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番外編
おみくじネタしたかっただけです。
1月4日なのに。
「ねぇ、レイ。年が明けたわよ」
「…本当だ。明けましておめでとう、ナーノ」
「えぇ、おめでとう」
ナーノと過ごす、初めての年末年始。大したことはしていない。少しお節料理を買って、近所の人から餅と、大根とを貰って。大掃除をして、雑煮を作った。僕は雑煮派。甘い物はそれなりに好きだけど、あまり甘すぎる物は好きじゃない。あんこがそう。
「ねぇねぇレイ。日本にはおみくじ?があるんでしょう?」
「…あるね」
「私、それがしたいの!」
…中々な絵画だ。好奇心旺盛と言えば良く聞こえるだろう。
「でも、ナーノは額縁から出れないんでしょ?」
「えぇ、そうなのよ。そこが問題なのよねぇ…」
まぁ、おみくじくらい代行で買って来ればいいか。その旨を伝えると、ナーノは顔をあからさまに輝かせた。
「よろしく頼むわね!」
そして初詣に行こうと。人混みが嫌いなのでさっさと帰って来ようと決意した。
まぁおみくじなんて人の溜まり場みたいなもので。どう頑張ってもさっさとは帰れないのでイヤホンをする。うん、まだこれぐらいなら良いか。
十分ぐらいだろうか。それぐらい時間が経った時、やっとおみくじを引けた。2人分買って、帰路を辿る。住宅の石壁の上に、雪兎が鎮座している。子供がすることってやっぱり可愛い。関わるのは苦手だけど。
そうこうしているうちに古本屋に着く。
「ただいま」
古本屋の裏のスペースへ入り、そう声を掛ける。
「お帰りなさい、レイ」
そう迎えてくれる。ナーノはワイスを撫でていた。
「おみくじ。どっちが良い?」
「そうねぇ…じゃあ私から見て左の方が良いかしら」
右手に持っていたおみくじを彼女へ差し出す。ナーノはおみくじを開き、結果を読みだす。
「えーっと…末吉…何でこんなに分かりにくい文で書いてあるのかしら」
「そこに文句を言わないであげて…」
「霧にすっかり包まれて見通しが立たず、身動きが出来ない運気…って何よ」
いちいちツッコミを入れる彼女も面白いな。なんて思いながら向かいの椅子に座り、その内容に耳を傾ける。
「今やたらと動くことは得策ではない…いずれこの霧が晴れ、目先が明るくなってから自信ある動きを取ること…長いわよ」
それはしょうがないから頑張って欲しい。
「…必要な項目だけ読めばいいんだよ」
「あら、そうなの?えーっと…仕事かしら、じゃあ。はっきりとした目処がつかぬままに動くと危険。ここは解決を焦ることなく、信頼できる人の意見を聞け…」
ちょっと不満そう。面白いな、やっぱり。見てるだけで良い。
「末吉って良い運じゃないの…?」
「…凶の手前みたいだよ」
「今年は運が悪いのかしら…」
「…信じすぎるのもあんまり良くないから、お守り程度で良いんじゃないかな」
それもそうね、とナーノは一つ溜息を吐いた。
「レイ、貴方はどうなの?読み上げて頂戴よ」
「…小吉。何か奥歯にものが挟まっているような状態…願い事を成就させるには勇気をもって邪魔物を嚙み砕けばよい…金運はあるので経済的に心配はない」
何でそこだけ注釈みたいに…あと例え…なんかなかったのかな…。
「仕事は…あんまり関係ないかも…健康…もし手術しなければならない場合は病根が意外と深い…この際医師を変えて別の診察を受けてみては…」
取引とか…基本無縁だしな…。
「へぇ…まぁ、お互い頑張っていきましょうね」
「…そうだね」
今年も普通…ではないけど。こんな日々が続きますように。
あとがきと言う名の雑談。読みたい人だけどうぞ。
怜の一人称を忘れかけていた栞奈です。僕だか俺だか。
僕でした。私も雑煮派です。
直近4回分のおみくじがあったので、その中から選びました。
私は第一番と第六八番率が高いかもしれません。
ちなみに今年のおみくじの結果聞きます?(
日記で上げますわ。流石に長い。
今年もこの子たちをよろしくお願いします。