公開中
【3】目覚めのとき
街を目指す旅人目線
目が覚めたのは病院だった。無機質な天井を見た。
何故か涙がこぼれた。
あの、痛い道。氷の道。多分ここは街の病院だ。
「生きてる」
誰かが、助けてくれたのだ。死なずにすんだ。
深い眠りに落ちていった。
「姉ちゃん。お腹すいた」
「ごめん。もう少しで手に入るから」
なんどこのやりとりをしたことだろう。空腹に悶える兄弟姉妹をなだめ、働き、稼ぐ。13の子供にはかなりハードな日常だった。
「父さん母さん。いっていきます」
写真に挨拶をする。父母は、一年前から行方不明だ。出稼ぎに行ったっきり帰ってこない。
冷気を吸い込んで働く。村の炭鉱で肉体労働に勤しむ。炭鉱はどこかの金持ちが営んでいる。賃金は少ない。
しかし、村に貯められた食料で昼食が振る舞われるのがせめてもの救い、一番の目的だった。パンをこっそり持ち帰り、兄弟に食べさせる。一つの日課だった。
村の食料が尽きた。あちこちで乱闘が起きた。奪い合い。当然炭鉱は閉鎖、昼食もない。泣き叫ぶ兄弟姉妹を必死になだめ、木の根っこを茹でる。食べてもらうしかない。
一番上の姉という立場。全員を守らなければいけない。このとき、 12歳。あと少しで13。
「姉ちゃん。あとは任せて、手伝える」
少し立ち、ひとつ下の双子の兄妹が12歳になった。
「できるね?頼む。ちょっと姉ちゃん街に行ってくる。たくさん食べ物持って、星を持って帰って来る」
そう言い残して村を出た。老人ばかりで、若者の少ない貧弱な村。私は村の期待を背負って街へ出向いた。
今までの出来事が流れていく。
助けてくれた人、ありがとう。