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2話〜"赤い人"と"カラダ探し"〜
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―黎夜視点―
夜。
俺達は、突如として異世界から現れた「魔狼の宴」のメンバーと会話を楽しんでいた。
胡橙音「皆さんの住んでいる異世界ってどんな所なの?」
賭博師「俺達の?ん〜···そうだな。"フウライタウン"っていう世界なんだけど、複数の地区に分かれてるよ。」
零桜「例えば?」
奏者「私みたいな音楽好きがいっぱいいる"楽奏町"、魔狼の宴の基地がある闇社会の"黒闇区"、海辺の町"サブマリンシティ"とか。色々あるよ!」
異世界···って、なんか面白そう!
様々な世界に、様々な人が住んでるんだなぁ···。
魔狼「私達がこっちに飛んできたって事は、まーたなんか色々やらされそう。」
《《また》》?
どういう事何だろう。
作者「確かに···。でも、何であの人私達を八色星団の世界線に?」
赤斗「それってどういう?」
赤斗が魔宴のみんなに質問した。
詐欺師「あー···。僕達、たまーに"ある人"に色々振り回されるんだよ。」
ダイスさんが質問に答えるが、何だか誤魔化す様な、そんな言い方だ。
···確か彼は詐欺師···何だよね···__嘘吐くの下手じゃ···。__
その時、時計が夜の11時を告げた。
それとほぼ同時に、何も無かった虚空にノイズが奔った。
欠番「···あれ、あのノイズ何?」
ナルさんが呟き、触れようとする。
次の瞬間、ノイズはいきなり巨大化し、大きな漆黒の異空間に形を変えた。
そしてそれは···。
物凄い吸引力で俺達八色星団と魔狼の宴のメンバーを呑み込んだ。
奏者「ちょっと待ってどういう事!?」
火炎竜「これヤバi」
ALL「うわぁぁぁぁ~!?」
---
―奏者視点―
奏者「あだっ!?」
いきなり変な異空間に(また)呑み込まれたと思ったら、ペッと固い地面に吐き出された。
···この世界線に来た時も思ったけど、もう少し優しくしてくれてもいいと思うんだけど。
服に付いた砂を払い落としながら、立ち上がり辺りを見回す。
―私達は、見慣れない学校の正門前にいた。
大きさからして見ると、多分高校···なのかな?
何となく···本当に何となくだけど、嫌な予感がする。
零桜「いったぁ···。あ、あれ···ここは···?」
堕天使「学校か···?」
他の人も、次々と起き始める。
最後の1人が起きた所で、私はみんなに言った。
奏者「みんな。これ、もしかしてだから、一応無線付けといて。ハイ。」
私がみんなに能力で作った無線を渡す。
これが私の能力"|音色《サウンド》"の便利な所。
私は音を操るだけじゃなく、音を"共有"する事も出来る。
だから今回みたいなもしかする場面でも、意外と役に立つんだよね。
···能力の自慢話してる場合じゃ無いけど···()
魔狼「もしかする···とは···???」
クレンが困惑しながら聞いてくる。
彼女だけじゃ無く、他のみんなも理解出来ていない様だ。
奏者「これ、何となく分かる。···真夜中の学校にいきなり集められるって事は···アレしかないよ。」
一同「アレ···?」
まだ理解していないみたい。
私は少しじらして、わざと低い声で言った。
奏者「···みんな、"`カラダ探し`"って知ってる?人間界の都市伝説。」
宴のみんなはまだ理解していないが、八色星団のみんなは、ハッとした顔で私を見つめた。
···流石現役の人間界の民。
蒼羅「それってアレ···。確か、バラバラにされた少女の身体を集めて棺桶に収めるやつですか?」
黄詠璃「そうそう!で、"`赤い人`"っていうのが追いかけてくるんですよね。」
蒼羅君と黄詠璃ちゃんが私の変わりに説明してくれた。
奏者「2人共大正解。`赤い人`に捕まると、それはそれは恐ろしい方法で惨殺されるそうな···。」
2人の説明に付け加えると、周りの空気が一気に凍り付いた···気がした。
魔狼「···最悪。」
クレンが呟く。
だけど、この運命は変えられない。
私達は校舎の中に入った。
その途端。
`ピーンポーンパーンポーン♪`
アナウンスのチャイムが鳴る。
『`赤い人`が、職員室に、現れました。気を付けて下さい。』
···職員室か···。
まぁ距離はあるから今の内に探そう。
奏者「こっから本番だよ!!みんな分かれてカラダ探しして!!」
一同「わ、分かった!!」
私達はそれぞれ走り出す。
地獄のゲームが今、幕を開けた。
走っている途中、私の左目が《《ある映像》》を捉える。
奏者「···ッ!!!」
それは、とても残酷な未来だった。
変える事の出来ない、悪夢だった。
このゲームで、殆どのメンバーが`赤い人`に殺される。
私も―。
でも、ここで諦めたら意味が無い。
今はまだ、この未来の事を内緒にしておこう。
無駄な足掻きだって、分かってる。
私が見た未来は、どうしたって現実になる。
これは絶対に改変出来ない。
それでも、私はやってみせる。
―全ての"呪い"に打ち勝つ為に。
ピーンポーンパーンポーン♪
次回ノ犠牲者ハ✗✗デス。
変エル事ノ出来ナイ未来ニ向カッテ
無駄ナ足掻キデモシテイテ下サイ♪