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異変解決! 〜異次元消息異変〜 漆
「はぁ…本当、どこにいるのかなぁ」
森育ちのカンは、森についてはよく当たる。危険森にいないと睨んだが、的中した。ぶらぶらと人里を歩いてみるけど、絶対こんなとこにはいない。
「そこのお嬢様」
「はい?」
新手のナンパか…と思って、ふりかえる。
「こんにちは」
教徒の服を着た人だ。わ、逃げなきゃ、と思う。
「はい…ちょっと急用があって…すみません、では!」
「逃げないでくださいね?」
金縛りにあったように身体が動けない。だんだんと、ゆっくりと、彼女のもとへ行ってしまう。
「わたしの能力は人を誘う程度の能力ですから。まあ、ちょっと聞いて下さい。わたしはプロジョン・レリジオ」
「ひっ!?」
逃げなきゃ、という本能が叫ぶ。
「草符『桜吹雪』!!」
桜吹雪を舞わせて、彼女を怯ませる。レリジオ、だったっけ___
「洗脳『操り人形』」
「きゃあ?!」
「プロレット様!」
怪しげな紫っぽい色を放つ網が、わたしを襲う。桜吹雪、多分効かない…
「草符『リーフストリート』!!」
「依符『ディペンダンス・アロー』」
「っ!?」
濃いピンクと紫の間の色の弓が、プロレットを直撃する。
「キャハハハ!可愛い!新しい依存道が見つかったわ❤じゃあ、あの娘も捕まえちゃおっと❤」
「ひぃ…!?」
救ってくれた彼女は、確かリーシュさんだったっけ。怖い。
プロレットは行動不能状態だった。なんか気絶しているみたいだけど…。精神攻撃と物理攻撃どっちもあるのかな。
「依符『ディペンダンス・アロー』」
「きゃ!?…プロレット様と同じ道を…それだけで幸せです…」
ふふふ、きゃはは、とリーシュさんは笑った。怖…
「わぁい、今日は2人も❤嬉しいなっ❤依存することに依存しちゃったぁ❤」
とにかく、逃げなきゃ…色んな意味で怖すぎる!逃げて逃げて逃げなきゃ!!