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【淡本中学校:コンテスト用番外編】ビビってんのか、おい。
前このコンテスト参加してましたが
シリーズものは2話までっていうの見逃してて...がっつり2話超えてて...
参加取り消ししてしまい申し訳なかったです!すみません本当に!
ということで今更ながらコンテスト用に書いた番外編で行くことにしました。
再度参加させて頂きます!すみません!
これ単体でも読めるように書いているので、ご安心ください!
私の名前は、旧量産型タイプA。
はるか昔に量産されていた、医療用ロボットだ。
工場の老朽化から量産が出来なくなり、
私ももう終わりかと思っていたが...
そんなときに、ある学校の校長から声がかかった。
それから、この”淡本町私立淡本中学校”で
養護教諭として働くようになった...というわけだ。
一癖も二癖もあるこの学校だが、何年も働いていれば流石に慣れる...
......はずだったのだが...
「教師格付けチェックしよう!!!!」
「...はぁ?」
校長が急に職員室の扉を蹴破って来たと思いきや、
意味不明なことを言い始めた...
まったくこの校長は、いつもこんな調子だ。
うちの学校の校長は、胡散臭い糸目と、束ねた長い長髪が特徴の男性。
聞いて驚くだろうが...なんと彼は、まだ23歳だ。
うちの教師の中でも最年少。
そんな人間がトップに立っているから、
この学校は異常なんだろうか...と思っている。
そして、教師格付けチェックとは一体なんなのだろう?
例の番組に似た名前だが、正直やりたくはない。
ただでさえ忙しいこのときに...
だがそんなバカみたいなことに、ひとり食いついた教師がいた。
「なんですかそれは?」
彼女は北先生。理科と数学の教師を兼任している、すごい人。
だが、今の発言は頭が悪いと言わざるを得ない。
こういうときは、全員で無視してそれとなく流すのが得策だというのに!
予想通り校長は、嬉々としてその内容を話し始めた。
こうなると彼はもう止まらない。
「そろそろ教師内でも上下関係が必要だと思うんだよね。
ほら、チミらいつも西先生の尻に敷かれてるじゃん?
そろそろ苛ついたりしない?」
「まあそりゃ、苛つきますけど」
「(黙って私に従えばいいものを)」
そう言われ憤慨しているのは、西先生。国語教師だ。
声があまり通らず、滑舌も悪いのを気にしているようで、
普段は筆談で意思疎通を図る男性教師。
確かに、西先生の尻に敷かれる今の現状は耐え難い。
ここらで自分の立場を分からせておいた方が、本人のためでもあるだろう。
「やりましょうそれ」
「はい、私もやりたいです」
「(そうなるなら私もやりますが)」
「おっノリいいね!で、南先生は?」
「ひゃいぃ!?!?」
急に声をかけられて驚いたのか、南先生の肩が大きく跳ねる。
彼女は社会教師。だが...一言で言うなら社会性がない。
情緒不安定だが...稀に安定しているときは、
この学校でも健常者寄りの人間である。
「やっ!やりますぅ!」
「よぉし!じゃあルール説明ね。
3回戦って、総合で一番勝ってた人の勝ち。
一番勝ってる人が複数人いたら、次はその人達だけで最終決戦になるよ」
「戦うって、やはり素手で殴り合いですか?得物ありですか?」
「無駄な血は流さないよ、ラウンドごとに変わるんだけど...
まずは叩いて被ってじゃんけんぽんで!」
そうして、教師格付けチェックが始まった...
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叩いて被ってじゃんけんぽんは、勝ち上がり形式のトーナメントらしい。
ということは、ここで勝利数を稼いでおけば後々楽になる。
まず、最初の対戦相手は北先生。
「あなたには負けません。ピコピコハンマーで頭蓋を叩き割りますよ」
「この勝負はパワーではありませんよ。私との頭脳戦に勝てますか?」
お互いヘルメットとピコピコハンマーを支給され、
準備は整った...だが、頭にひとつの考えがよぎる。
そしてそれは、北先生も同じだったらしい。
「(あれ?女性をハンマーで叩くとか無理では?)」
「(あれ?A先生に本気で叩かれたら冗談抜きで死ぬのでは?)」
「じゃあ始めるよー、じゃんけん...」
まずい、これはどうすべきか...
