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5話 溶ける想い
ねぇ、私気づいちゃった。こんな私でも気づくって本当に嫌だね。れる先輩が私より
人気で不釣り合いっていうの、ずっと分かってたんだ。でも逃げたくって。私、れる
先輩がクラスのぶり実と手を繋いで廊下を歩いてたの。なんでだろ。喪失感っていう
のかな?私、心にぽっかり穴が空いちゃって。委員会の仕事も、なんか普段は好き
なのに、今はしんどくって。自分の嫌なことから逃げるように仕事をしちゃう。私の
失恋なのかな?
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れるはずっと楽しくない。#名前#はなにかを誤解しているかのようで、ずっとずっと
暗い顔で、笑っているけど辛そうで。れるは…、あのぶり実に無理やりカレカノを
演じさせられてるんだ。手を繋いで、ハグをして。もう、嫌なんだ。昔から、ずっと
このルックスが嫌で、泣きたくて。でも男だから泣けなくて。れるは男だから、駄目
ですか?女ならいいんですか?なにも分かんないよ。
「#名前#!」
れるは後ろからそっと近づく。近くにぶり実は居る。でも、れるの本当に大好きって
心から言えるのはきっと、いや、絶対に#名前#だけなんだ。
「なんですか?一星先輩ニコッ」
れるは顔を歪めてしまった。昔みたいにれる君って笑ってよ。もう、叶わない願い?
母さんに抱きしめてもらうのも、父さんに頭を撫でてもらうことと同じ?もう、
駄目なの?ずっとずっと好きなのに。今はもう、ただの委員会の人?わかんない。
でもれるはずっと想い続ける。
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私ね、ついにれる様の心を奪えたって思ったのに、アイツが邪魔なの。
「れる君!」
この前ショッピングモールでそう呼ぶとこ見ちゃった。アイツ…、アイツさえ
居なかったら、どれほど良かったんだろ?わかんないけど、アイツを呪ってやるわ。
#名前#ちゃん、今に見てなさい。
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私のこの恋って叶うはずないよね…。私は一星先輩の家族を奪って。先輩はもう
戻らないものを失ったのに。昔は仲良い家族だったはずなのに。私のお父さんは
犯罪者で、私も犯罪者の子供で。辛いんだ。皆私に期待をしてくれてた。でも
お父さんが、人を殺しちゃったから。
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小さい頃の私は、幸せな脳で家族と水族館行くことを楽しみにしてただけ。でも
私は命を奪った人殺し。お父さんが車で家族を轢いちゃった。目の前に映る
赤い血はとてつもなく嫌な悪臭で、臭いなって思っちゃった。犯罪を知ってた。
でもお父さんは、わざと轢いてないんだ。でもね、学校だとね、
「犯罪者ー!」
「キャー!人殺し!」
除け者扱いで、その時の私には理解が出来なかったんだ。
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れるは暗い表情の#名前#に声を掛ける。
「#名前#…。」
彼女はひどく申し訳なさそうだった。もう、なにも要らないって顔で
「一星先輩、私のこと忘れてくださいよ。」
そう告げる。もう、自分のことなんて忘れてよ。そう言う。
「なんでや…。」
れるは聞いてしまう。ずっとれるは、れるは。
「私、人を殺しちゃったんです。しかも一星先輩の家族。」
#名前#の声は震え、泣きそうな目だった。
「だからって、」
「でも!」
#名前#はれるの言葉を遮る。
「謝っても許されないって、分かってますよ!」
#名前#の瞳からは大粒の涙が溢れる。
「関わらなければいいっていうことでもないんです…。私が気持ちを捨てるだけ
です。ぶり実さんとどうぞお幸せに。」
れるは嫌なんだ。アイツと居るのが。
「まってや!」
去っていく#名前#を引き止める。
「れるは…、もういいから…。」
1445文字!
いやー、2週間ほど更新してないやつでーーす!