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タイトルが〜わーからーん♪♪
城の位とか知らんて~~~等々思いながら思い付いた小説様を書いている者、則みぞれです。
みぞれだって、霙だって、降りながら落ち、やがて溶けて消えていくじゃないですか。
詩的だ。…たぶん
「ルエ姫、…どうかした?」
「……」
ルエ姫と呼ばれた少女は、先程からただ静かに中空を眺めている。
でもやがてはっとすると、ルエ姫は呟く。
「……何で私達、こうなったのでしょうか? それに、もう私は姫ではありません、ただのガラクタです」
「…それ僕も当てはまるやつですか、姫」
「…ふふ、そうかも」
「……そうかもしれないけど。 ……とにかくここから出ましょう?」
「その、敬語かタメ口か分からないやつやめてよね…?」
ここは、世界に誇る魔術大国、ミラアル王国。
数ある名門魔術校の中でもトップクラスの学校に入学し、無事卒業できた二人は、今こうして監獄に閉じ込められている。
なぜかというと、二人は王族。
王族の中で、王族を裏切ったから。
災難を討つために、小さな子供を斬ろうとした国王陛下から、子供を庇った姫を助けようと、王国最衛反魔族軍に所属している騎士、ノルが国王陛下を蹴ってしまったのだ。
まあ、国王陛下と女王陛下以外は、ルエとノルの拉致?に反対しているようだが。
ルエとノルは幼馴染で、兄弟のような付き合いがあった。
その日も、一緒に王都外れに位置するとある村に遊びに来ていて、偶然、あの現場にいたのだ。
***
「よっしゃあぁぁぁぁぁ〜!俺ボール持って行く係な〜!」
「何でだよ〜!」
完全小学校化した魔法学園のとある教室をただ呆然と立ち尽くす生徒二人がいた。
「……しまった、わね」
立ち尽くす生徒の内の一人が、言った。
わあわあと騒がしく、教室を出て行く生徒たち。
仮に小学校であっても、今の時代においてあれは無いと思った。
赤ピンクのウェーブがかった長い髪を靡かせて、立ち尽くす生徒一人_ユレーナは教室に入る。
「トア、もう生徒は居なくなったわ」
「……ぁぁ」
トアと呼ばれた黒々とした赤色の髪の男子生徒は、顔を白い墨汁で呪を込められた黒い髪で隠しながらも分かる呆れ顔で、ユレーナの後を着いて行く。
「ほんと、騒がしくて好かないわ、 …あの子たち」
ユレーナは、魔族肯定側の王国軍の一員で、剣の腕なら一人前だが、魔術の腕はそこそこ。
反対に、トアが秘める魔力は国を簡単に滅ぼせるほどには絶大だ。
種族は人間ではない。魔族だ。
それも完全に人型を成すタイプの。
だから理性もしっかりしているし、心もある。
トアが得意な武器は銃などの遠距離型。
ユレーナの種族は元々"神"だ。
人々をもっと近くで導けるようにと、現在は完全人間化している。
命運が尽きると、もう一度神格を得るだろう。
「はぁ〜あ、さっさとまとめてくれないかしら、城に仕える魔術講師たち」
ユレーナは愚痴っているが、トアは静かに魔導書等をまとめて片付けている。
「…準備できたわね?トア。私からの依頼」
「…おっけ」
予想より早かったトアの返事にあたふたしながらも頷くユレーナは、どこにあったのか、剣を取り出すとトアに合図して、窓から飛び降りていき、トアもそれに続く。
「任務は、ルエとノルを助けることよ!!」
ーーー・・
「出られないよね…ここって」
「ぁあうん、壁や窓にまで魔術結界が張り巡らされてる」
魔術結界は、相当な魔力、腕前を持つ者にしか解くことのできない強力な呪だ。
そして、いつこの結界が張られたかによっては、完全に解けないかもしれない。
魔力は、放置していると時が経つにつれ膨大に増えていく。
そういう仕組みなのだ、この世界において魔術というものは。
まあ、仕組みごと変更させれば、反対にできることもある。
ガチャリ
「やあ、可哀想な者たちよ」
突如入ってきたのは、国王陛下に直接仕える家来だった。
家来は、捕まった者たちを馬鹿にするような態度で笑う。
「わはははははは!姫様が捕まってる!王国軍のメンバーが捕まってる!」
「…なんでそんな僕とルエだけを見るのか」
「…だよね」
とその時。
家来はサッと背後を振り返り警戒し始める。
「…誰だッ」
入って来たのは、赤ピンク髪が少しウェーブがかっている少女_ユレーナだった。
「こんにちワ、可哀想な家来サン」
変な口調で話すユレーナ。
家来の顔は途端に《《はてな》》になる。
その裏。
「…こっち来い」
トアは窓から顔を出し、ルエとノルを手招きする。
「…あ、ど、どうも」
「え、あ、え」
そのままトアはルエとノルを引き上げる。
気がつくとユレーナが背後にいる。
いくら人間といい魔術の腕前が低いといえど、ユレーナこそ元・神なので瞬間移動は簡単にできる。
が、人間にとってはそれは常識外のため、ノルは二人を警戒する。
「魔族ではない…よな?」
おそるおそる問うノルに対して、おそるおそるトアが片手を挙げる。
「え…本当か?」
ノルは信じられないようで。
しかし、トアは頷く。
「…ありがとう、君たち、名前は?」
「私はユレーナ。これはトア。」
ユレーナはトアの首根っこを引っ掴んで爽快な笑顔を浮かべる。
「ユレーナ…?トア…?」
ルエは何かを察したらしい。
「ユレーナさん、トアさん…それ、偽名ですよね?」
「えっ?何で?もしかしたらその名前禁句なの?」
ユレーナが聞くと、ルエはぶんぶん首を横に振る。
「ユレーナという名前の女神様がいるんです。この国の神話に伝わる形で。そして…トアという名前は…そう、いわゆる魔王の魔族の名前です」
「え?名前残ってたの!?」
ユレーナは、素っ頓狂な声を上げる。
「ユレーナって言うのは、私の真名よ。騙る必要がないと思って、真名を名乗ってたの、私。…ねぇトア?」
トアはまた頷く。
「でも、私、主神…兄ちゃんの兄妹だし……まだ連絡つくわよ?」
「あ、、、。本当に、いたんだ。神様。」
ルエは感心しながら呟いた。
「トア、本当か?我々王国軍と魔族軍の戦争の中にいた?」
「…懐かしい」
「おいッ!!」
「じゃあ、僕とルエを何で助けた?」
「ゆれぇが言った」
「ユレーナさん???」
ノルがユレーナを見る。
「気分よ、気分。王国期待の姫と、王国軍最強の騎士が消えたって」
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やはり、神も魔族も気まぐれなのだ。
人外とは、不思議なものだな。
🪔←なに?「でぃ」って打ったら予測変換で出てきた
🍣🍳=🤔💭(😋)