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そばかす #1
白月狐
主人公…中島 百合
百合の友達…西島 真弥
友達…羽山 栞菜
「ねぇねぇパパ!あのカエルちゃんとウサギちゃんのぬいぐるみ買って~」
「あれがほしいのか、わかったちゃんと大切にしろよ」
少女は、カエルとウサギのぬいぐるみを大切そうに抱える。
ピピピピピ
「夢か」
今日も学校。いつも通りの朝が来る。白色のカーテンを思いっきり開ける。
朝日が差し込む。いつもの道路に、いつもの広葉樹。
「ご飯よ~百合」
ママに呼ばれて、私は階段を下りる。朝御飯の美味しそうな匂いがする。
「おはよう。さっさと朝御飯食べちゃって。」
私は少し寝ぼけているのか、ゆっくり朝御飯を食べ始めた。テレビのニュースを見ながら食べる。パパはもう会社に行く準備をしている。玄関を開ける音。
「いってきまーす。」
「いってら~」
パパを見送る。スマホをいじりながら時間をみる。もうすぐ学校に行く準備をしないといけない。
「はぁ」
茶色のクローゼットを開けてため息をつきながら制服に着替える。白いシャツを着て、明らかに膝上で校則違反である紺色のミニスカート、朱色のリボンをつけて、紺色の上着を着る。次に洗面所へ向かう。
「女の子は前髪命!」
歯磨きをしながら髪の毛のセットを念入りにする。セットをしながら時間を気にする。
ガサガサとバックに教科書やノートを入れて準備する。
-一日の始まり-
「ママ、いってきまーす!」
大きな声で手を振りながら言う。ドアをバタンと閉じる。
駅まで歩いて私は向かう。辺りを見ると私の学校より可愛い制服を着ている他校の学生。遅刻しそうなのか走って通勤している会社員。小さくて可愛い小学生。
ドン!
「イタタタ。」
しまった、よそ見をしてしまったせいで人に当たってしまった。すぐ私は謝る。
「す、すいません!私がよそ見していたせいで。」
「あっ、僕は大丈夫だよ。僕こそごめんね!」
彼はそう言って走っていった。私は、申し訳ないと思いながら駅へ向かった。
電車の中でスマホをいじりながら降りる駅まで待つ。何を植えているのか分からないけど綺麗な田んぼ。踏み切りで待っている田舎の学生。夜勤明けなのか電車の中で寝ている人。私と同じ電車通学の学生。
「次は~ 師寿駅~ 師寿駅~」
私は電車を降りる。またそこから学校へ徒歩で向かう。駅から徒歩五分でつく距離。
新緑の葉が彩る並木。まだこの学校に慣れていない一年生。友達と競争しながら向かう、朝練終わりの運動部の人、友達と喋りながらロッカーへ向かう二、三年生。
二年一組、自分の教室へ入る。バックを机の横へ掛ける。
「おはー百合!」
二人の同級生が私の席へ近づいてくる。
金髪に染めて、メイクも濃い、スカートは膝上、ネイルもガッツリ系のこの超ギャルって感じの校則違反しまくり女子高生は、私の友達の真弥だ。横にいるのは真弥の友達の栞菜だ。栞菜も、まぁ真弥と同じような人さ。
「おはよう真弥!メイク変えた?」
「さすが!よく気付いた!ピンクからグリーンになってるでしょ!」
今の季節によく合う色のネイルをしている。栞菜はニヤリと笑い言った、
「だが、私の方がセンスはいいだろう。」
確かに栞菜のネイルは色も考えられて色を最大限に上手く使われている。
思わず私は
「スゲー…」
と言ってしまった。真弥は隠そうとは思っているのだろうが、感情を隠しきれてなく悔しそうな顔をしている。
この空気を変えるべく栞菜は言った、
「そういえば百合は好きピとはどうなん?」
「好きピとはね。デートに誘って告白しようかなと…」
私は顔を赤くして言う。胸のドキドキが止まらない。
「あいつのどこが好きなのか分からんわ~」
真弥は首を傾げながら言う。栞菜も頷く。
「それより、どっかいいカフェない?」
「ここどう?」
真弥がスマホを指差す。そこは学校と案外近い所にある吉田カフェと言うところだ。
美味しそうなパフェ、種類豊富なランチメニュー。とても美味しそうだった。
「まぁ応援してるよー、ファイト!」
「ありがと」
真弥と栞菜から応援をもらった。勇気を出してデートに誘う事を決めた。
-昼休みの時-
「ちょっと、成矢君いいかな?」
黒髪の猫系男子。左はピアスが開いている。とてもかっこいい系男子だ。
「あ、別にいいけど?何?」
彼はスマホをいじっていた手を止める。
「あの、吉田カフェに行かない?」
赤い顔を隠しながら彼に言う。彼は、少し悩んだ様子で言った、
「いいよ。俺も気になってたし。」
「じゃあ、今日の放課後校門で待ち合わせね。」
とても緊張した。断られたらどうしよと思った。二人に報告しにいく。
「栞菜、真弥、誘うこと出来た!」
栞菜と真弥はとても喜んでくれた。メイクも二人がしてくれた。私はナチュラルメイクをしてもらった。とても清楚系という感じでいい感じに仕上がった。
-オシャレなカフェ-
放課後、私は成矢君との待ち合わせの場所で待った。栞菜と真弥は後ろから見てもらっている。別に来なくても良かったような気もするけど。
成矢君がゆっくり歩きながら来る。
「おぉ、もう待ってたのか。さぁ、吉田カフェに行こう。」
「うん」
二人は歩道を歩きながら色々な話をする。最近の学校の話とか趣味の話とか色々した。こんなに喋ることはあんまりなかったから嬉しかった。
ふと見ると茶色のレンガの写真で見たような建物が見えた。
あれが吉田カフェだ。どこかレトロな感じでとてもインスタ映えしそうだった。あそこで成矢君と写真撮りたいなと思いながら店内に入る。
続く
上手くかけているか分かりませんが気に入ってくれたら嬉しいです。