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    2.父ちゃん母ちゃん、それはちょっと適当過ぎるね。
    
    
        2話目!はやくホグワーツに入学させたいな。
    
    
    「ただいま!」
玄関の扉を開くと、整列した使用人たちが頭を下げていた。トムはここまでの金持ちだと思っていなかったようで、その場で固まってしまった。
「何やってんの。着替えなきゃだからはやく。」
「あ、ああ。」
「オリヴァー!お父様とお母様に“夕食の席で言うことがあるから今日は家に居てね!”って言っておいて!アメリア、いる?」
「はい。ここに。」
「風呂と僕と彼の服の用意をおねがい。」
「承知致しました。」
いまだ玄関で固まっているトムの肩を叩いてこっちだと伝えると、慣れない足で着いてきた。あ、段差だいじょうぶ?
「ここが僕の部屋!とりあえずはここにいて。」
「坊っちゃん、お風呂の用意ができました。」
「ありがとう。」
トムが待てと言った。
「もしかして二人で入るのか…?」
「どっちでもいいけど。まあ使い勝手わからないだろうし今日は一緒に入ろうか。」
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「あったか~」
花びらが浮いた風呂に浸かる。気持ちよすぎる…。風呂さいこー!!
僕がうとうとしているとトムが口を開いた。
「ノア、お前以外と筋肉があるんだな。」
「遊び回ってるうちに勝手についたんだ。筋肉なんてあって困るもんでもないよね。」
トムが僕のことをまじまじと見つめた。
「なに。触って見たいの?」
腕ならいいよ、というとトムが僕の左腕をぺたぺたと触った。筋肉に興味ある感じ?いいね!
熱くなってきたので、そろそろ出ようかというとトムが頷いた。
白く、刺繍の入ったタオルをトムに投げる。魔法で二人分の髪の毛を乾かすと、無性にその頭を撫でたくなった。ちょっと触るね。ふわふわ~!手触りよ~!
しばらく撫でていると、頬を赤らめたトムがこちらを睨んでいた。
今絶対、同い年なのにって思ったよね?
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坊っちゃん、お食事のご用意が出来ておりますよ、とオリヴァーに言われたので二人で食堂に向かった。
到着すると既にお父様お母様が席に座っていて、僕らのことを見た。
トムにそこに座ってというとぎこちない素振りで座った。二人に緊張してるの?確かに、するかもしれない。二人とも身長もあるし何より美しい。でもな~。中身は完全に子供(僕)と同じなんだよ…。
「ノア、その隣の子はどうしたの?」
お母様が口を開いた。
「一人だと暇だから、孤児院から引き取って来たんだ。なんか、魔法が使えるらしいから丁度良いかなって思って。」
僕のラフな言葉づかいにトムが驚いた顔を見せた。僕ら堅苦しいの嫌いなんだ。トムは二人の返答がどうなるか緊張している。
「そうか!良かったな。」
「うん!明日から家に住ませていい?」
「もちろんよ。ノア。」
サクサクと進む僕らの話し合いにトムはもう放心状態。ちょっとおもしろい。
「トム、自己紹介してよ。」
はあ?と言いたげな口をトムは無理矢理にっこりとさせて言った。
「トム・リドルです。引き取って下さってありがとうございます。」
切り替えすごいね。君。
「そんな堅苦しくなくていいわ。よろしくね!トム。」
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食事を終えて部屋でゴロゴロしているとトムが口を開いた。
「良いのか?こんな適当で。」
「二人が良いなら良いんだよ。嫌なことは嫌ってきっぱり言うだろうしね。」
そうか…と納得がいってない顔で本棚を見た。
「好きな本みていいよ。これなんかどう?」
と『世界のおもしろボードゲーム』と書かれた本を渡すとトムは素直に読み始めた。それ読んではやく一緒に遊べるようになってね。
    
        次回はもうホグワーツにいれようと思っています。
番外編でホグワーツに入るまでの五年間を書いて行こうと思っています。
はやく惚れ薬の回を書きたい!