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異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第4章
観覧感謝…!
NOVEL CAKEから転載。
七話から、短編カフェで一時期募集していたキャラクターで採用した子たちが登場しています。
~第四章~
海渡『満月が、俺を支えてくれるようだ。』
rematch
女神『まさか、舐めてませんよね…!!』
battle
ヴィンディン『今回は、草野海渡、お前が負ける番なんだ。』
revenge
秋葉『あなたが魔王さんなんですね。ヴィンディンさん。』
Grab a victory!
再び、バトルが開幕する…。
第四章『魔王復活』
海渡『君は既に俺に負けたことがある…が、』
海渡『今回は分からないようにしてくれ。俺が圧勝しないように…ね。』
---
【第一話】
【魔王site】
…ようやくまたせたな、草野海渡よ。
おっと、紹介が遅れていたな。俺様は、この異世界を確実に支配できる魔王、『ヴィンディン』と言う。以後お見知り置きを。
俺様は、一度草野海渡と戦った…が、結果は敗北。…俺が弱かったわけじゃない。草野海渡が"強すぎた"のだ。なにしろ激戦だったから、勝負の行方は終わるまで一向に分からなかった。
…草野海渡は、人間だと聞いた。あの時は上級者の一人だと思っていたのに、人間だったということに未だに驚きだった。逆に人間にやられたと思うと、自分が情けないと思う。
草野海渡の特徴は、長い髪で癖っ毛、黒髪にずっと睨むような美しい青色の目。…寝ていないのか、毎日少し疲れていたな、クマができていた時もあった。
でも、俺様の部下『KUROKAWA』に草野海渡の姿を報告しろと命令し、報告が来た時、俺は目を疑った。
---
【報告書】
草野海渡の姿は、まず黒髪で、ショートカット、少し癖っ毛で、アホ毛もあり。
現在、高校生。既に何人ものの著名人を倒したそう。
草野海渡のお供として、女神がいる。
パッとみて、180cmと高めな身長。
タブレットを所持している。
ざっと言えば以上です。
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なんて軽めな文章…。もうちょっと詳しく調べてきたら?と思ったが、この文章だけでも目を疑った。
草野海渡が"高校生"?だいぶ歳をとっていると思っていたが、まさかの高校生?流石に驚いた。
そして女神、まだお前は草野海渡のそばにいたのか。こちらも同じぐらい驚いた。あんなに強かった草野海渡に、まだお前はついてゆくつもりか?あいつは魔法が全然使えないというのに…。役立たず?役立たず認定だなぁ。
草野海渡…、早くその姿を見て見たいところだ。前の姿も見て見たいが、イメチェンしたのか?いや、人間の姿なのか?まあ人間の姿で異世界に来ることは可能だな。前の方がよりクールだと思うぞ?
それにしても、異世界もだいぶ変わったなあ。少し明るくなったか?…まあ、俺様がそれを全てぶっ壊すんだな。www
…草野海渡、お前を楽しみにしている。お前が俺様をどうやって止めるか、とても楽しみにしている。お前がどれほど成長しているか…。…そんなこと言ったら、俺様が父親みたいになってしまうな…。
でも、何より、草野海渡に俺様の成長した素晴らしい力をぶつけることができるなんて、嬉しいなあ。思わずニヤって笑ってしまう。
…俺様がどんなふうに成長したか、聞くか?
俺様は…
【エリクサー】を飲んで、不老不死となった。
俺様は前、400歳ぐらいまで生きていたが、草野海渡にやられたからな…、でも生き返ったばっかだから、俺様は『0歳』とも言えるなぁ…!
もう死なない、もう負けられない、もう失敗できない。
0歳の異世界支配計画、スタートだ。
これが勝ち確?これが圧勝?
ヴィンディン『楽しみだなぁ。www』
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【二話「魔王との激しい戦い(前編)」】
女神『あ、そうそう。海渡様にお伝えしたい事があったんですよ…。』
女神『実は…。』
優『実は?』
女神『…魔王が…、復活…いたしまして…。』
海渡『…魔王…!?』
女神『また…もう被害が…』
海渡『…』
海渡『終わりじゃなかったってことかよ…。』
海渡『また変なことするんじゃねえか…?』
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これは、初めて魔王と戦った時のお話…。
海渡『はぁ…!はぁ…!やっと、最上階につくぞ女神…!』
女神『そ、そうですねっ…!疲れたぁあ…!』
海渡『全く…悪さしといて体力的にもダメージ与えやがって…。』
魔王がいる城は、階段が何百段…何千段もある。それを登らないと魔王には会えなかった。瞬間移動などを使って魔王のいる城の最上階に移動できることはできたのだが、昔の草野海渡は今と違ってあまり魔法を習得できていなかった。なんせ、異世界に来て2年で魔王と戦わされた。魔法習得もそんなに簡単ではない。
女神『あ、見えてきましたよ〜!!』
女神は魔王がいる部屋の扉を思いっきり開けた。
その部屋の中には、魔王がただ一人ぽつんと立っていた。
女神『ああ、誰も仲間いないんですか?召喚すればいいのに…。もしかして、もうそんなこともできない?』
ヴィンディン『………。』
海渡『おい女神。煽るのはよせ。』
女神『まあでもこれぐらいの刺激は与えないときついですよ〜?』
海渡『うっせえ!わかってる。』
その時の草野海渡は口がやけに悪かった。…いや、異世界で魔王を倒すことになり、巻き込まれたから少し怒っているのかもしれない。やけに疲れている。
ヴィンディン『……、来たんだなぁ、決戦の時が。』
ヴィンディン『いやぁ、まさか君らが来るとは思わなかったよ。もっともっと、遥かに強いやつが来るかと思った。食べてしまいたいと思った。…でも、…男の方、そっちは強そうだなぁ。』
女神『え"っ、私は…!?』
ヴィンディン『お前は弱すぎるだろ。魔法もほぼ使えないくせに。一桁ぐらいしか使えないだろ。』
女神は魔法がほとんど使えなかった。使えても少し。俺より魔法が使えてなかった。それも少し理由があるが、話すのはまた今度___
ヴィンディン『男の方。名は』
海渡『草野海渡だ。』
ヴィンディン『くさの かいと?変な名前だなぁ。あんまりないなこの名前は。』
海渡『人間だから、じゃないか?』
ヴィンディン『んん〜?人間…人間…あああ、そんな名前してたなあ。余計に倒したくなってきたじゃないか。海渡。』
ヴィンディン『まずは…、さっき戦ったから回復してないんだよな。ヒール。』
ヴィンディンは回復魔法『ヒール』で回復した。…ヴィンディンを倒す計画は、何千人ものの人たちが参加した、俺らもその参加した人たちに入っていた。まあしょっちゅう攻撃されるのは仕方がない。というか仕方がないというか、攻撃しないといけない。
彼は酷いことをした。初級者の居場所を奪うし、畑は荒らすし、他の人の土地を勝手に自分のものにしてるし、呆れるほど沢山悪さをしている。
ヴィンディン『海渡。よければ俺に一発、魔法で攻撃してくれ。力を漲らせたい。』
海渡『…そんなこと言わなくてもなあ!!』
海渡『攻撃ぐらいするわヴィンディンよ!!!』
海渡『アクア・アロー!』
ヴィンディン『魔法無効。』
ヴィンディンは、魔法無効を使って、俺が使った『アクア・アロー』を一瞬にして無効にさせた。
そもそも魔法無効とは、魔法無効を使った人より弱い人の魔法を無効にできる魔法だ。つまり、その時は俺よりヴィンディンの方が強かった。俺が弱かったのだ。
でも魔法無効にも弱点はある。魔法無効は、自分が"みえている"魔法しか無効にできない。だから、こそっと裏から攻撃したり、罠で攻撃したりすることは可能だった。
海渡『は…!』
女神『う、うぇええ!?ど、どういう…!?これじゃあ勝ち目なし…!?』
ヴィンディン『お前は俺より弱い!!!それは自覚しておいた方がいいなぁ。…女神、もしかしてサポートしてるくせに魔法無効という魔法を知らないのか…?サポートできてないじゃないか。な?』
女神『ッ…、いちいち人の仕事に口挟まないでくださいよ…!』
女神、神に生まれた人は、魔法を使える初級者や中級者をサポートするという役目がある。
でも女神は魔法を使えない人を選んだ。それは自分も魔法をほぼ使えないから。
海渡『…あのさあ、今は戦ってるんだけど。女神より俺に集中してくんない?うるせえ。』
ヴィンディン『…わかった。わかった、じゃあ俺はお前に命令をする。…犬みたいにな。』
海渡『…はあ?何ごちゃごちゃ言ってんだよ。』
ヴィンディン『説明はもうしない。女神からしてもらってくれ。…でも女神じゃわからないか!特殊すぎる魔法でなぁ。…わかっただろ、勉強しないとサポートできないよ。』
ヴィンディン『コントラクト・奴隷契約』
…コントラクト、この小説でも一回出たことあるだろう。契約魔法だ。魔法を使った人が誰かと契約し、その契約した人の行動などを制限したりすることが可能。つまり一つの洗脳と考えてもいいだろうか。
俺は、しょっぱなから洗脳されたのだ。奴隷にされた。
俺はその魔法を受けた瞬間、倒れた。
何も考えれなかった。俺の頭の中は、ヴィンディンでいっぱいだった。全て嘘の情報かのように情報がどんどん頭の中に流れてくる。頭の中が整理しきれない、しきれるかどうかすらわからない。ヴィンディン様は素晴らしくていいお方…?何言ってんの意味わかんない。そんな情報が沢山と頭の中に入ってくる。
…今の記憶が、ヴィンディンが俺の頭の中に入れた嘘のような情報に押しつぶされそうだった。
これじゃあもう戦えない、俺は全く強くなかったんだ。…これもヴィンディンがいれた情報かもしれない。でも、それは一つの真実であった。
奴隷なんていやだ。あいつの奴隷を何でしなきゃいけないんだよ。俺が悪いことしたか?なにか。いや、したかもしれない、でも、ヴィンディンより別に悪いことそんなにしてない、それだけは言えた。
ヴィンディン『…声も出なくなったか、海渡よ。』
女神『海渡に、触れるなあああ!』
ヴィンディン『なあに、なあにw、こいつ、ね、海渡はもう、俺の奴隷だからさ。』
女神『そんなん無理!!海渡は、海渡はね、』
女神『私のたった一人のパートナーなの…ッ!』
女神の目から、一滴の涙がこぼれ落ちた。
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【三話「魔王との激しい戦い(中編)」】
…俺が目を覚めた場所は、薄暗い知らない場所だった。目の前には、少し錆びたオリが見える。立ち上がると、オリの向こうにヴィンディンがいた。
ヴィンディンは笑っていた。
ヴィンディン『…お前は俺様の奴隷になったんだよ。…これで思い出さないか?』
…!そういえば、確かヴィンディンと戦っていて、それで、ヴィンディンの魔法で俺はヴィンディンに奴隷にされた…、そんなことがあったような…!
