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2ndWorld online(セカンドワールドオンライン) 終
完結⭐︎
私が今視界に入れている現実世界は、ゲームのログイン前と、全く違う、地獄だった。
「は?なんで?なんでセカンドワールドオンラインに出てくるモンスターが…?」
「っ!悩んでても仕方ない、この格好にも違和感はあるけど、」
私は外に出て、モンスターに襲われる人を救い、道を駆け抜ける。
「斬っても斬ってもキリがない!クソ!」
モンスターを斬ってもまた民家から湧いてくる。
「らあっ!」
私は、モンスターに気を取られすぎていた。
「ヒャッハアアアアアアアアア!!」
「なあっ!」
間一髪で受け止めるが、次第に太刀が折られてしまう。
「きゃあっ!」
一軒家の塀に打ちつけられる。
「お前もこの大剣の糧になりやがれええええええ!」
「やばっ!」
私は必死で回避する。
(誰か…力を…)
そう思った時だった。
背中にずっしりとした重みが増える。
「これは…太刀じゃない、、剣!?」
私は必死で剣を抜き、対抗する。
そして気づいた、これはムギ・・・紬がくれた|星空《ホシゾラ》の剣、|青空《アオゾラ》の剣だったのだ。
「紬…ありがとう!!」
「セエアアアアアアアアア!!」
「キエエエエエエエエエエエエエエエ!!」
大剣と2本の剣がぶつかり合う、不快な金属の音が聞こえる。
「クソッ!」
鍔迫り合いをやめ、距離を取る。
「どうしたあ?ひよってんのかあああああ!?」
男の叫び声が聞こえる。
「黙って戦えよ、そんなこともできないのか?」
私が反論する。
(今しか、チャンスはない、!)
「セアアアアアアアアア!」
気合いを込めて、男に突撃する、2連撃ウィンドスラッシュ。
「!?」
男は度肝を抜かれたような顔をしている。
「いっけええええええええええええええええ!!!」
男は胴体をバツの形に切り裂かれ、倒れた。
「っ、、、!」
私自身、人の死体を見るのは始めてだ、無惨な姿だ、もし私が殺されていたらこうなっていたのかと思うと、全身が強張る。
「っ、行こう」
剣から血を落とし、鞘に戻して、足を動かす。
「まさか、ゲームだけでこんなことになるとは、、、」
街は焼け野原だった。
そんな時、一件のメッセージが携帯端末に届いた。
「?なんだ?」
『リアルとゲームが混合した、2ndWorldにようこそ、私はこの世界を管理している管理者、トゥエルブである、この世界をリアルに戻す方法はたった一つ、日本の富士山にいるワールドボスを倒せばいい、尚、注意してほしいことが何点かある、この世界で壊されたニンゲン、建設物は2度と戻らないそれを踏まえてこの世界を楽しんでくれたまえ。』
メッセージはこのようなものだった。
「富士山…?行ってみるか」
私は、さっきの戦闘でなぜか手に入れたスキル、【浮遊】を使って空を飛び、高速移動を開始する。
「風の抵抗が、、、ここは一応現実だからなあ」
ぶつぶつ言っていると、あっという間に富士山に到着する。
「人多っ!って言うか、あれ、、!」
知っている顔が見える、ムギだ。
私は急降下して、着地する。
「っよっと、ムギ、!」
「あっセナ!あのメッセージみた?」
「みたよー、えらいことになってたねー」
「うん、だから今から戦闘できる人間で富士山に突撃するんだって、」
「うえー、できればソロでいきたかったな、」
「しょーがない、ほら行こ」
「うぃー」
その後、何度か上級モンスターに遭遇したが、数の暴力で倒した。
(もうすぐ頂上か、どんな大型ボスがいるんだろ、)
そして、頂上に辿り着く。
そこにいたのは人間と同じ身長のボスだった。
「!!目が光った、攻撃が来るかも!回避!!」
レイドリーダーがそう言い、私たちは右に左にと飛び退く。
「攻撃!開始っっっ!」
レイドリーダーの指示に合わせ、攻撃する。
「硬っ!」
攻撃しては避け、攻撃しては避けを繰り返す。
「バリアが割れた!!いまだー!」
「やあああああ!」
私は、攻撃に集中しすぎていたのだ。
「危ない!奏!!」
「っえ!?」
目の前に紬がいた、ボスは攻撃体制に入っていた。
瞬間、ドゴンという大きな音がして、紬は吹き飛ばされた、左肩から右の脇腹までの切り傷があった。
「つむ…ぎ?」
「この、、世界を、、ボスを、、倒してね、!」
そう言って、紬はこの世界を去った。
「あ…ああああああああ!許さない、!許さない!!」
絶叫して、突撃する。
「このクソバリア、!壊れろおおおおおおおお!」
剣先が少し食い込む、だがボスも戦闘体制に入る。
「おらああああああああああああ!」
だが、私の方が速かった。
(力を貸して!青空!星空!…紬!)
「ああああああああああああああああ!!」
ボスに剣が入り込む。
「いっけええええええええええ!」
ボスは血を出して、倒れた。
「はあ、はあ、はあ、っく、ごほっごほっ」
「大丈夫ですか!?すごい戦いぶりでした、見惚れてしまいました。」
「ありがとう…ございます」
その瞬間、世界は元に戻った、剣は無くなった。
--- 1年後 ---
世界は今も回っている、1人の人間が私を命懸けで守ってくれたおかげで。
私は、今も毎日紬のお墓に来ている、お墓に来ると涙が溢れる。
「紬、今も私は生きています、貴女のおかげで、ありがとう。」
ここまで読んでくれてありがとうございました!完結です!
次回作も書きますのでぜひ読んでください!ありがとうございました!これからもよろしくお願いします!
奏(かなで)でした⭐︎