カンタンナコト　Ⅰ

自分は何をしたいんだっけ。 知ってるならヒントくらい教えてよ。 --- 私はリアルを汚す蜃気楼みたい。 でもこれだけでもなによりの希望 --- ねえ。残された呼吸は瞬きはあとどれ位なの？ 毎朝毎晩と過ごす時間が処刑台へ登る階段で、階段のようで --- 私、琉璃(るり)はずっとある思いを抱えて生きている。 「消えたい」 この一言を言えて実行できたらどれだけ楽か。 別にいじめられてるわけでも無いし虐待とかも無い。親友や友達は多めでいわいる陽キャってやつだと思う。 でも。消えたい。この思いは変わらないんだろうね、 人は間違いを犯すとそれを隠して誤魔化す。私は、この人生を選んだという間違いを犯してそれを明るく振る舞い、隠して消えたいと誤魔化す。 そんなことを考える自分が嫌いになる無限ループ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1ヶ月後 放課後。 私と親友グループメッセージに大親友、憧(あこ)からメッセージが来た 「琉璃ってヤバいよね。1人だけ感覚ずれてるし。というか絶対うちらのグループには入れてると思ってるんだろうけどめっちゃ浮いてるし笑」 その後葵(きら)も送ってきた。 「マジで笑いつものとこでまた愚痴るよ〜。送っといた」 私は頭の中にあった何か切れてはいけない何かが切れた音がした。 数分後そのメッセージは消されていた。 私は悟る。きっと憧と葵と他の3人は私以外のグループをもう一つ作って私を嘲笑っていたんだろう。 怒りは湧かない。悲しくも無い。私はきっと「消えたい」という願いを邪魔していたストッパーのようなものが外れたんだろうね、 私はある場所へ走り出す。 --- 私、楓(かえ)はいじめられてる。いじめられて何度も殺されるんじゃ無いかっていうぐらい、ひどいいじめを受けたこともあった。 殴られる、悪口を書かれる、そしてデマを流されるのが基本。 たまに首を絞めてきたり、万引きの犯人に仕立て上げられたり。 主犯格は一軍と呼ばれる人達の憧さん、葵さん、琉璃さんの3人。3人の他に2人親友らしき人はいるけれどその人達は私と一軍らしく普通の距離。 私はそれでも生きたい。なんでだろうね、いじめから逃げたいとは思う。でも死にたいとはならないんだよ。 これを主犯格たちに言おうもんなら首絞めなんかよりも本当に酷いものがくるはず。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 状況が変わったのは2ヶ月後。 何故か琉璃さんがいじめのターゲットになったらしい。琉璃さんは本当はいじめたくなかったんだとか。確かに思い返せば殴ったのは琉璃さん以外。首絞めや万引きに引き立てたのも2人がアイデアを出して琉璃さんが実行させられたと言っている。 そして、琉璃さんは謝った。何度も謝ってくれた。 「今、いじめのターゲットになって改めて楓さんに謝りたい。ごめんなさい。」 って。で、琉璃さんは消えたいらしい。もっと前から消えたかったらしい。 私はそれが逃げているような気がした。 続