俺はヴィンディンに睨んだ。でも、俺はきっと酷い顔をしているだろう。奴隷にさせられた絶望感があり、目のふちが熱い。手は震えていた。
ヴィンディン『…どうやら、思い出したようだな、海渡。』
ヴィンディン『確かに俺様は海渡を奴隷にした。今何をやらせようか検討中だ。…覚悟して待っておけってこと。』
海渡『は…?なんで奴隷にされなきゃいけないんだよ…!悪いのはお前だろ…!?』
ヴィンディン『…あ"?…まあいいだろう。少しぐらい言わせてやるよ。後でどうなるかは知らないけれどなっ。それじゃあまたあとで。』
ヴィンディンは、俺から去っていった。どうやら俺は、出られない牢獄みたいなものに捕まっていた。牢獄の中には、小さなベットと、座るとギシギシという椅子に、物があまり置けない机、そして、トイレがある。
トイレの中から脱出っていうアニメや漫画を、地球でよく見たことがある。俺はトイレの便器を除いた。…吐き気がした。こんな中に入るなんて無理だ、というか普通に汚くて吐きそう。
じゃあ魔法で乗り越えるか。…でも、ヴィンディンのことだ。何か対策をとっているだろうし、俺が取得している魔法だけじゃ、脱出できないと考えた。
…一体どうすればいいんだ?俺はこのままヴィンディンに従わなければいけないのか?…いやだなそんなの。俺の人生、そんなんじゃ、半分ぐらい、魔王退治に参加されられ、異世界にもこされられ、巻き込まれたってことになっちゃうじゃん、俺の人生よう。
…何かできないか?何か脱出できる方法はないか?…必死に考えた。…瞬間移動が使えていたら、一瞬で脱出できていたのではないかと思う。でも、おれじゃあまだできっこない。
海渡『ああ…どうすればいいんだよ…』
思わず声に出してしまった、その時だった。
??『…もしかして、あなたも捕まっているんですか?』
海渡『…え…?』
シュン『あ、名前は"シュン"っていうんだ。ただの普通の初級者です…。』
海渡『初級者ねえ…。まあ俺もあまり強くないよ。よければだけれど、仲良くしよ、?』
シュン『ありがとう…!実は、ヴィンディンってやつの奴隷にされているんだ。さっきの君にヴィンディンが話している内容だと、君もまさか奴隷にされたの…?』
海渡『ああ、そうだ。ま、めっちゃ嫌なんだけどね…。』
悔しいので舌打ちをする。
シュンも、ヴィンディンの奴隷にされたみたいだ。…なんで奴隷にするんだろう、何をされるんだろう。怖かった。
シュン『この牢獄には、…他にも沢山いるんだろうけれど、このフロアには僕ときみしかいないみたい。と、いうか君の名前は?』
海渡『草野海渡っていう。よろしく。』
シュン『くさの かいと。くさの…?かいと…?なんか面白い名前だね!』
海渡『いや、俺が多分人間だからじゃないか…?』
大体名前を伝えるとこういうリアクションが返ってくるのはお見通しだった。毎回毎回言われるような気がする。
シュン『えっ、人間なんだ…!魔法は使えるの?』
海渡『まあある程度は使える。でも瞬間移動ができないんだよね…。だから不便だし、あったら一瞬でここから出れたと思うのに。』
シュン『…ううん、このオリは特殊でね、ある程度の魔法を無効にするんだ。だから、さっき瞬間移動しようとしたんだけど、できなかったよ。このオリのせいで…。』
海渡『え、瞬間移動できるんだ…。さすがだなぁ。』
シュン『そんなことないよ。あと、ファイアで攻撃しても無理。まあ基本中の基本って感じの魔法だから、…うん。海渡くんも何か試して見たら?できるかもよ?』
海渡『ええ…まあ、じゃあ、脱出できると信じて。』
俺は、魔法を使う。使った魔法は『ファイアボルト』ファイアだったら、ちょっと弱くて無理かもしれないけど、ファイアボルトなら…。
でも、結局、オリは無傷だった。無効になった。
シュン『ああ…。…まあそんな簡単にいかないのかもね。大丈夫、心配しないで。』
海渡『…いや、俺ら順序を間違えているのかも?』
シュン『…え?順序?』
俺は閃いた。確かに魔法は効かなかった。でも、シュンはこう言っていた、『ある程度の魔法を無効にするんだ』と…。ある程度、つまりオリに効く魔法があるというわけだ。でもその魔法を一個ずつ探すのもめんどくさいし、俺は全て使えるわけではない。
だがその前に、このオリについての情報を知れば、何かなるかも知れない。この時に使うのが、『分析』という魔法。
海渡『"分析"・指定、オリ』
シュン『…わお。』
目の前にオリについて分析し始めた。
まず、このオリは、主に特殊魔法が効かないらしい。さっきのファイアボルトは、特殊魔法の一種だ。…てことは、つまり、打撃系魔法や、物理の魔法を使うと、このオリを破壊できて、脱出できるってわけか…!?
海渡『…シュン、打撃系の魔法や、物理の魔法は使えない?』
シュン『え…、聞いたことないやそんなの…、海渡は?』
海渡『ちょうどあるんだ。』
海渡『エア・ハンマー』
俺は打撃系の魔法、エア・ハンマーを使った。オリにエア・ハンマーで攻撃すると、オリはバラバラに崩れていた。相当の威力だったことがわかる。
シュン『うわっ、すごい〜!おめでとう!…じゃなくて、ありがとう!』
海渡『大丈夫。あとは、脱出するだけ。』
シュン『なら大丈夫、瞬間移動できるから。』
シュン『瞬間移動・指定、自分、海渡。』
俺とシュンは、一緒に瞬間移動して、どこかの部屋に着いた。部屋は豪華なものが沢山並べられている。
ヴィンディンは、部屋の中にいた。
ヴィンディン『…やあようこそ。ここは、俺様の部屋。よくきたなぁ、まずはお茶でもいっぱい飲むか?』
海渡『飲むわけねえよヴィンディン。』
ヴィンディン『君らは奴隷にされているのを忘れているな。』
シュンは俺の後ろに下がった。ちょうど、俺の後ろに。
ヴィンディン『さあ、回れ右。』
俺の体は、ヴィンディンによって勝手に動いた。
ようやく止まった、と思ったら、僕は何故か、後ろにいたシュンに俺は銃口をむけていた。俺は、いつの間にか銃を持っていた。
ヴィンディン『二人とも今、俺様が操作している。だから、逃げることは不可能だ。』
何故だ…!何故だ…!
動いて欲しいのに、体がびくともしない…!!
ヴィンディン『牢屋を脱出できて少しうかれていたようだが、こういうこともあるから気をつけろ。なんせ、お前らは俺様の奴隷だろ?』
ヴィンディン『…ま、今俺様が操作しているから、反論できないか…。そんなこと言われても。』
ヴィンディン『海渡、お前がシュンを…。』
ヴィンディンが言いかけたその時だった。
…ヴィンディンの後ろに、誰かが、いる。
女神『全く、私のことも忘れないでくださいよね!!!居場所特定するのに疲れましたよほんと…。』
女神『さあてと、ヴィンディン。私はあなたを決して許すことはできません。私は、海渡様のために、精一杯を尽くします!…私を見捨てないでくださいよね、海渡様。』
女神『プリズム!』
プリズム、それは簡単な魔法だったが、範囲魔法で、光で周りにある凶器を無くすことができる。危ないものは、この魔法で消されてしまった。俺が持っていた銃も。
女神『私は、決して役立たずではございません!』
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【四話「魔王との激しい戦い(後編)」】
女神『私は、決して役立たずではございません!』
女神がそう言い切った。
女神が出した魔法『プリズム』が、ヴィンディンにあたった。一瞬の油断があったせいか?
