Secret Promise.

「Hey,Yuto?」 「、、、キャメロン？」 「さっきから来てたんだね、キャメロン。わざわざありがとう。」 「問題ない。ダイジョブ！それよりも、」 「We losted important man for us.」 「え、？ごめんキャメロン、Google翻訳、、、　OK、ワンモア？」 「We losted important man for us.(僕たちは、大切な人を失ったんだね。)」 「ああ、、、そうだな。」 2人して、無言で炉の方を眺めてみる。 俺の目は真っ赤だし、キャメロンの目も赤い。 他のメンバーや先輩方は、大部屋でみんなしてお弁当を食べているらしい。 俺はなんだか食べ物が喉を通らなくて、こうして1人で廊下のソファに座っていたわけだ。 「そういえばキャメロン、弁当食わないの？」 「もう食べた！それに、知らない人、多い」 「あー、そっか知らない先輩方もいるか。」 「Yes! わからないの」 「そうか。まー、火葬場ってなかなかはしゃげないしな。」 また、2人揃って炉の方を眺める。 「なあ、キャメロン。」 「ん？どした？」 「俺、ちゃんと喋れてた？家族葬の時。」 「かぞくそー？」 「そう、さっきの。ジャニーさんとお別れしたでしょ？俺喋ってたじゃん。」 「うちわのとき？」 「そう、その時。俺、どうだった？」 小さなキャメロンにも縋ってしまうぐらい、今の俺は弱りきっていた。 ずっとジャニーさんにお世話になってきた。可愛がられて、たくさんのことを経験させてもらって。 舞台にもたくさん立たせてもらえた。大事なグループも貰った。大切な仲間と出会わせてくれた。HiHi Jetsを5人でいさせてくれた。 ジャニーさんという大事な大事な守り神を失った俺は、自分で自分を守らなきゃいけない。 今までずっと、自分の実力より上のことをやらせてもらってたなんてことはもう分かってる。もうすぐ20歳。そんなことがわからないほど俺は世間知らずじゃない。 ダンスも出来ない。ローラーも履けない。まともに歌えない。そんな俺がHiHiの一員になれたのも、全部全部ジャニーさんのおかげで。 そう、ジャニーさんがいなければ、俺は空っぽの野球しかない人間。その喪失感が、俺を弱らせていた。 「ゆーと、かっこよかった！」 「、、、え？」 「みんなの前で、頑張って喋ってて、かっこいい！」 にこにこと微笑む顔は、いつか笑いかけてくれたあの人の顔に似ている。 俺は泣いた。子どものように声を上げて泣いた。胸の温かみを感じながら泣いた。 「なあキャメロン、頑張ろうな。きっと天国で、ジャニーさんが見てるから。」 「Yeah! もちろん！」 「じゃあ俺とキャメロンの約束な。ジャニーさんに、かっこいい姿見せよう。」 「約束？promise?」 「そ。はい、小指出して。」 ｢｢ゆーびきーりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった！｣｣ 「僕、頑張る！」 「俺も。あ、キャメロン。」 「どした？」 「この約束、秘密な。Secret Promise。だぞ。」 「Sure!」 「よし、じゃあ弁当食いに戻るか！」 「ゆーと、ちょっとちょうだい？」 「いいよいいよ、なんでもあげちゃう〜」 「やったー！」 俺は弱い。けど、弱いってことは、強くなれるってことだ。 進む。滾る。爆進する。約束のために。仲間のために。そして、あの人のために。 繋いだ手は、静かに燃え盛る炎で、熱くほてっていた。