もう後戻りはできない。でも北先生を叩きたくない。
相手が西先生ならば、思い切り戦えたのに...
「ぽん!」
私はじゃんけんをすることも忘れて、ヘルメットを被った。
その瞬間、北先生もヘルメットを被った。
結果、叩いて被ってじゃんけんぽんに残された要素は
”被って”のみになってしまった...
「ちょっとそこ!なんでじゃんけんする前から被ってんのー」
「間違えました...」
「同じく」
「次は頼むよ?」
そういえば、西先生と南先生はどっちが勝ったのだろう...
ふと目をやってみると、頭に大きなたんこぶができた西先生の姿が。
ピコピコハンマーであそこまでにするとは...さすが南先生だ。
さて、これで私か北先生、どちらか勝ったほうが
南先生と戦うことになる。だが...
「(勝たねば...北先生が殺される)」
「(負けねば...私は殺されてしまう)」
だが、勝つためには北先生を叩かなければならない。
でも女性を叩くのは避けたいし、万が一手加減をミスれば
どっちみち北先生は死んでしまう。
どうすれば...そう思った私に、ひとつ案が浮かんだ。
「校長、これハンマーはやめませんか?
ピコピコとはいえ...痛いというのは、西先生が証明していますよ」
「確かにそうだね、でも代わりになるものとか無くない?」
「冷蔵庫に豆腐がありませんでしたか?」
豆腐だったら痛くないはずだ。
崩れて髪についたりはしてしまうが...
北先生はそういうところ、意外と無頓着だから
大丈夫なはずだ。目配せすると、北先生が口を開いた。
「あの...豆腐の角にあたって死ぬ話があった気がするんですけど」
「なにそれこわーい...」
「じゃ、じゃあ豆腐はやめておきますか...」
なんて面倒くさい。
こんにゃく...は、冷蔵庫に無いか。
ネクタイは無駄にしなってムチみたいで痛そうだ。
どうにも思いつかず困っていると、南先生が口を開いた。
「えっとぉ、頭ではなく机を叩くのは...」
「そうか...!ありがとうございます!」
そうして、頭ではなく机を叩く
”叩いてじゃんけんぽん”が始まった。
負けた側は、勝った側が机の中心を叩くより先に、
机の角を叩かなければならない。間に合わなければ敗北だ。
なので、事前に打ち合わせをしておいた。
北先生は、今回負けないと死ぬ。
なのでじゃんけんには負けてもらい、机の角は叩かない。
そこで私が机の中心を叩けば、北先生は負けることができる。
完璧な布陣で、私たちは戦いに挑んだ。
「じゃあ今度こそ!じゃんけん...ぽん!」
「うおおおおおおおお!!!」
「うわあああああああ!!!」
結果は...予定通り、北先生の負けだ。
助かった...生徒はともかく、教師から死人が出るのは避けたかったからだ。
「ありがとうございました、A先生」
「いえ、死ななくて良かったですね」
そして詳細は省くが、次も南先生に勝って私が2勝。
ロボットである私が人間に勝つ、これは自然の摂理だ。
だが他の教師からは”手加減しろ”とのブーイングが飛んだ...
特に西先生。まああの人は、ただ私に難癖をつけたいだけなのだ。
負け惜しみだと受け取っておこう。
だがなぜ私と戦っていない彼が、私に負け惜しみをするのか...