女神が魔法を使うのはごく稀のことだった。…普段は魔法は下手で、あまり使えない、だから、自分が使わない魔法を知ることは難しかった。だって、あまり必要ない、女神にとって魔法というのはほとんどの魔法が不要なものだったからだ。
でも、女神は俺のために魔法を必死に勉強してくれた。あんまり使わないのに、…俺のために…。
ヴィンディン『…おやおや、女神のご登場か。…君が魔法を使うなんて、珍しいけれど、簡単な技だったからあまり攻撃は受けていないよ。』
ヴィンディンは俺らの操作をやめたのか、俺は体が自由に動かせるようになった。
シュン『動く…!ってことは、ヴィンディンは僕らのことを動かすことをやめた…?』
海渡『一時中断ってところかな。』
女神はぎこちなく、一歩前に出て、ヴィンディンに近づいた。
女神『私は、あなたのことが許せません。みんなに迷惑をかけた、自分勝手な行動。…何がしたいんですか?異世界を乗っ取りたい?…ただの自分勝手なだけじゃないですか?』
ヴィンディン『…お前も自分勝手だろぉ…?』
女神『は…?』
ヴィンディンは、少し怒った口調で女神に行った。
ヴィンディン『…女神が人間につくことは、認められていないんだろぉ…?』
女神『ッ…』
ヴィンディン『所詮そんなことも守れていないお前が、よく俺のことを自分勝手と言ったな!!!なあ!?』
海渡『…女神がいたから、今の俺がいるんだ。』
ヴィンディン『…は…っ?』
海渡『女神がいなかったら、今の俺はいない。』
海渡『…人間は魔法が使えないから、そもそも女神や神が人間につく必要はない…、そう言われたことがある。』
海渡『でも、俺、魔法使えるよな?だったら別に関係ないじゃないか。』
海渡『俺も、異世界の生き物として生活できる。女神は俺につきたい、そう言った。』
海渡『認められていなくても、じゃあ俺が異世界で有名になってやるよ。』
海渡『そうしたら、関係ないだろ?人間でもさ。』
意味がわからない、自分でも言っている意味がわからない。
何を急に言い出そうとしたんだろうか。
でも、言わないと何も変わらず、言葉の波に押し潰されると思った。
だから、ヴィンディンに言った。
ヴィンディン『は…まあいいだろう、なんせ、シュンと海渡は俺様が既に奴隷にしてr…』
海渡『ああ、そのことなんだけど、キャンセレーション。』
ヴィンディン『…!?操作できない…!?』
海渡『この魔法が俺のただの思いつきさ。お前が使っている魔法を中断させたいって思ったから、思いついた。』
海渡『別に、適当に思いついたやつを使おうとしてみたら、稀に出るでしょそういうの。』
キャンセレーションとは、簡単に言うと『キャンセル』で、相手が使っている魔法を中断させることができる。ちなみに、この魔法は多くの体力を使うため、非常に扱いづらいし、極力使いたくもないだろう。(この情報は、戦いの後に知ったよ。)
海渡『さあ、始まりかなぁ。召喚・指定、ヘルバーン』
俺はヘルバーンを召喚した。
ヘルバーン『…なぜ我を…?』
ヴィンディン『ヘルバーン…!?あの異世界に一番嫌われているあのドラゴン…!?』
海渡『ヘルバーン、とりあえずあの魔王ヴィンディンってやつを燃やせ。』
ヘルバーンは、ヴィンディンに向かって炎をはいた。
ヴィンディン『あ、お、おい、燃やすのはよせ…!!』
海渡『メテオ・ストライク!』
海渡『…もう一度人生、やり直せたらいいね。』
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ヴィンディンがその後どうなったかは知らないが、一年後、死んでいたことがわかったそう。
そして、あの戦いから約3年後…
海渡『…女神。』
女神『はい!なんでしょうか…?』
海渡『俺、決めたんだ。』
女神『…なにをですか?』
海渡『…俺、元の世界に戻る。地球に戻る。』
女神『え…!ち、地球にですか…!?』
海渡『もう何年もいれば、いつかは暇になる。』
海渡『元の世界に帰らせてくれ___』
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【五話「テスト会場管理人者」】
海渡『…久しぶりのような久しぶりじゃないような。』
女神『海渡様はパーティーのあとから異世界に行ってないですよね。』
俺は優の自由研究の発表会があったその次の日に、異世界へ行った。
…異世界に行くのも、もう懲り懲りだが、今回は行かなければならなかった。魔王はあのあとまた強くなったのだろう。俺も同じスピードで強くなっていっているのだろうか。
死ぬかも知れない、もう地球に帰れないかも知れない、そう思うと怖い。
女神『…ん?あれなにやってるんでしょう…。あ、そういえばここってテスト会場じゃないですか?』
テスト会場?女神が見ている方を見ると、そこでは魔法を使って魔物みたいなものと戦っている異世界の人たちがいることがわかった。
海渡『テスト会場?テストって何。』
女神『ああ、海渡様は知りませんでしたね。例えば、普通の生き物が初級者になるためにテストを受けるところって感じですかね。今は…何やってるんでしょうね。…あ、これは初級者から中級者になるためのテストを初級者が受けているんじゃないですかね!』
海渡『え、なんでわかるの。』
女神『初級者、中級者、上級者にはそれぞれバッチがありまして、初級者が「緑」、中級者が「青」、上級者が「赤」をつけています!他にもいろいろとありますけどね…。』
いろいろ?
---
女神『ここで!女神と一緒にお勉強!今日はバッチについて!というか、バッチ一覧!』
女神『いろんなバッチがあるからややこしいけど、興味あったら見てね!なかったら飛ばせー!』
【バッチ一覧】
初級者『緑色のバッチ』中級者『青色のバッチ』上級者のバッチ『赤色のバッチ』
異世界最高支配人者『金色のバッチ』
(現在最高支配人者は二人だけ!)
テスト会場管理人者『銅色のバッチ』
(この管理人者になるためには、最低でも中級者になっていないとなれない仕事だよ!)
魔法学園『空色のバッチ』
(主に初級者、初級者以下の人たちが通う学校!現在生徒による戦いがどんどん起こっているんだって!)
魔法学園先生『水色のバッチ』
若干空色と水色は違う!空色は明るくてパステルカラーみたいな感じだけれど、水色は青に近くて、空色より濃い色をしているよ!紛らわしいね!
(先生の資格を取得した直後にもらうんだって!)
ヒーラー(回復専門の仕事)『黄色のバッチ』
金色の方が輝いてるよ!
(案外取りやすいバッチ!仕事を退職してもそのまま使えるバッチ!ヒーラーには資格が必要で、このバッチはその資格を取得しているとも言い換えられる。)
女神『私も黄色のバッチ持ってます!(つけてないけれど…)』
他にも色々…
バッチオタクも増えているよ!
非公認のバッチも、公認のバッチよりも沢山あるとか…。
主なバッチはこんな感じ!以上!
---
テストかあ…、バッチね…
バッチなんて俺何にも持ってないし、初級者でもなんでもないただの人間だから、実は周りから弱いって思われているのか…。
別に思われても気にしないけれど、なんか欲しいなって思っちゃうんだけどね。
バッチ…、いろいろあるね…。
確かになんか街中歩くとバッチつけてる人多いなあとか思ってたけどそういうことね。
女神『ま、海渡様はバッチなんてつけてなくても最強ですから!!』
海渡『いやいや、別に最強じゃない…って、え?』
女神『え、なんですか!?』
俺が目に捕らえたのは、
『浅野秋葉』だった。
女神『…秋葉さん!?』
秋葉『…ふぇ…?って、あ、ああ!』
海渡『…あれ、あのバッチ…確か、えっと…』
女神はさっきあの色のバッチをアレと言っていたから…。
秋葉さんは『銅色のバッチ』と『青色のバッチ』と『黄色のバッチ』つけているから、
"テスト会場管理人者"、中級者、ヒーラー、ってこと…?
女神『って、めちゃバッチつけてる…(引)』
秋葉『引かないで〜。だってかっこいいじゃーん。』
女神『秋葉さんは何を?』
秋葉『今、初級者が中級者のテストを受けているところで、私テスト会場管理人者なので、管理してます。仕事してます。』
テスト会場管理人者…!
秋葉『あ、海渡さんでしたよね。こんにちは…!』
海渡『こんにちは。』
秋葉『そういえば、バッチで思い出したけど、海渡さんバッチなんにもつけてないですよね…。』
海渡『いや別にいらない…。』
今日はバッチバッチうるさい気がする。
秋葉『あ、二人は何故こちらへ?』
女神『あー、ちょっと急用でね…。いろいろと準備はしなきゃならないけれど、忙しくてね…。』
女神が苦笑いで秋葉に話す。流石の俺もどうやって話せばいいかよくわからない。
秋葉『忙しいのにここら辺にいて大丈夫なんですか?』
女神『まあまあ、大丈夫です。』
秋葉『…そういえば、知ってますか?魔王が復活したって…。』
女神『え、あ、ああ〜。』
海渡『…』
何度も聞いても『魔王』という言葉が、俺の心を苦しめるような感じがした。
秋葉『私、その魔王を倒そうと思ってるんですよ。』
女神『…ん?え?ま、魔王を?』
え?
俺は秋葉さんが言った言葉の意味を理解できなかった。いや、理解しなきゃならないけれど、魔王を倒すという言葉を軽く言ったことが1番の驚きだったかもしれない。
秋葉『いやぁ、魔王を倒したらなんか平和賞みたいな感じで表彰されるらしくて、…なんか嬉しくないですか?』
秋葉『人のために何かやって救うって楽しくないですか?笑顔とか。』
秋葉『実は魔王って復活したんですよね。数年前に実はもう悪事を働いていて、数年前に倒した人も探しているらしいですよ!平和賞送るとか…。まあ偽物続出していて、やばいですけどね…。』
秋葉『数年前に魔王を倒した人は二人らしく、顔はもう既に出ていて、捜索中とか。』
俺も人間の姿と同じ姿で来ているし、(異世界の姿は一言で例えると不良だよ…)当時の女神と今の女神の顔は違う。(服装とかスタイルとかはかなり似ている…。)
…もしかして、このことを詳しく俺らに言っている理由は、
秋葉は、俺らが魔王を一回倒したことを知っている…?
