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骨と狂気の花
平目 知理
|未華《みか》はいじめられている。
上履きを隠されたり、教科書や机に落書きされたり、無視されたり。
担任の先生も対応しなかった。
だが、1人だけ味方がいた。
「なんで未華をいじめてるんだろうね。何か羨ましいのかな」
|京木 美咲《きょうき みさき》。
ただ1人、未華に声をかける存在。
「何もないよ。ただの学生だよ」
未華が言うと、美咲は
「自分じゃ自分のいいところなんてわからないよ。私もわからないもん」
未華を元気付けることをよく言っている。
自分では気づいていないようだが。
ある日、未華は学校の動物小屋の中に、
見たことがない花が3輪ほど咲いているのを見つけた。
花びらは雪のように白く、茎は土のように茶色い。
その土はなぜか新しく、誰かが埋めた痕跡が残っている。
「変わった花だな。」
「だね。本当に変わってるね」
美咲がいた。
「…急に話しかけてこないでよ。びっくりするでしょ」
「…え、今日、飼育委員の活動で元々ここ来る予定だったけど」
委員会のカレンダーを見る。
「…本当だ。ごめん」
カレンダーに、美咲の名前があったようだ。
「いや、うちもいきなり話しかけちゃってごめんね」
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二日後。
いじめグループのメンバーの1人が、
家のベランダから落ちて亡くなった。
あまりにも突然だった。
その後も、いじめグループのメンバーの訃報は相次いだ。
1人目は歩行中の信号無視による交通事故。
2人目は通り魔による刺殺。
3人目は原因不明の火災による焼死。
この3人を合わせても、10人ほどが1ヶ月間の間に亡くなったそう。
その日の放課後、未華はまた動物小屋を見に行った。
「何これ………。」
花が増えていた。
「一ヶ月でこんなに増えるのか」とは到底思えない数。
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その次の月には、いじめグループのメンバー以外の訃報も相次いだ。
1人目はまた通り魔による刺殺。
2人目はよくわかっていないらしいが、体に毒が回っていたことから自殺と考えられているらしい。
このほかにも、学年の5分の1ほどの人が1ヶ月間に無くなったそう。
その次の日の放課後、未華はまた動物小屋を見に行った。
そこで見たのは、
「信じられない………。」
地面が白で覆い尽くされた小屋だった。
これほど増えるのは異常だと思い、未華は担任に伝えた。
いや、伝えようとした。
「聞いてください!」
「嘘つきの話なんか興味ねえよ!失せろ!」
「聞いてください! 信じられないと思いますけど、本当です!」
「あーあー、聞こえねえなぁー!いいから、とっとと消えろ!」
聞き耳1つ立ててもらえなかった。
未華が再び動物小屋に戻ると、
「何これ、何かのメモ……?」
動物小屋の金網に、小さな紙が貼り付けてあることに気がついた。
その内容は、
「白き花は 骨の花
願いで埋めた 狂気の花
美しく咲く者が 埋めている
華でない者の 願いを想って」
「あれは、骨………?「華でない者」の意味はわからないけど、「美しく咲く者」って、もしかして……」
「……美咲ちゃん?」
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その日の夜。
誰が埋めているのか確認するため、未華は小屋を見に行った。
そこで目に映ったのは、
フードを被った、未華と同じくらいの身長の人と、
一本の人骨。
「美咲、どうして………!」
「バレちゃったかー。ごめんね、隠しごとしてて。」
フードを外しながら、美咲が言う。
「私がいじめられてほしくないからって、こんなことしなくて良かったんだよ!なんとかしてよ!」
未華が叫ぶ。
「……全部、未華が言ってたからやったんだよ。前言ってたでしょ。「みんな死ねばいいのに」って。」
思い出す。
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3ヶ月前
「あーあ、みんな死ねばいいのに。そうしたらいじめは絶対になくなるのにね。」
「じゃあ、私が殺してあげようか?」
「うん!お願い!」
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「………。」
未華が黙り込む。
「でしょ?」
美咲は未華の方を見て言う。
背後の視線に気づかずに。
未華は見ていた。
白い影が、美咲を取り囲もうとする様子を。
美咲が不意に後ろを向く。
視線の先には、
白くて淡い光をまとった骨の花と、
多くの白い影があった。
白い影は、美咲を取り囲む。
「なにこれ……。 未華、何か知ってるの!?」
影で覆われ、中の様子は外から見えない。
その様子が、未華にはなぜか
美咲が死ぬ様子を見せたくないと思っているように見えた。
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その翌週。
学校は、訃報が報告される以前の姿に戻った。
2つを除いて。
1つ目。
未華に対するいじめが無くなった。
いじめグループのメンバーはほぼ全員亡くなり、解散。
担任も亡くなってからは、かなり平和になっている。
2つ目。
動物小屋が撤去された。
新担任曰く、「飼育委員がほぼ全員いなくなってしまったため」だという。
その跡地には、
1輪の骨の花が咲いていた。
骨の花は、新しく「ボーンドロップ」と名付けられた。
「スノードロップ」という、似た花があるかららしい。
__あの事件を知らない人が「骨の雫」という名をつけたのは、偶然か、それとも…………__
一作目、どうでしたか…。
こんな長い作品(2,167文字)を丁寧に見てくださったのであれば、非常に嬉しいです。
さて、ここで質問です。
「華でない者」とは、なんのことだったのでしょうか……。
また、美咲があのとき埋めていたのは、誰の骨だったのでしょうか……。
他にも、少し考えられる要素を入れてあるので、じっくりと考えてみてください…。
誤字、脱字、その他直してほしいところがあれば言ってください。
極力すぐに直します。