---
次は一回校庭に出て、借り物競争だ。
この淡本町に存在する様々なものが書かれた紙が、
あの箱の中に入っているらしい。
だがそれは、場合によっては学校の敷地外に出る必要があるということ。
基本的に誰も敷地外には出たがらないし、
全員が敷地内にあるものを引けますように...と念じた。
「じゃあ、よーい...ドン!」
校長の合図で、全員が走り出した。
そして、人数分用意されている箱の中に手を突っ込み、紙を引く。
さて、何が書かれているか...
...北西先生!?
北西先生は、本校の英語教師。
現在は無断欠勤中だが、淡本町から出ることはできないため、
この町のどこかにいることは確定。
だが、どこにいるのか検討もつかない。
とりあえず、敷地外に出なければいけないのは確定だが。
まさか、人名まで書かれているとは...
走りながら考えなければ間に合わないだろう。
職員用の裏口に走り出すと、同時に西先生も走り出した。
「西先生も外ですか」
「(はい、北東先生を探さないといけないので)」
「奇遇ですね、わたしは北西先生です」
北東先生も、本校の体育教師だ。
同じく現在は無断欠勤中。
しかし校長が裏から手を回しているのか、それを疑うほどの偶然。
こんなにぽんぽん人名が出てたまるか。
だが北東先生は、ほぼ確実にジムにいるとわかっているから羨ましい。
北西先生は...いやあのひと本当にどこだ。
まずはコンビニから探すか...考えながら、裏口を出る。
他の教師は、全員敷地内らしい。
最初にゴールできた人が勝ちのルールのため、
私たち敷地外組は、正直言ってかなり不利だ。
私は早速、コンビニに入って北西先生を探す。
いない...いない。どこにもいない。まったくいない。
コンビニからすぐに出て、次は...
淡本町唯一の娯楽施設、カラオケに行ってみよう。
そう思い、また走り出した。
足の速さには、かなりの自信がある。
北西先生さえ見つかれば、巻き返せる可能性は十分ある...
カラオケに着いたが、入って探すのは煩わしい。
入口で声を張り上げ、彼の名前を呼ぶ。
「北西先生!!!!!!いませんかーーー!!!!」
...返事はない。ここにもいないのか?
なら、どこにいるのか...
そうか、鹿がたくさんいる場所だ。
彼は鹿が大大大好きで、校舎の裏手の森で飼育している...
確かに敷地外に出ていることも多いが、森にいることもある。
敷地外にいるというのは、とんだ先入観だったのだ。
それに気がついた私は、急いで淡本中の敷地内に戻った。
そして、森の前で声を張り上げる。
「北西先生!!!!!!いませんかーーー!!!!」
「んもう、何かご用デスカ?」
「北西先生!やっと見つけましたよ!
事情は後で話すので、私についてきてください!」
「えー?めんどくSayですネー」
「私の尊厳がかかってるんですよ」
まあそれなら...と、北西先生は渋々着いてきた。
だが私は、そんな北西先生をひょいと持ち上げた。
「なっなんデスカ!?」
「急がなくてはいけないので」
そのまま北西先生を抱きかかえて、ゴールまで急ぐ。
すると、すでにゴール前に北先生がいる。
これはまずい、先にゴールされてしまう!
そう思い走ると、北先生もこちらへ走ってきた。
一体どうしたのだろう、そう考えていると、メガネをひょいと取られた。
それに私が気を取られているうちに、北先生がゴールイン。
しまった...構わず走っていれば、間に合ったかもしれないのに。
北西先生は、もうお役御免と言わんばかりに森に帰っていった。原住民だ。
「で、北先生のお題はなんだったんですか?」
「伊達メガネです。西先生から盗ろうとしたら、彼のは度入りだったのを
思い出しまして。あたふたしてたらA先生がどこかへ行ってしまったので...
ここで待ち伏せしてたんです」
「なるほど、そういうことでしたか」
これで私が2勝、北先生が1勝。
最終戦が勝利数を荒稼ぎできるものではない限り、
私の勝利は堅い。
万が一北先生が2勝目を勝ち取ったとしても、
サドンデスに持ち込むことができる。
そうして、最終戦が始まった...