---
【六話「お前が負ける番」】
秋葉『数年前に魔王を倒した人は二人らしく、顔はもう既に出ていて、捜索中とか。』
海渡『…秋葉さん。』
秋葉『…はい?』
おかしい気がした。だから俺は、聞いてみることにした。
海渡『…何か隠してないですか。別にあなたがそのことについてそんなに詳しく知る必要がないと思うのですが。』
秋葉『…私は、前の魔王の戦いのことは全く知りません。その時は、異世界にいなかったし、異世界のことは知らなかった。』
秋葉『だから、調べてみたんですよ。そのことについて。』
秋葉『私、仕事に戻らないといけないので、それでは。』
女神『……。』
---
女神は、一回自分の家に帰ると言って、帰ってしまった。
俺は異世界の都会エリアを歩いていると、俺と女神の昔の顔が写っている紙がそこらじゅうに貼られていた。
『見つけたら、お金持ちに!?』
『この顔を忘れるな!!』
…いろいろと言われてるなと思う。まあ顔は変わったし、やばいことしない限り、見つからないと思うけどね…。
正直平和賞なんてめんどいし、別に賞取るために魔王倒したわけじゃない。俺は、第二の故郷でもある異世界を守りたいから、守ったんだ。…昔はまあ守らないといけなかったって感じかなぁ…、魔王を倒すために俺は異世界に来たって感じだからね…。(女神に勝手に連れてかれたし…)
…でも、今思うと考えが昔と変わったなって思う。俺はやらされたんじゃなくて、守りたかったから動いたんだってさ。
変なこと言ってるよな俺…w、めちゃくちゃ正義のヒーローって感じのこと言っちゃってる。
俺は街を散歩していると、後ろから声をかけられた。振り向くと男性が俺に声をかけていた。
男性『ちょっとこっち来てください。』
男性に連れていかれる。連れていかれたところは、人が全くいない公園のトイレだった。もちろん男性トイレです…。
男性と俺、トイレの個室の中に一緒入った。その瞬間だった。
男性『…おい、お前が草野海渡か?』
急なタメ口に驚いた。男性は俺を睨む。
海渡『…それがどうしたんですか。』
そういえば、この男性は何か不思議だ。異世界の生き物は人間とほとんど同じ。(ただ目の色が生まれつき変な色の人とかはいる…)
でも、この男性の手の指の本数は、右手だけでも四本、小指が足りない。左手は親指が足りていない。なんなんだこの人…?
男性『……、高校生だとは、驚いたぞ。俺様はそんなこと知らなかった。』
…この人、俺が高校生ということまで知っていやがる。別に有名なことはしていないけれど、もしかして。いや、もしかしてだから。うん、でも、一人称は『俺様』だし、男性だし、口調も偉そうな感じ、…もしかしてだけど、『魔王』なのか?変身しているだけ?
俺はこの男性に聞いてみた。
海渡『…すみません、勘違いだったら失礼ですが、もしかして魔王ヴィンディンさんですか?』
男性『……、はは…、見抜くとか流石草野海渡。』
ヴィンディンは、男性の姿から、ヴィンディンの姿になった。あれからあまり変わっていない。
ヴィンディン『また俺を倒しに異世界へ来たのか?』
海渡『…ここは狭いから、公園で話さないか?人はいないし、広いところで。』
トイレから出て、公園の広いところへ行った。
海渡『…俺がお前を倒しにきたのはわかってるよな。まあ当然のことだし、こっちにも情報は既に入っている。…黒川のこともそうだろ。…あいつが元からそうだったのかは知らないが、ヴィンディンに何か情報とか色々送り込んでるのじゃないかって、思ってるのだが。』
ヴィンディン『…黒川…、KUROKAWAか。俺の部下だな。確かにお前のことについて、情報をくれた。…少しサボった感じの情報だったが…。』
ヴィンディン『そういえば、お前が平和賞を取れるとか言っていたが、取ってこないのか?』
海渡『別に賞取りたいから倒したわけじゃないし、知ってるだろお前も。』
ヴィンディンは苦笑いになる。俺は少し睨んでいるが、ここで戦わなそうだったから、警戒心は少し緩めていた。
ヴィンディン『…草野海渡らしい。…その姿じゃ違和感があるのだが、あの姿にはもうならないのか?』
なれるけど、この状況でなるのはちょっととは思う。見つかったら騒ぎだよ騒ぎ…。まあヴィンディンがいる時点でやばいけれど。
海渡『…そんなことはどうでもいい。』
ヴィンディン『…わかったわかった。では先に行っておこう。』
ヴィンディン『今回は俺が勝つ。勝利を掴むのは俺だ。』
ヴィンディン『今回は、草野海渡、お前が負ける番なんだ。』
は…?
ヴィンディン『…決戦の時を楽しみにしている。』
ヴィンディンは目の前で一瞬で消えた。(瞬間転移)
---
【七話「緊急事態」】
【次の日】
プルルルル…
ポチッ。
海渡『もしもし、何?女神。』
女神『き、緊急なんですけどおおおおおお!!』
海渡『はいはいうるさいうるさい、で、緊急って一体何?』
女神『魔王…ヴィンディンが動き出したんですよ…!!』
「はぁ…」とため息をする。まあ、昨日普通に公園で会話しちゃってたし、こういうことになるということも想定内だった、が…。
俺と女神は、魔王の城の前で合流した。魔王の城の周りには、柵があり、誰でも簡単に入れないように少し変わった仕組みをしている。まあ、その柵の周りに、
数えきれないほどの魔法族がいるわけだけどね…。
(魔法族、魔法が使える生き物のこと。)
魔王を倒したら『平和賞』を受け取ることができる。そんなことを考えた奴らが集まった結果がこれだろう。
女神『これはもう…めちゃくちゃですね…』
女神は呆れた顔をして、柵の周りにいる集団を見ている。まあ俺も呆れた顔をしているだろう。
でも、誰も柵を越えることはなかった。…つまり、誰も柵を越えられないということか?そんなに平和賞を取りたいのなら、普通は柵を越えて、魔王を倒しにいくだろう。しかし、誰も柵を越えない…、そんなに変な仕組みだったか?
女神『海渡様、どうしますか?まあこのまま放っておいてもいいですけど…。』
海渡『…俺、昨日ヴィンディンと会ったんだけど、さ。』
女神『え!?会ったんですか!?』
海渡『喋ったんだよ。…あいつが言ったんだよ、「勝利を掴むのは俺なんだ」って…。』
その時だった。誰かが、柵を越えた。柵を越えるような人影が見えた。
海渡『…!今、誰か柵を越えなかったか?』
女神『えっ?私全くみてなかった…。』
??『やあやあ、皆さん、柵を越えないんですか??』
秋葉『私、この浅野秋葉、人間が!!!柵を越えたんですよ?この柵、少し特殊ですけど、もしかして越えれないんですか〜?』
浅野秋葉…!?一体何をするつもりだ…?
秋葉『今回の平和賞を取るのはこの私だし、世界の平和を救うのもこの私。』
秋葉『せいぜい、そこで苦しんでたらどうですか〜。』
秋葉が暴れ始めた。秋葉が城の中へ入っていくと、柵の周りにいた奴らが、柵を越えようとし始めた。
女神『まさかのこうなりますか…。』
海渡『…めんどくさいことになったなぁ…。なんか作戦とか、そんなのあるか?女神だから考えてそうって思って聞いてみただけだが。』
女神『…大丈夫ですよ。私が作戦考えてないわけないじゃないですか。』
女神『実は、とある方々を呼んでるんですよ。戦力になりますよ〜?』
女神『ほら!既に、あのビルの屋上にいるでしょ?』
女神が見ているビルの屋上を見た。
---
|榊原《さかきばら》|暗野《あんの》『…』
|姫奈《ひめな》|篠《しの》『…へぇ。…』
|金咲《きんさき》|橤《はな》『沢山いるね〜、人が!』
|一ノ瀬《いちのせ》|夜神《やがみ》『魔王倒すとか本当ですか…!?』
女神『海渡様!仲良くしてあげてね!』
海渡『いや、俺これ仲良くできるかな…』
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【八話「4人の力」】
女神『海渡様!仲良くしてあげてね!』
海渡『いや、俺これ仲良くできるかな…』
人と関わるのは得意ではない。俺は四人の顔を見た。…なんか怖いと思った。
俺と女神は、二人で四人がいるビルの屋上へと言った。
女神『四人とも!こんにちは、私が女神ね!こっちは、草野海渡。貴方たちと同じ人間。』
夜神『こ、こんにちは!よ、よろしくお願いします…!一ノ瀬夜神と言います…!』
真面目か?多分一番マシな気がする…。
橤『金咲橤っていうよ〜!名前ね、初めまして〜!』
言葉の順序が…!
暗野『……』
…え?
篠『………』
何も喋らない…!?
女神『ほらほら、篠ちゃん!暗野さん!名前ぐらい言ってよ〜。あ、海渡様、この二人あまり喋らないんでよろしく!』
あんまり喋らないなら、俺が話題振らないと喋らないやつじゃん!!
なんか変な四人と魔王を倒さないといけないとなると、なんだかあまりしっくりこない。
前は女神と俺…、シュンと一緒に倒したけど、シュンのときもあまりね…、関わることが苦手な俺が、もう絶対関わらないといけない場面にいる。別に俺と女神だけでも良かったじゃん…。
あ、でも、そうなると魔法を使うのは、ほぼ俺だけになっちゃうのか。…ううん、違う。秋葉がいる…。浅野秋葉…。
暗野『…榊原暗野。』
お、名前言ってくれた。
篠『姫奈篠。…』
こっちも。
女神『はいはい!まあこれでみなさんの名前は知れたことだし!う〜ん…今6人いるから…、魔王の城では二手に分かれる?』
橤『いいね〜、分かれよ、二手に〜』
夜神『俺も賛成です…!』
女神『じゃあ、私と暗野さんと篠ちゃん!』
女神『海渡様の方は、海渡様と橤ちゃんと夜神さんでいいですよね海渡様!』
女神は僅かに俺にウインクした。失礼だが、女神が考えていることは、あまり喋らない方と一緒に行くと恐らく気まずい状態になるだろう、だからよく喋る方連れて行ってもらおう。まあ篠さんと暗野さん強いし。
ごめんだが、ただの俺が勝手に思い込んだことだと思っててくれ。
女神は暗野さんと篠さんを連れて、魔王の城へ入っていった。勿論、正面からだといろいろめんどくさいから、女神と俺だけが知っている魔王の城の『裏口』を使って入って行った。
夜神『あそこから入るんですね!』
橤『入ろ〜!私たちも!』
俺らも、裏口から城の中に入って行った。
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(女神site)
女神です!まあ早速城の中に入ったのですが…、静かな二人と一緒に行くのも訳がありまして…。
実は、この二人強いです!!まあ夜神さんも強かったのですけど…(橤ちゃんはまた別…)
海渡様は気まずい状況苦手ですからね!これもサポートです!となって、二人を連れてきました…って、魔物居たー!!!!初級魔物かな…!?気配的に…。
女神『ま、魔物居た!いました!3匹いる…!』
暗野『俺に任せろ。』
女神『え?』
バンバンバン!!
