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自分のBL小説キャラにした人が実は腐男子でした!!7
いつの間にか本編七話まで言ってるのに驚きなジツフダシリーズ。
べ、別に失踪してたんじゃないんだからね!?
登場人物紹介
高槻礼奈(24歳)
イベント会社勤務のOL兼ケータイBL小説家。
上司の朝霧蓮が編集者。このシリーズの主人公。
朝霧蓮(27歳)
礼奈と同じくイベント会社勤務のサラリーマン。立ち位置的には礼奈の上司。
イケメンなのだが腐男子。エリートなのだが仕事以外では不器用でヘタレ
高槻朝海(22歳)
礼奈の二歳違いの妹。現役大学生。
浜井来戸(27歳)
朝霧の同僚で高校から一緒に居る。最近まで海外出張をしていた。
イケメンでチャラい。
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~前回のあらすじ~
居酒屋兼食堂『アサガオ』で、BLの戦果を看板娘のるり、と確認しながら酒を飲んでいた礼奈。同時刻頃朝霧も同じ店で接待をしていた。そして、礼奈が酔っ払い朝霧に付きまといなんやかんやで朝霧が礼奈をお持ち帰りすることになったのd((((((朝霧からのグーパンチ
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取り敢えずあらすじの通り酔っぱらった高槻をどうにかしなきゃいけないわけだが、まずは高槻の状況を先に見てみよう。
「れーんーしゃーんーおさけのみたいれすー」
この状態だ。どんだけ飲ませたんだあの子。
呂律も回ってないし足もフラフラ。
取り敢えず看病しなきゃいけないのは分かるけど接待から離れるにはこの店から一刻も早く出なければいけない。
そもそも、何で今日に限って高槻の妹は家に居ないんだ。
そう考えてる隙にも高槻はふらふらどっか行って他の人に絡んで迷惑をかけそうな勢いだ。
しょうがない、俺は高槻が元気になるまで自分の部屋に入らない。これなら大丈夫だろう。
『アサガオ』を出て少し進んだ大通りでタクシーを呼ぶ。
「○○マンションまで」
「分かりました。ご乗車ください」
頼むから。タクシー内で変なことしないでくれよ。高槻。
俺はできるだけ高槻から離れて座る。
そんな俺の心配を察したか高槻は座席にもたれかかって寝たようだ。寝息が聞こえる。
外を見るとネオンが輝いている。実質一人になったような雰囲気に包まれながら家に着くのを待つ。
でも、さっきの高槻は可愛かったな......いや、俺も男だからな? こう思うのは普通な訳でな、って誰に弁解をしているんだろうか俺は。
大きく長めのため息を吐く。
そういえば高槻は何故俺なんかに構うのだろうか、別に俺は孤独になれている。
むしろ、学生時代の環境からしたら孤独の方が幾分も楽だった。
上司としてもいつか見かけた自分が思ったカッコよくて誰にでも尊敬されてでも、周りに人がいないそんなキャラを参考にして過ごした。
自分のミスを他人に見せたくない。自分の弱点を他人に知られたくない。
そんな自己肯定感の低くてただ高くなっただけのプライドを守る考えばっかりの自分だ。
それが悪いとも思わないけれど、そんな自分からしたら誰にでも好かれて優秀で、しかも自分の好きな事で必要とされる。
そんな高槻が俺には
--- 眩しかった ---
まぁ、羨ましいという気持ちはあるけどソレになりたい、という気持ちには不思議とならない。
自分がなれないと分かっているからかもしれないし、高槻がそれでも大変な想いをしているのを傍で見ているからかもしれない。
結局どっちでもいい。そもそも同じことを言う事になるがなろうとも今更思わない。
でも、そんな高槻を傍で見守って笑い合って時に悲しんで悩み合いたいという気持ちを持ってしまうのは駄目だろうか。
この感情に未だ俺は名前を付けることはできないが高槻を特別扱いしていることは間違いないだろうな。
そこまで思考を飛ばして苦笑する。
俺はそんな自分で自分の事を語るほうでは無いんだがな。悩むことはよくあるけど。
どちらにしろもうすぐ俺の家のマンションに着く。
マンションに着いたら高槻の介護をしなければ、早めに自分の荷物と高槻の周りの荷物を纏める。
「着きましたよ」
運転手が後ろを振り向いて俺達に告げる。
「ありがとうございました。会計はクレジットカードで」
おれは財布からクレジットカードを取り出して渡す。
処理をしてもらっている間に高槻を揺さぶる。
だけど、起きる気配はない。これは熟睡しているようだ。
「お連れ様起きないようですね......」
運転手は少し困っている表情と声音で言う。
「すみません。熟睡しているみたいで、このまま連れていきます」
俺はそう言ってから高槻のシートベルトを外す。
「お手伝いしなくても大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
運転手にこれ以上迷惑をかける訳にもいかない。
それに酔った高槻を起こしてこれ以上俺に何かされるのも嫌だという理由もある。
「では、これで」
高槻を慎重に後部座席から引っ張り出しいわゆるお姫様抱っこをする。
鍛えているからこれぐらいは余裕だ。見た目より高槻は軽いし。
取り敢えず途中のエントランスは一回高槻を降ろして俺にもたれ掛けさせて片手で支えて片手で開ける。玄関も同じ方法で開ける。
「ただいま我が家」
誰もいないが、というか誰かいたら怖いが俺は自分の家に帰ってくるとそう呟くのが日課になってしまっている。
自分の部屋の扉を開けベッドに高槻を寝かせる俺は水を取ってこようと部屋を出る。
その時、部屋のぴんぽーんという呼び出しチャイムが鳴った。
来戸か? こんな夜中に迷惑だ。
悪態をつきながらドアを開ける。
その時俺は少しでも誰が来たか確認すべきだと改めて認識したのだった。
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うぐ......頭が痛い。
私、高槻礼奈はいつもと違うベッドの感触に違和感を覚えながらお酒で頭痛がする頭を押さえて起き上がった。
電気が消えているから詳しいことは分からないけど自分の部屋ではない事だけ確かだ。
しかも、隣からは男と女の話し声が聞こえる。
男の声の方に聞き覚えがある......気がする。何しろ酒を飲んだ訳だし寝起きだし。
足元に気をつけながら手探りでドアを見つけて開ける。
もっとクリアに話し声が聞こえるようになって、しかも目の前に見慣れている人の姿を見つけて目を見開く。
「朝霧さん!?」
「高槻、早いお目覚めだな」
こっちの方を振り返ってそう言う。
目の前の大人っぽいまさに朝霧さんと釣り合いそうな女性にはノータッチ。
そっちの方がとても私には気になるんですが!?
いや、何でこんなマンションにいるのかも気になるけど。
「蓮、アンタお見合い散々断り散らかしてたのってその子がいるからなの」
少しヒステリックな音の高い声で朝霧さんに話しかける女性。
お見合い? この人はそのお見合い相手なのだろうか。だとしたらとんでもない誤解だ。
「あ、あのー」
誤解を解こうと女性に話しかけようとするがその声はまた放たれた女性の声に阻まれた。
「なーんだ、そんな事なら言いなさいよ!! もう。こんな良さそうな子がアンタの彼女なら安心だわ~」
......彼女。それ更にとんでもない誤解です。
当の朝霧さんは女性の話をうまく聞いているようで全部中身を流しているようだ。
私はどうすればいいんですか??!
途中の起こして、の字のこがかで大変な誤字になってしまったのは私だけの秘密です。
一応、この垢健全ですからね!????