと肩を揺らすと、ゆうせいは悪戯っぽく微笑んで、さらに強く指を絡めてくる。いわゆる、恋人繋ぎだ。「ゆうせい、ちょっと、外だし……」「いいじゃん、誰も俺たちのことなんか見てないって」悪びれもしないゆうせいの横顔は、どこか誇らしげだ。繋がれた手のひらから伝わる熱が心地よくて、星太郎はそれ以上拒むのをやめ、小さく握り返した。二人は新しくできたカフェでテイクアウトのコーヒーを買い、公園の芝生が見渡せるベンチに並んで座った。「なんかさ、不思議だな」ゆうせいがコーヒーを一口飲み、青空を見上げながら呟く。「何が?」「一週間前までは、こうして隣にいるだけで『手、繋ぎたいな』とか『キスしたいな』って、頭の中そればっかりで必死だったからさ。今こうしてデートしてるのが、なんか夢みたいで」さらりと言ってのけるゆうせいに、星太郎はまた耳まで真っ赤にする。「……ゆうせいは、いつもずるい」「何がだよ」「そういう恥ずかしいこと、普通に言うから」星太郎がそっぽを向くと、ゆうせいは低く笑った。そして、ベンチの背もたれに回した腕で、星太郎の肩をぐっと自分の方へと引き寄せる。「恥ずかしくないよ。星太郎が可愛すぎるのが悪い」耳元で囁かれた声に、星太郎は完全にノックアウトされた。見上げると、すぐ近くにあるゆうせいの瞳が、優しく、そして少しだけ熱を帯びて自分を見つめている。昼間の公園、周りにはまだ人もいる。だけど、ゆうせいの顔が近づいてくるにつれて、星太郎は静かに目を閉じていた。唇に、チュッと小さく、柔らかな感触が落ちる。「……ん、ここでそれはダメ」慌てて離れた星太郎が周囲を見回すと、ゆうせいは満足そうに声を上げて笑った。「じゃあ、この後の行き先変更。俺の家行こう。映画の続き、まだ観てないだろ?」確信犯的なゆうせいの提案に、星太郎は呆れつつも、胸の奥が甘い期待でいっぱいになるのを止められなかった。「……うん、行く」差し出されたゆうせいの手を、今度は星太郎の方からしっかりと握りしめた。