暗野さんが持っていた銃で、3匹の魔物は消滅した。
女神『つ、つよ〜い!!!』
そんなことを言っていると、また魔物が飛び出してきた。
女神『あ、暗野さ…』
篠『しのがやります。』
女神『ふぇ?』
ビリビリビリ!!
篠さんが持っていた電撃銃で、魔物は消滅した。
この二人、只者じゃない…!!!
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【九話「秋葉と魔王」】
海渡『そういえば、この二人はしっかりと仕事できるの。』
夜神『できますよ!』
橤『う〜ん、できるよ〜すこし。』
少々心配になってきた。まあ入ってからすぐピンチになるわけないが…。魔王の城は、とんでもなく高く、最上階に行くのもめんどくさいだろう。
って、もう出てきた魔物…。
夜神『これが魔物ですか!』
魔物の強さ…って、え。
もう倒されてる…。
夜神『あ、俺もう倒しときました!魔物って勝手に消滅するんですね!』
橤『すごい夜神〜。行こう次へ〜』
夜神さんすげえ…。というか、魔物が攻撃する隙なさすぎて、夜神さんさくっと倒しちゃった?すごいな。
俺たちは2階へ行った。とは言っても、何階が最上階は一切わからないし、…あ。
海渡『そういえば、瞬間転移で行けないか?最上階。』
夜神『瞬間転移…?あ、魔法のことですか?』
海渡『そう魔法。』
橤『楽しそう、魔法が〜』
前は瞬間転移出来なかった。でも、今の俺の実力だったらいけるぞこれ…。
海渡『そうやって行った方が楽じゃないかなって。外は不思議な柵が並べてあるから、瞬間転移という魔法は跳ね返される。でも、今城の中にいるなら…』
橤『跳ね返されないってことですよね〜、魔法ね。』
海渡『だから、…瞬間転移・指定、海渡、橤、夜神』
俺たちは瞬間転移で、魔王の城の最上階へと行った。
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瞬間転移をして最上階についたはついた、が、最上階全体に結界が張られていて、瞬間転移が跳ね返されてしまった。だから瞬間転移では入れない。
夜神『…これ結界ですか?じゃあどうやって入ろう…。』
橤『入ろう〜どうやって〜?』
海渡『う〜ん…、結界を破壊することもできるが、それだと外の奴らが騒ぎ出しちゃうな…』
結界の中を見ると、誰かがいた。
一人は、相変わらず格好が変わらないヴィンディン…魔王と、…あれは…秋葉か?
…どう見ても戦っているようにしか見えなかった。
夜神『どうします?』
海渡『まあ破壊するしかないよな…。』
海渡『ホーリーレイ。』
【バリーン!!】
聖属性のホーリーレイという魔法で、結界を破壊した。
秋葉『…!なんだ、やっぱりきたんだね草野海渡。』
ヴィンディン『主役が来た?…まあ、今回の主役は俺様だがな。』
ヴィンディン『草野海渡、さあ、もう一回闘おうじゃないか。
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【十話「再戦」】
ヴィンディン『草野海渡、さあ、もう一回闘おうじゃないか。』
海渡『…なんだ、昨日も今日も元気ですね。』
ヴィンディン『…昨日?昨日どうかしたか?』
海渡『…え?』
あれ、昨日公園で会って、なんか話して…。ちょっとまてよ…。
海渡『ほらだって、公園で会ったじゃないか。いろいろと話したじゃないか。』
ヴィンディン『ごめんだが、昨日はお前と会っていない。久しぶりだなぁ、高校生なんだって?』
おかしい…おかしい…。一体どういうことだ?辻褄が合っていない。
じゃあ俺が公園で見かけたやつは一体…誰だ?
ヴィンディン『…秋葉。海渡、紹介するよ、こいつが浅野秋葉。お前と同じ人間だ。』
海渡『ああ知ってる。既に会ってる。』
ヴィンディン『そうかそうか。既に知っていたか…。でも、こいつは俺様とお前を邪魔しにきただけだぞ?』
海渡『…は、邪魔…?…まあそういえは平和賞取りたいって言ってたな…。』
秋葉『取りたいんじゃないの。取るの。』
まあ秋葉が邪魔する立場ってことは大体理解できる。そりゃ、平和賞取るためにはそうするしかないもんな。…でもそれが、その行動が、本当に平和賞を取る人の行動なのか…?そういうことを考えると、細かいな自分と思ってしまう。
秋葉は俺を睨む。ヴィンディンは『最近会ってなかったな我がライバル』的な顔で俺を見る。
夜神と橤は俺の後ろにいた。橤は何かしていた。俺からでは何をしているかはわからなかった。でも、靴紐を結ぶような姿勢をしている。
ヴィンディン『海渡。先に言うが、今回は俺が勝つ。』
海渡『なんかそれ、やっぱ2回聴いた気がする。』
ヴィンディン『…お前が言っている公園で話したというのは、知らない、なんじゃそりゃ。』
海渡『じゃあ、俺は幻覚を見ていたんだね。はい、最近寝不足でさあ。』
ヴィンディン『そんなことは知らねえよ!』
でも彼は公園に本当にいた。偽物だったら気配でバレていただろう。…じゃああれが、公園にいたヴィンディンがヴィンディンじゃなかったとしたら、誰だったのだろう。ヴィンディンぐらいの強い気配を持っていた。ヴィンディンと偽っていた奴は最高だな。この先いつでも人を騙せるよ。
ヴィンディン『おい海渡。いいことを言ってやろう。』
ヴィンディン『俺はエリクサーを飲んで、不老不死となった。今言ったことを理解できたか?』
海渡『うん理解できた。』
ヴィンディン『うっそーん。』
なんだか…ヴィンディンなのにテンションはヴィンディンらしくない…!?
エリクサーって確か霊薬だったな。まあヴィンディンが不老不死となっても、|世界樹《ユグドラシル》の葉をヴィンディンに飲ませれば、不老不死じゃなくなるというわけだ。
世界樹の葉は、まあ…なんて言ったらいいんだろ…。異世界では、愛される葉とされていて、エリクサーの材料に使われている。そんな世界樹の葉を飲むと、異世界では健康になれるという。どういうこと?とは人間側としてなる。でも、もうちょっと人間にわかるようなことを言うと、つまり人間らしくなる…?ってことじゃないかと俺は考えた。
だってさ、飲むと不老不死が無くなるんだよ?ちなみに治らない病気も治るんだよ?健康すぎる。
ちなみに、何故世界樹の葉を"飲む"というのかは全く知らない。飲まない、かじる。
まあ、ヴィンディンならもっと酷いことしそうだけどねー…
海渡『そういう手を使うと思って、既に対処法を用意してあるよ。』
ヴィンディン『流石俺様の永遠のライバル!俺様のこと一番にわかってるぜ。』
俺はヴィンディンより先に倒しときたい人がいた。
浅野秋葉だ。浅野秋葉は俺にとって、ただの邪魔者にしか思えない。ヴィンディンを倒したいのに、なんでこいつがいるんだよ…しか思えない。
仮にヴィンディンの不老不死を無くしたとして、浅野秋葉がいることによって、浅野秋葉が勝つかもしれないというわけだ。だからヴィンディンよりは先に浅野秋葉と倒しとかないと、後々厄介になるというわけだ。
平和賞なんて、俺と女神にとってはただのくだらんような賞だよ。
橤『見てください〜!海渡さん〜』
海渡『…どうしたの。』
橤『できました〜、罠が〜』
橤『その名も追跡罠〜』
海渡『…罠?』
ああ、そういえば女神から話を聞いたところ、この人罠が設置できるらしい。(少々闘いは苦手らしいけど…)
罠か…。
もう9月となるだろう、異世界では、落ち葉が沢山落ちていた。
---
【十一話「一瞬で覚醒した男の子」】
海渡『罠か…罠…』
女神『海渡様!随分とお早いですね!』
女神たちがようやくここにきた。
海渡『ああ女神。それよりもこれだよこれ。…』
女神『まあこういうことになるのは大体予想ついてましたけどね。』
女神『あ、私たちは、暗野さんと篠ちゃんのおかげでここまでこれました!というか二人強い!お見事です!』
ヴィンディン『やあ女神。いつ頃ぶりか?』
ヴィンディンは、女神がいることに気づいた。
秋葉『…やっぱり、海渡さんと女神さん、ヴィンディンさんのこと知ってたんだ。なんか、あの平和賞が取れるやつの顔見てピンときた。』
まあ二人組で女神の誰かと、不良みたいなやつってことは大体わかるが…(
ヴィンディンは、女神に向かって話し始めた。
ヴィンディン『今回は、俺様が勝利する。…いいか、俺は不老不死となった。そのおかげで強くなった。だから、今回は勝つ。俺様が勝利するのだ。』
女神『へぇー、でも不老不死なんて、どっかの薬ですぐに無くなっちゃいますよ。』
ヴィンディン『なっ…!!薬を飲まなければいい話だろっ…!!』
女神『ちがいます。飲ませるんですよ、海渡様が。』
海渡『いや何で僕が飲ませることに…』
まあ元々世界樹の葉を飲ませようとはしているんだけどね、そんなこと女神がヴィンディンに言っちゃうと、ヴィンディン気にしちゃうじゃん。
そして急に秋葉が俺に対して何か言った。
秋葉『………、私さ、海渡にもヴィンディンにも負けないわ。というか、勝つ。』
秋葉『私、負けたくないし、負けることないし。』
秋葉もヴィンディンも本気だなぁ…。まあいずれ俺も戦ってると本気になっちゃうんだと思うんだけどね…。
最上階は、窓が開いているため、落ち葉が入ってくる。…でも不自然だなぁ、最上階は高い場所にあるのに、落ち葉が入ってくるなんて…。まあそんなことは気にしてもいなかったが。
そして急に強風が俺たちを襲った。
秋葉『風強…!』
ヴィンディン『なんだこの強風は…。』
強風がおさまると、みんなの前に現れた。どうやら男性のようだ。
女神『…あの人って…私のお姉ちゃんが担当している人…!?』
海渡『女神!担当って、パートナーってことか…?』
女神『そうそれ!私たちで言ったら、海渡様の立場のことです!』
秋葉『…!あの人って…!』
やけに秋葉さんが驚いた様子で男性を見ている。反応的に知り合いなのか、よくわからなかった。
??『みなさんみなさん、僕も混ぜてくださいよ。』
??『下の奴らがくる前に決着つけましょう。』
秋葉『光輝くん…!?』
光輝『バレちゃいましたか。…まあ秋葉さんがいるから当然のこと…。』
どうやら、浅野秋葉と光輝さんという人、二人は知り合いだったらしい。秋葉は驚いた顔から表情が変わらない。驚きすぎている。
そういえば、この光輝って人、あのショッピングモールで会ったあの男の子と似ていることに俺は気づいた。あの人も異世界に来れる人だったんだ。…でも、だったら、魔法がどうのこうの…を俺に言わないよな…。俺は気になったことがあったので女神に聞いてみた。
海渡『女神、あのさ。』
女神『はい!なんでしょうか海渡様。』
海渡『光輝さんと女神の姉さんは、いつからパートナーに…?』
女神『え、めちゃくちゃつい最近のことですよ!!』
つい最近…?ということは、ショッピングモールの事件後ということか…?いやでもショッピングモールも案外つい最近に入るのか…?
