公開中
6話 失った記憶
「貴方は誰ですか?」
こう言われることは想像していた。でも言われると悲しくなる。
「れるの名前は一星れるやで。ニコッ」
れるは#名前#のような笑顔で答える。
「れるさん、」
#名前#に「れるさん」と呼ばれる。れるは無理やり笑顔をつくる。
「泣いてますよ?大丈夫ですか?」
そっと訪ねてくる#名前#は昔のように相手を優先して、でもそんな#名前#が
れるは大好きなんだ。#名前#は昔も事故にあったのに。よく笑顔でいられるな。
---
れる達は中学校二年生の頃から仲良く、その頃かられるは密かに#名前#に好意を
寄せていた。#名前#から誘われた初めてのお出かけ。れるはわくわくしていた。
れるは待ち合わせ場所の信号で手を降る。
「#名前#!」
れるは信号が青になったから右も左も見ずに飛び出した。でもれるは気づかな
かった。れるは軽自動車がキィー!っと音を立てながられるに向かい突っ込む。
もう駄目やなぁ。そう思った時れるは突き飛ばされた。ドン!と音を立てて
倒れたれるは衝撃の光景を見た。それは自分を守るために轢かれて血まみれに
なった#名前#だった。れるは立ち上がりそれを眺めていたがふっと我に返り、
震える手で救急車を呼ぶ。
「もしもし…。」
れるは涙でグシャグシャになった声を必死に絞り出す。
「スターライト交差点で、一人の少女が車に弾かれて…。急いでくださいっ!」
その後すぐに救急車がきた。れるは迷わず乗り込む。病院で言われたことが
「大切な人の記憶が抜け落ちてしまいます。」
そう言われた。れるは
「え…。」
としか言うことが出来なかった。まさか、お母さんの記憶ではなくれるの
記憶が消えてあるんだから。でもその時はれるのことを大切と思ってくれて
嬉しかった。
---
「れるはな、#名前#の彼氏なんよ…。」
#名前#は驚き目を伏せ謝る。
「彼女なのに、彼氏のこと忘れちゃって…。」
「れるはな、正しいことしたと思うで。だって、人を助けたんやから。自分の
記憶より人の命を助けることは勇気がいることやで。それを二回もしとるん
やから。」
れるは涙を流し訴えかける。母さんが泣きながら言ってくれたことを。
「ありがとう、れるくんニコッ」
れるは呼び方が戻った気がする。
---
「ありがとう、れるくんニコッ」
笑い方もなんか分かった気がするし、なんかれるさんと居ると落ち着く。なんか
れるくんっていう呼び方、呼びやすいなぁ。
「ねぇ、『れるくん』って呼んでもいいですか?ニコッ」
---
「ねぇ、『れるくん』って呼んでもいいですか?ニコッ」
え、普通に嬉しいんやけどっ!え?夢なんか?
「勿論ええで!逆に読んでほしいなぁ?ウルウル」
れるは涙目と上目遣いを使う。#名前#はたしかこれで堕ちたんよな?
---
「勿論ええで!逆に読んでほしいなぁ?ウルウル」
え、上目遣い可愛いなぁ。なんかときめいちゃう。これって恋ですか?神様、
教えてください。この人と居たいって思えたから。
「れる君、」
私は昔のことを聞く。
「二回目ってどういうことなんですか?」
---
れるは交通事故のことを話す。#名前#は涙を流し
「そうなんですか」
と呟く。れるは
「あの時助けてくれてありがとうな!」
今できる#名前#に向ける。
「いいんだよニコッ」
作り笑いで笑う#名前#を少し見つめてから、思い出を話す。#名前#は驚き
「今思い出したよ!れる君ニコッ」
そう作り笑いで笑い昔話の続きを話した。れるはナースコールを押す。
「記憶を思い出したんですよニコッ」
#名前#は医者に笑いかける。その笑顔をれるは独り占めしたい嫉妬が渦巻く。
医者も笑顔で良かったですよ。と涙を流す。れる達は家に帰る。
「記憶を思い出させてくれてありがとうっ!」
その時の#名前#は本当に笑えている気がした。その笑顔が見れるだけでれるは
嬉しいんだ。れる達は家へ帰る。
「ねぇ、」
#名前#は語りかける。
「私と居て幸せ?モブ子様達が嫌がってるからね…。れる君にはなにも
したくないから。だから、」
れるは聞きたくない言葉を聞いてしまった。
「別れたほうがいいんじゃないかなぁ?ニコッ」
---
「別れたほうがいいんじゃないかなぁ?ニコッ」
本当はこんなこと言いたくなかったよ。でもそっちのほうがまだきっといい
気がするんだ。ごめんね。
---
「それはちゃう、れるが守るから。」
れるは密かな決心を言う。それは何があっても#名前#を守ること。なのに、
なんでまた、失わなあかんの?神様、教えてや。れるはどこから間違えたんやろか?
1896文字!