---
最終戦は鬼ごっこ。
だが、ルールがかなり改変されている。
まず最初の鬼は、じゃんけんで負けた人に決まる。
それから鬼が他の人を捕まえると、次はその捕まえられた人が鬼になる。
元々鬼だった人は、次は逃げる側になる。
そして鬼は、捕まえた人の勝利数を1個奪うことができる。
西先生のように、まだ勝利していない人を捕まえた場合も
1勝得ることができるのは同様だ。
そして、最初の鬼を決めるじゃんけんが始まった。
「「「「じゃんけん...ぽん!」」」」
「あ...わたしが鬼ですねぇ...」
最初の鬼は南先生。
鬼が5秒数える間に、私たちは散り散りになった。
「2...1...0!いきますよ!」
私はこのまま逃げ切れば勝利だ。
それを察したのか、南先生は私の方へ走ってきた。
ここで捕まえられたら、最悪北先生と私と南先生のサドンデス...
流石に3人は多すぎる。なので、ここはなんとしてでも逃げ切らなくては。
あそこに丁度良く北先生もいるし、北先生に擦り付けよう。
北先生の周囲をぐるりと旋回し、南先生の注意を
北先生に逸らそうとするも...あまり効果はない。
もう私しか見えていないようで、周りに興味を示さず私だけを狙ってくる。
だが...先を見据えるのであれば、ここで彼女に捕まるのも手だ。
私の脳内には、ひとつの作戦が浮かんでいた。
そのために、わざと速度を落とし南先生に捕まる。
これで私は1勝、南先生は2勝。
5秒数えてから、次は私が捕まえる側に回る。
「3...2...1...0。よし、決着をつけにいきましょう」
私はそう言ってから、全速力で走った。
狙いは西先生だ。
私の作戦は、まず南先生に捕まり自分が鬼になる。
そして次に、西先生を捕まえるという簡単なもの。
西先生は体力がない。なので、この時点で彼が誰も捕まえられないのは確定。
そうすると勝利数が共に2である、私と南先生のサドンデスになる。
人間相手には絶対に負けない。
これで私の勝利は確実だというわけだ。
これで西先生にデカい顔をされない...
彼に今までの行いについて土下座をさせる瞬間が楽しみだ。
西先生の背中を捉え、腕を伸ばす。
もどかしい距離感の中で、なんとか背中を叩いた。
これで西先生が鬼だ。
同時に、私の勝ちはほぼ確実。この勝負はもらった。
それを悟ったか悟っていないか、西先生がカウントを始める。
「2...1...0。いきますよ」
そうして西先生は必死に他の人を捕まえようとするも、
そのまま捕まえられずあえなく撃沈。
可哀想な人だ...これで西先生がビリは確定。
これからは全員の尻に敷かれるということだ。震えて眠れ。
問題はサドンデスの競技...
私に有利なものだといいが。
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サドンデスの競技はあっち向いてホイ。
特に話すことはない、従来のあっち向いてホイと同様だ。
「「最初はグー、じゃんけんぽん」」
「あっち向いてホイ」
「あっあっ...」
爆速で決着が決まった。
負けたのは南先生。彼女は運が悪いのだ。
予測できた結末ではある。
---
「てことで、これから教師のカーストは...
校長である僕が最高、次点でA先生、次点で北先生と南先生が同列、
そして西先生がびりっけつだから、あだ名は使いっ走りかな」
「(ちょっと待って下さい、異議があります)」
「なに?」
また西先生の負け惜しみだろうか。
どちらにせよ、結果は何も変わらないのに...
「(人間とロボットが戦うのは、あまりに人間に不利かと。
なので今回の戦いは無かったことに)」
「わっ、わたしもそう思いますぅ!!!」
「そうですね、消化不良な感じしますもんね」
「えっ...?」
「じゃあ、無かったことにしようか」
「えっ...??」
そうして、苦労して勝ち取った勝利は
あえなく無かったことにされてしまった。
--END?--