光輝『僕が、魔王様とその男性の方、女神さんも、…そして秋葉さん、全員始末してやりますよ。』
夜神『おっと、俺たちのことを忘れないでくださいね!この4人が、どうにかしてあげましょう。』
光輝『さあて、僕を止めることができるのかな君たちは。』
---
【十二話「約束」】
光輝『さあて、僕を止めることができるのかな君たちは。』
女神『…秋葉さん、秋葉さんはちょっとこちらへ。』
女神は、秋葉さんを連れていった。何をするかはわからないが、秋葉さんの顔は青白い。
女神『暗野さん!篠ちゃん!夜神さん!先にあいつよろしく!』
暗野さんと篠ちゃん、夜神さんは光輝さんと戦いに行き、俺は突っ立ってるだけの人間、ヴィンディンは苦笑いになりながらも戦いを呆然に見ていて、橤さんは俺に話しかけてきた。
橤『あの〜、海渡さ〜ん。』
海渡『橤さん、なんですか。』
橤『罠〜、さっきの〜なんですけど〜。』
海渡『罠…?ああ、罠がどうのこうのって…。』
橤『あれどれか何百枚ほどの中の10枚の落ち葉が罠なんですよね〜。罠にかかるのは、秋葉さんとヴィンディン魔王と、光輝さんにしましたけど〜、どうですかね〜。』
落ち葉を罠に…か。まあかかりそうだけれど、たった10枚の落ち葉だ。かかるかは全くわからない。
俺は3人が光輝と戦っている様子を見た。…やっぱり、光輝はナイフを使っている。…包丁かあれ?まあどっちでもいいが、あいつショッピングモールの男の子だろう。…でもなんであいつがここにいるんだろうか?
ヴィンディン『…海渡。』
ヴィンディン『…俺様は暇だから、お前も暇だろう?少し話そうじゃないか。一緒になぁ。』
---
海渡『で、なんのようだよヴィンディン。』
ヴィンディン『お前に話があってきた。…なんて、俺様が言うと思ったか?』
海渡『…まさか。一回ぐらい卑怯な手は使うと思って、ここにいるから。』
まあ卑怯な手って、俺にも何かは想像はつかない。でも何かはするだろうとは思っていた。
ヴィンディン『…まあ話ぐらいはするがな。…いいかよく聞けよ。』
ヴィンディン『俺様がお前に負けたら、約束しよう。誓おう。』
ヴィンディン『負けたら、俺様と海渡のライバル関係にピリオドを打つ。』
…別にライバルとはあまり思ってはいなかったが、ヴィンディンは相当ライバル関係とか思ってたらしいな…。
でもヴィンディンだけ約束するのもヴィンディンにとって不公平。相手が不公平のままでいい立場なのだが、あとからそのことを話しかけられてきて厄介となる。面倒。だから、平等にしないといけないんだ。説明下手だな俺。
海渡『俺もお前と約束するよ。俺が負けたら、俺と仲間にならないか?』
ヴィンディン『いやお前勝っても負けてもいいことばっかじゃねえか!!w』
海渡『じゃあ変える。俺が負けたら…、お前をビリオネアにしてやろう。』
ビリオネア「お金持ち」という意味。
ヴィンディン『本当か?俺様が本当に最強になってしまうなぁ。』
海渡『じゃあ俺はこれで失礼する。じゃあね。』
---
ヴィンディン『海渡は、まだ海渡自身が最強ってこと、気づいていないのか…。』
---
【十三話「寝るわけない」】
ヴィンディンと話していたら、少し迷ってしまった。一回来たことがあるのに、おれ方向音痴なのか?と思う。迷っていると、少し怪しげな部屋を見つけた。中は当然暗く、でも、奥に何かある。
気になったので少し入ってみた。その部屋は見たことがある部屋だった。
前の魔王と戦った時に見たか?でもこんな部屋みたことないような…。でも、見たことがあるような…。…おかしかった、雰囲気がおかしかった。
ガサッ…
物音がした。
物音がした方を見ると、人がいた。
海渡『…名を言え。』
???『君は…見たことがあるような気がするね。』
海渡『はっ…?』
???『僕は君と確か共闘したよw、あれ、覚えてない?ここにいるのに覚えてないのもおかしい気がするなぁ…。』
共闘した…?俺と?…共闘するって女神かあの4人ぐらいしか思いつかなかった。
???『…ああ、そうか。僕がここにいるせいか。』
???『僕が僕のことを知っている人の近くにいると、その人は僕のことを忘れてしまうのだよ。永久に。』
永久に…?
海渡『…名を言ってみろ。』
???『…シュン。』
シュン『シュンだよ。』
シュン…!?
なんでここにいるんだよ…!?
シュンは、魔王を倒す時に一緒に共闘した人だ。
海渡『…シュン。なんでいるんだよ…!また捕まったのか?』
シュン『え…、覚えてるの…?』
海渡『覚えてるに決まってんだろ…!!!』
改めて再会して、少し嬉しくなった。
でも何故ここにいるかは未だに謎だった。だけど今は嬉しさのあまりそんなこと忘れていた。
シュン『…おっかしいな…僕の能力が狂って効かなくなっちゃった?…それとも、君が強すぎて効かなかったかもしれないね。』
海渡『…強すぎる?…強くないよ。』
シュン『…強いか弱いかは、自分じゃ気づけないことなのかな。僕は捕まったんじゃない。侵入したんだ。』
海渡『侵入…?』
シュン『…君がいると思ったけど、まさかここで出会うとは、奇跡だね。他の子を巻き込めないから。』
シュンは左手からピンク色の光を出して、俺に見せた。
シュン『ごめんね海渡。』
シュン『催眠。…ここで寝ててね。』
海渡『あ"っ…』
全身に痛みが走り、俺は倒れた。
バタっ…(海渡が倒れる音)
シュン『さて、僕は…。』
シュン『女神ちゃんに緊急連絡をしないとね…。』
シュンは、この部屋から出て行ってしまった。
海渡『よいしょっと…。』
俺は即起き上がった。
海渡『痛かったなぁ…。まさか、こんな魔法で俺が寝るとは思えないけどね。』
海渡『それにしても、シュンでも魔法は上手に使えていたし、しっかりと放てていた。…それよりも、女神に緊急連絡って、一体なんなんだ…?』
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シュン『…海渡があんな弱い魔法で寝るわけないよね。寝てたら僕の方が"強い"けどね。』
シュン『海渡の今の実力を見るのが楽しみだな。』
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【十四話「本当の悪魔」】
シュンsite
やあ僕はシュン。知っている通り、昔は一回魔王のところで捕まったことがある初級者だった。
でも、今は…違うんだよね。僕は初級者じゃないし、もう既に初級者なんてやめた。
僕は、"上級者"だ。
海渡が強くなったとしても、僕は海渡よりさらに強くなったことを証明できるであろう。
僕は、もうシュンじゃないんだ。
あ、ようやく魔王の城の最上階に着いたようだ。…なんだかすごく戦場って感じだな。昔はこんなのだったっけなあと思う。
女神『え、なに!?誰!?また!?せっかく秋葉とお話しして帰ってきたばっかなのに、また新入り登場〜!?』
女神は相当驚いているようだ。そして他の奴らはって…、捕まっている?
