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【第拾弐話】新たな来客
〜華竜 side〜
__*ザッ…ザッ…*__
華竜「さ霧消ーゆるーみーなとえの〜♪舟にしーろしーあーさの霜〜♪」
(…兄さま、早く会いたいなぁ…♡)
最近寒くなり始めたから、たくさん兄さま達に会えるようになった。今から兄さまに会うのがたまらなく楽しみだ。
__*ザッ…ザッ…*__
__*ザッ……ザッ……*__
__*ザッ………ザッ………*__
華竜「……あれ?」
いつもはすでに聞こえてくるはずの兄さま達の声が全くしていない。それどころか、いつもは夜でもいるはずの虫達が、今日は一匹もいないのだ。何か嫌な予感を感じ、私は少し足を早めた。
__てててっ……__
華竜「………え?…お屋敷…壊れてる…?」
元々兄さま達がいたはずの場所には、無惨な姿になった屋敷のかけらと、広範囲の地割れの跡があった。割れ目からは水が湧き、沼のような見た目になっている。そしてその隙間から、数本の黒々とした巨大な触手のようなものが、まるで割れ目を守るようにうねうねと囲っていた。
華竜「……なにこれ。」
その声が届いた瞬間、今まで蠢いていた触手が、ゆっくりとこちらへ向いた。しばらく、グネグネと耳障りの悪い音だけが森に響く。
__*ぐちゅ…ぐちゅ………*__
そして。
***シュルルルルッッ!!***
一斉にこちらへと伸びてきた。
華竜「!!……あーこういう感じかぁ……」
私は、向かってきた触手の一つを掴んだ。おそらく捕まれるとは思っていなかったのだろう。一瞬だけ動きがぴたりと止まった。そして、掴んだ触手以外を、白い霧のようなものが覆い始める。
__*パキパキパキ……*__
初めて体が凍るのを感じたのだろう。触手は私と霧を振り払おうと、私と共に大きく体をうねらせた。
***ブォンッッ!!!***
__華竜「…ふぅーーーん…兄さまどこかへやった上にこんなことするんだ…」__
少し、触手を掴む力を強める。
__***ブチュッ……***__
*華竜「`フロストブレイク`!」*
***バキッッッ!!!***
*ガラガラガラッ……*
甲高い轟音が鳴り響き、触手は一つを残して全て凍りついて動きを止め、そのままバキバキと砕けていった。ふと、手元に残った、他よりも小さい触手に目をやると、かなり大人しくなっていた。掴んでいた部分が少し潰れている。どうやら力加減を間違えたらしい。
__うねうね……__
華竜「………あれ?」
よく見ると、この触手だけ他のものと違い、まるでこちらの様子を伺うように体をくねらせていた。知能はどうであれ、意思があるのは間違いない。
華竜「ねぇねぇ、あなたが本体?」
触手「………(フルフル)」
華竜「違うの?じゃあ本体に一番近い分裂体とか?」
触手「………(コクン)」
華竜「じゃあ、あなたは本体の指示で兄さまをどこかにやったの?」
触手「………(フルフル)」
すると触手は近くに落ちていた小枝を取り、ゆっくりと何かの絵を描き始めた。
__カリ…__
丸。
__カリ…__
鋭い目。
__カリ…__
角。
華竜「……これ、鬼?」
触手「…………(コクン)」
華竜「この人に、兄さま達を連れ去れって命令されたの?」
触手「……(コクコク)」
華竜「…………私を攻撃しようとしたのはなんで?」
__……カリカリカリ……__
6人の棒人間を丸で囲み、外側にバツ。
華竜「……兄さま達以外は来ちゃダメ…って?」
触手「……(コクコクコク)」
華竜「ん〜…でも私兄さまの兄妹だよ?いいんじゃない?」
触手「…………」
__うねうね………__
__うねうね……………__
しばらくして、触手は私の手首を絡め取り、軽くひいた。
触手「………(クイクイ)」
華竜「…え?そっちいってもいいの?」
触手「………(コクリ)」
華竜「やった!ねぇ、あなたの場所は?」
__カリカリ…__
華竜「えっと……崖の側の…森の…中心部の……沼…?」
触手「……!(コクンッ)」
華竜「……わかった!じゃあそっち行くね!」
***シュルルルルッ!!***
その瞬間、私の体は触手に掴まれ、地面の割れ目へ吸い込まれていった。
華竜「待っててね〜!兄さま〜♪」
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〜?? side〜
??「………さむ………」
別に凍らせなくたってよかったのに。沼の水温がちょっと下がってる。寒い。
__***ピョンッ***__
ぼーっとしていると、目の前に、小さいカエルが飛び出してきた。
??「………あ……ガマ。おかえり。舌大丈夫?」
__***ピョンピョンッ***__
??「………そっか。なら大丈夫だね。」
__***ピョコッ***__
??「………あ、そろそろ来るの?その子。」
__***ピョンッ***__
??「………そっか。じゃあ……」
__*カサッ……*__
横から聞こえた物音の方へ目をやると、《《さっきの二人》》はまだ眠っていた。
火影「………………」
天舞「……ん"〜……」
起きる様子は、まだない。
??「………んー………どうしよっかな………」
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第拾弐話 〜完〜
今作投稿日:2026/06/22
前作投稿日:2025/12/23
なにしてたんだろ。