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自由に生きたい③
(寮…か。自由に生きれるし、いいのかもしれない。)
「ねえ、|亜月《あづき》くん。」
「何?」
「このクラスにさ、寮の人とかっているのかな?」
「寮の人か…。あ。|夜高《よだか》とか?|影野夜高《かげのよだか》。」
「影野くんって…あの隅っこに座ってる?」
「うん。悪い奴じゃないよ。」
「わかった。ありがとう。」
寮のことを聞くために、影野くんの方へと向かった。
「影野くん。」
「はいっ!?えーと確か…柊さん?で、でしたっけ…すみません、あまり覚えるのは得意じゃなくて…」
「うん。私は、|柊覇亞《ひいらぎはつ》。急にごめんね。」
「あ、!な、何か用があって来たのでは?ど、どうしました?」
「えっと、影野くんって…寮に住んでるんだよね?」
「え?ま、まあそうですけど…」
「私、寮考えてるんだけどなんか情報あるかなー?って思って。」
「なるほど…。基本的には自由ですよ。あっ、でも異性の部屋に入らないとか、ペットはダメとか…そういうのは、ありますね。」
「寮の費用は…親とかに払ってもらってる?」
「そ、そうですね。少しは…でも僕も、バイトで稼いだお金で少し払ってますよ」
大変な生活になるかもしれないが、少しだけ希望の光が見えた気がした。
「ありがとう、影野くん。また何かあったらよろしくね!」
「は、はい!」
その日は寮のことばかり考えていた。
「おーい覇亞!覇亞ってば!」
「あっ、ごめん!考え事してた…。」
|兎羽《とわ》が話しかけてきた。
「今日、なんかぼーっとしてるけど大丈夫?」
「えっと…|心花《みはな》から提案されたんだ。」
「提案…?」
「施設暮らしが辛いなら寮考えてみたら?って。今、寮に住んでる人にも色々聞いてみたんだ。」
「寮か…確かにいいかもしれないね…。今日、言ってみるの?施設の人に。」
「うん。怖いけど…頑張る。」
その日、心花と兎羽からの応援を受けて施設の人に言ってみた。
「柊さんが…寮?」
「お願いします!」
「時間は掛かるかもしれないよ?」
「掛かってもいいです!」
「そんなに…この施設が嫌だった?」
「自由に…生きたいんです。気楽でいられる場所にいたい。だから…。」
「わかったわ。話してみる。」
「えっ!ありがとうございます!」
月日は流れ、4月。私は高校2年生になった。
「は~つっ!」
「あっ!兎羽!久しぶりだね!!」
「覇亞、包帯取ったんだね。」
「うん。後遺症もだいぶよくなったしね。今日から寮か~…。」
始業式である今日、この日から私は寮で生活することになった。バイトは心花と一緒のカフェで働くことにした。パニック障害も前よりも落ち着いていた。
「あ、覇亞。久しぶり。」
「亜月くん!久しぶり!」
「てかお前…彼氏、いたんだな…。」
「あれ?言ってなかったっけ?そう!私の彼氏、兎羽くんで~す!」
消えたいって思っていた自分が嘘みたいに楽しい日常が待っていた。
これからは、いい夢を見ていきたい。
覇亞編終了です!!!!!!
今回はクラスメイト多めで書いてみました!(いや、そんなこともないか、?)
ということで、覇亞編の裏設定を書いていきます!
私が考えた設定とかが大半なので何ってんだおまえええええええって思ったことがあったらファンレターで教えてください!
まず1つ目。亜月は覇亞に「ほんとにかっこいいね!」って言われてから覇亞に惹かれていっています。だから最後に彼氏いるのか…って悲しそうだったんですよねっ!
次に2つ目。覇亞が終わりにこれからは、いい夢を見ていきたいって言ってますが、悪夢障害もだんだん落ち着いていることがわかります!体もどんどん救われてますね(^▽^)/
一応以上になります!次は瀬良編です!でも私旅行に行ってくるのでおそらく1話は4月前半ぐらいになるかな、と思います!ではありがとうございました~