4人の…人間か?そいつらは既に捕まっている。…魔王ヴィンディンが強すぎた?…魔王の情報を読み取るか…。
…なっ、不老不死だと…?
まあ冷静になろう。…あいつを倒すんじゃなくて、何かに変化させればいい。
倒すのではない。例えば最強の薬に変化させて…。ww、面白くなってきたぞ。
ヴィンディン『…また変な奴が来た。』
ヴィンディンも相当疲れている。まあ4vs1だったっぽいな。
ヴィンディン『おい光輝。こいつも倒して、とっとと二人の世界を作ろう。おっと、女神も浅野秋葉もな。』
秋葉『一体何が目的なの…!?』
女神『で、あなたは誰!?』
女神は僕に指を差した。とは言っても、正体を現そうとは一切考えていない。
やればいいことをやるだけで十分なのだ。
夜になってきた、そろそろ時間だな。
ヴィンディン『やるぞ光輝。』
シュン『Show Timeだ。』
光輝『なんだこいつ。英語でカッコつけやがってなぁ。』
シュン『あなたたちは僕から見て邪魔者にしか思えないんだよ。ごめんだけど、』
シュン『僕が強すぎて、足掻くことがないようにね。』
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【世紀の大発見!?ただの男が実は最強!?】
【一瞬で上級者へ昇格!謎の男は一体?】
【わたしたちの希望!こいつが今の最強!】
僕はこうやってメディアに取り上げられてきて、魔王を倒すことも期待されていた。
でも今は海渡を倒すことが僕の必要なことだった。
あの人は強い。海渡が強い。普通の人間だったくせに、なぜあんなに強くなったかが不思議だ。
だから、まずはこの自分が強いと思っている|雑魚ども《男二人》を徹底的に潰さなければ…。
もう歩けないぐらいにね。
---
女神『はっ…、え、…ね、え…?』
シュン『不老不死のことは知ってるけど、所詮は雑魚みたいだね。魔王ヴィンディン。』
シュン『この男の方は意外に強そうだとは最初、偏見で思ってしまったが、まあ大したことはない、ただの雑魚だったなぁ。』
シュン『どいつもこいつも、僕には届かない。』
シュン『海渡。海渡は僕を超えられるかな?』
ヴィンディンと光輝ってやつを、体を粉々にすることに成功した。
シュン『あとは、海渡と戦うだけ…』
秋葉『何やってんだよ!!!』
シュン『おっと。』
女の人が、木の枝で僕を攻撃しようとした。変だなぁ、木の枝で叶うはずが…
秋葉『木の枝についてる落ち葉!!発動!』
…ん。
落ち葉が、罠となって僕を罠で引っ掛けようとした。
まあ、避けたから平気だったけど。それにしても驚いたなぁ。こんなに人間が異世界にいるなんて。
シュン『レディーたち、僕と闘わない方がいいんじゃないかな。』
秋葉『あなたが本当の悪魔みたいなやつ!』
秋葉『こんなの私は望んでない!!!』
…こいつらも雑魚どもみたいな姿になりたいのかな。よしわかった。
シュン『…あのさぁ、君は確か平和賞を取りたかった人だったよねえ。じゃあ、あなたが倒したってことにすればいいじゃないですか。そうすればあなたの願いは叶えられますよね?僕は別に平和賞取りたいわけじゃないんです。邪魔しないでほしいな。』
秋葉『私…、自分の力で倒したかったのよ…!』
秋葉『私の獲物に何してくれるのよ!!』
シュン『…邪魔しないでって、言ったよね!』
シュン『ブリザーd…』
海渡『ホーリーレイ。』
…出たな、僕の海渡。
海渡『…シュンの獲物は俺だろ?』
シュン『…勿論さ、海渡。』
---
【十五話『最愛の親友』】
海渡『…シュンの獲物は俺だろ?』
シュン『…勿論さ、海渡。』
ヴィンディンと、光輝の体は既にバラバラとなっている。ヴィンディンは不老不死だから生きていられるが、光輝は俺が戦っている間に死んでしまうかもしれない。まあ蘇生すればいいんだけど…
…でも、まさかシュンがいるなんて思いもしなかった。しかも、さっきの魔法で、強くなっているとわかった。どれだけ強くなっているかはわからないが、初級者ではないだろう。最初、俺が会った時は初級者だったが、その時はまだシュンは魔法が下手だったからな。
俺らは沈黙の中、顔を見つめ合っている。そのシュンが、まるで沈黙を無くすかのような喋り方をした。
シュン『…は、はは、ねえ。なんだろう、気まずいような、なあ。』
俺はシュンを指差した。
海渡『…俺を、どうするつもりだ?』
シュン『ああ、その場で倒して、連れて帰るんだよ。君が何故、人間なのにそんなに強いのか。証明したいんだ。』
海渡『世間にあまり知られていないこの俺が?』
シュン『もう知られているじゃないか。海渡、前の魔王戦の顔などが全部晒されているようだよ?』
海渡『ああ、知ってる。平和賞がどうのこうのだろ。別にそんなの欲しがってるわけではないから。』
シュン『相変わらずクールだね、海渡は。』
クールという言葉は俺には合わないような気がする。何処がクールなのか自分でもさっぱりわからない。それでも人は、俺のことを「クールだね」という。お節介なのか、なんなのか、よくわからなかった。
シュンが喋り出した。
シュン『海渡、僕は前のシュンではないんだ。ほら、何もかもが違っているでしょ?強さも、喋り方も、考えも、他も。僕は君が考えているシュンではないんだ。』
海渡『別に何もかもが違うわけじゃないだろ。』
シュン『…それはどうして?』
海渡『どうしてって、俺らは友達だろ?』
シュン『友達…。』
シュンが後ろを向く。俺はシュンの顔が見えなくなった。シュンが無言になる。
【バン!!!】
シュンの左手には、銃がある。銃を持っている。何故か壁に撃ったようだ。
シュン『…あのさあ、"友達"って、君勘違いしてるよね、海渡。』
海渡『勘違い…。』
シュン『僕らは友達ではない。』
シュン『"最愛の親友"だ。』
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【十六話「敗北の意味」】
シュン『僕らは友達ではない。』
シュン『最愛の親友だ。』
海渡『…はっ、はは。何言ってるかさっぱりだ。』
正直言って、シュンと仲良くしたのは前の魔王戦の時だけ。今になって最愛の親友と言われると気味が悪い。気持ち悪いような、ないような。微妙な気持ちとなる。
シュンとはそれほど仲が良いわけではないし、おそらくシュンの思い込みなだけだ。最愛の親友って、俺しか友達いないのか?と思う。
シュン『おおっと、さっぱりって?僕達、海渡の友達の中で"一番"仲がいいだろう?』
前と会ってから口調がだいぶ変わっているし、それよりは実力も高くなっている。明らかに前よりは強いはずだ。
シュン『ねえねえ海渡。僕は海渡より強くなったと思うんだ。君は最強かとは思うが、僕は最強の上となった。』
最強の上…?
海渡『僕が最強としている前提でまずおかしいと思うのだが、どう思う?シュン。』
シュン『え?もしかして海渡。自分自身で最強ってことに気づいていないの?あははっ、流石は海渡。まあ知らないこともいいことだよ。』
海渡『は…?』
何を言っているのかもうわけがわからない。いや、わかるはずがない。俺は思う。全てがシュンの思い込みだと___
シュン『じゃあ始めようか。最強vsその最強の上を行った僕。楽しみ、楽しもうよねえ。』
海渡『…サンダーストーム。』
シュン『じゃあ、同じくストーム対抗。ファイアストーム。』
同じストームの魔法が激しくぶつかり合い、最終的にどちらのストームも消えて無くなる。これでわかった。強いと。
シュン『召喚・goblin』
ゴブリン!?急に魔物を呼ぶとは厄介なものだなぁw
それにしては、随分と雑魚キャラみたいなものを出してきたものだ。でも油断は禁物だし、面倒になったということだけは覚えておこう。
海渡『エア・カッター』
俺はエア・カッターでゴブリンを倒した。
シュン『召喚・ogre』
オーガって、確か鬼のことじゃなかったか…?最近見てなくてすっかり忘れた。
海渡『おっと、随分魔物を召喚するねシュン。ライトニングボルト。』
俺はライトニングボルトでオーガを倒した。
シュン『それは褒め言葉かい?海渡よ。僕は召喚するのが大好きでね。』
海渡『成程。好きなんだね。』
シュン『海渡も何か召喚するかい?召喚・golem』
うっわ、ゴーレム。魔法耐性がある魔物で、俺も前は避けてたなぁ…今では魔法耐性なんてぶっ飛ばしてたけど。
『何か紹介するかい?』……
海渡『こちらも召喚させてもらうよシュン。』
シュン『え、ほんと?やったー!』
海渡『召喚・ヘルバーン』
シュン『…ヘルバーン…?』
俺の相棒、ヘルバーンだ。
ヘルバーン『我を呼ぶとは。久しぶりだな、海渡。』
海渡『やあ、ヘルバーン。久しぶりだね。さっそくだけど、あのゴーレム焼いてくれない?』
ヘルバーン『ああ。はっ!』
ヘルバーンはゴーレムを焼き尽くした。
シュン『いいねいいね〜』
シュン『召喚・vampire』
ヴァンパイアか…。
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【十七話「俺は人間」】
ヴァンパイアがシュンの魔法によって召喚された。シュンは召喚が好きらしいからな。
海渡『ヘルバーン。ヴァンパイアを踏み潰しておいて。』
海渡『こっちはこっちで、…時間がない。』
俺には時間がなかった。ヴィンディンと光輝のことだ。
ヴィンディンは不老不死と言っていたし、今のところ不老不死を解除される薬も飲まされてないっぽいから、まだ生きれるとは思う。でも…
光輝がいつまで生きれるかどうか。
今のところ息をしているかは確認ができない。だからもうこの時点で既に死んでいる可能性がある。そうなった時、俺は浅野秋葉にどのように伝えればいいのかわからない。あの人、光輝のこと何か知ってそうだったし。
ヘルバーンがヴァンパイアを倒すとシュンがこういった。
シュン『…海渡も人間って感じしたねー』
人間って感じ…?どういうことかわからない。
海渡『人間って感じとは。』
シュン『ん?ああ、だって、人間なんでしょ?海渡は。…時間がないって、何しようとしてるかはわかんないけどさ、人間って感じした。意味わかんないでしょ。』
海渡『ああ、意味わかんない。』
シュン『いや正直すぎでしょ。』
海渡『…カモフラージュ。』
シュン『っ…!?』
俺は光学迷彩のカモフラージュを使う。今多分シュンは目に光が当たって眩しいだろう。
海渡『はぁ、まあ俺は人間だからさ。人間らしいことできるんだよ。』
海渡『メテオ・ストライク』
シュン『…!眩しいけど…さあ、ねえ。アース・ウォール!』
防御魔法…!
魔法同時が激しくぶつかり合った。
防御魔法と範囲攻撃魔法…。範囲攻撃魔法を防御魔法で守る。ある意味無茶だ。範囲的に攻撃するのに、防御魔法…。防御魔法は単体で来る魔法の時に使うと思ったけどな…。
シュン『…ポイズン!』
海渡『…そこにいると危ないよ?』
シュン『はっ…?』
思い出した。追跡罠だ。
追跡罠とは、相手を追跡して追いかけ、相手が罠にハマった瞬間、
シュン『…!?落ち葉が…!?』
落ち葉が相手を覆い尽くす。
確か橤さんが罠が出来たとか言って俺に言ってたな…。それを思い出したのが得だったかもしれない。
シュン『簡単には出られなさそうな罠…。一体誰が…!?』
海渡『…それはね、シュンがさっき倒した4人の中の一人が仕掛けたんだ。ほらいたでしょ?4人ぐらいの集団。』
シュン『…なんかいたような気がするよ海渡。』
海渡『ああ、君はその罠にハマったんだよ。』
シュンの顔はムカついているような、睨んでいるような顔をしていた。
シュン『…まだだ。』
…?シュンなんか言ったか?
シュン『…僕はまだ、終わっていないんだよ!!!』
!?
なんだ、これは…!?シュンは一瞬で落ち葉の罠から抜け出した。
シュン『ハリケーン!!…罠に引っかかっただけで僕が終わると思うなよ海渡。』
…やる気じゃん。…少々ムカついているなあとは思うがいいだろう。
海渡『…プリズム・アロー』
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【十八話「もう一度」】
海渡『…プリズム・アロー』
俺は魔法を使う。アロー系の魔法はたくさんあるが、この魔法はアロー系の中で一番取得するのを苦戦した魔法。
シュン『っ…!!こんなの避けて…!』
海渡『おっと。光学迷彩、カモフラージュ』
シュン『っあ…!』
海渡『なあシュン。アローのせいとかで眩しいと思うが、一つ言わせてくれ。』
海渡『俺らは最愛の親友ではない。』
シュン『何言って…親友だろ…?』
海渡『俺らは…』
海渡『最高のライバルだろ?』
シュン『!!』
なんだっていい。
ライバルとか、友達とか、親友とか。
でも、俺は今の戦いを通じてわかったことがある。
シュンと俺は最高のライバルだってこと。
親友じゃない。それを超えたライバルってことを…!
シュン『…ライバル…?ライバルでいいの…?こんなのが…?』
海渡『…確かにお前は悪いことをしたと思う。部外者をこんな酷い目にさせてよ。』
海渡『でもなぁ、シュンは、シュンは…シュンはな、』
海渡『強くなって戻ってきた。俺と、並ぶために…!』
俺が決して強いわけではない。でも、シュンは努力してきたと思う。今まで。
だって、成長が誰からみても、見えるようになっていた。俺はその成長に感動した。心から感動した。なんだろう、戦っているのに、ただの兄弟喧嘩みたいな感じになってて。
素敵だなって思った。こんな戦いができたのは、シュンがいたからこそ…だと思う。
シュン『ああそうだよ…!海渡と、共に戦って、いい親友になれる。偽じゃない。本当の。』
シュン『僕は、海渡のために日々努力してきた!!』
シュン『あの時何もできなかった!悔しかった!力にもなれない、ただ足を引っ張って、もはやいなくてもよかったよあの場に!!』
シュン『でも!変わらないといけないって…変わらないと始まんないって…』
シュン『海渡!!…謝らないといけないことはたくさんあるけれど、まずは…』
シュン『ありがとう』
…!!!
海渡『…キャンセレーション・指定「プリズム・アロー」「カモフラージュ」』
シュン『!…魔法が…』
こんなに感動したことは、初めてだったなぁ。
戦いで感動するとか、今までなかったし。
女神『海渡様あああああああああああ!!!』
海渡『うおっ、女神。』
秋葉『海渡さん…』
海渡『あ、ちょっとまって。その前に回復させないと。』
女神『え?誰をですか?』
海渡『女神、完全に忘れてるでしょ。光輝とヴィンディンだよ。』
光輝はもう死んでんのかよくわからなかった。
ヴィンディンは意識はないが不老不死のため生きている。
夜神『海渡さん!!こっちも助けてくださいね!!』
篠『…よかった。』
暗野『…血などの処理は俺に任せろ』
橤『効いたみたいでよかった〜!罠が〜!』
海渡『お、じゃあ暗野さん処理よろしく。』
四人も無事だ。よかった。俺は4人を解放した。
海渡『じゃあ、どうするか…光輝って死んでる?女神。』
女神『…人間なので心臓の音がありますよね。…どこを触っても…感じないです。』
海渡『やはり死んでいる…?』
秋葉『そ、そんな。死んだ人の蘇生ってだれが一体できるのでしょうか…』
…沈黙が続く。
蘇生が可能な人?俺ができるかわかんないが…、でも俺はヴィンディン回復しないといけないし、流石にそちらまでは手が回らない。
ってなると…
海渡『女神じゃない?』
女神『ふぇ、?や、やめてくださいよ〜、魔法これっぽちもできないですよ〜?』
海渡『いやぁ、回復得意でしょ、よろしくね。』
女神『ええぇ!蘇生したことないですよ〜(困)』
女神『まあ…一か八かでやってみますよ。』
まあ女神なら回復系は得意だし(若干)、できそうっちゃできそうだけどねとは思う。
シュンは寝ている。
さっき驚いたせいで寝ただろう。よくわからんが。
女神『…魔法よ。我に力を授けよ。範囲回復魔法・エリアヒール!』
え、エリアヒール!?
その場にいる人全員が回復した。
夜神『助かります!』
秋葉『すごいですね女神さん…!』
女神『まあ海渡様の手が省けるように…、って、光輝は?』
シーン…
海渡『生き返ってない…か…?いや、効果に時間かかるかも…?やっぱ範囲じゃなくてよかったよ?』
女神『ですよね…って、魔王!!』
ヴィンディン『痛っ…痛み強すぎるのではないか…』
みんな『ヴィンディン!!/魔王!!』
なんだよヴィンディンは生き返ったのか…
ヴィンディン『あれ、なんで…寝てたか?』
海渡『気絶してた。そういえばヴィンディン、話したいことがあったんだ。』
ヴィンディン『ん?なんだ?』
海渡『お前らのせいとか、シュンのせいとかで魔王戦台無しになったけどさ。』
ヴィンディン『ん?ああ、そうかもしれないなぁ。こんなザマだからな。で、それが何かあったか?海渡。』
海渡『またいつかさ、戦おうよ。』
海渡『今日のリベンジ戦をな』
ヴィンディン『…面白いこと言うじゃねえかよ海渡。』
ヴィンディン『もちろんやろうじゃないか海渡よ。』
よかったぁ…
ヴィンディンの今の実力がまだわかってないから、戦いたいとは思ってたんだよね…
海渡『容赦しないからなぁ?』
ヴィンディン『もちろんだ。』
海渡『とにかく今は休んで。な?』
ヴィンディン『わかってるよ。』
海渡『そして、部外者に迷惑かけるなよ?わかったか??』
ヴィンディン『…はーい。』
さあてと、光輝をどうしようかなぁ…。
蘇生魔法ねえ…できるかな。
海渡『ちょっと蘇生魔法やってみる。』
女神『よろしくお願いしますっ!海渡様!!』
海渡『蘇生魔法・リザレクション』
光輝『…ん、ん…?あれ…?』
秋葉『光輝くん…!!!』
光輝『って、秋葉さん…!?なんでここに…。』
再会だな。これが。
---
【魔王破れる!!倒したのは一体?】
女神『海渡様、今回魔王倒してないですからねー』
海渡『シュンかな。シュンが倒したし。でもまだ誰か判明してないみたいだね。』
女神『まあこのままバレなければいいんですよ。』
そうだな。
まったりゆっくり過ごしていると、
プルルルル…
女神『あ、電話です!えっと…シュンから!』
女神『もしもし女神です…!…って、え?』
女神『お母様、お父様が…!?』
読んでくださりありがとうございます。
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目次
- 1......第一章『殺し合いゲーム』一話「異世界から。」
- 2......第一章『殺し合いゲーム』二話「怒り」
- 3......第一章『殺し合いゲーム』三話「強制沈黙」
- 4......第一章『殺し合いゲーム』四話「ゲーム」
- 5......第一章『殺し合いゲーム』五話「困惑」
- 6......第一章『殺し合いゲーム』六話「人間」
- 7......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第二章『最後の晩餐』
- 8......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。 第一章『殺し合いゲーム』
- 9......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第三章『優の自由研究』
- 10......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。ワード集。
- 11......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第4章
- 12......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第5章