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#6 3日目の夕方
葵が、人狼だと自ら明かした。
狂人かとも思ったけど、あまりにも露骨すぎる。かといって、普通の市民がそんなことするわけない。
🍀「は…?」
🐱「そしたら、葵に投票するよ?…葵、本当にいいのっ?」
💙「いいよ。好きにして構わない。人の心理までは変えられないから」
そう言って、冷たい目で言った。
💙「これは、わたしがみんなの命を最優先にすることを考えて、出した結論。もうひとりの人狼は由紀子だよ」
🧵「由紀子…?」
有り得ない。
人狼とCOする理由がない。
💙「確かに、人狼陣営は負ける。でも、《《人狼陣営が負けること》》と《《市民陣営が勝つこと》》は必ずしもイコールじゃない」
🌸「なんで?」
💙「第三陣営がいるから」
第三陣営…
正体も、どんな能力があるかも明かされていない謎に包まれた役職。
🐱「…葵の意見、賛成」
👻「萌っ?」
🐱「だって…狂人だから。人狼にのらないと、どのみち勝てないし…」
💙「ありがとう、萌」
そう言って、葵はわたしを睨んだ。次に騙せそうなのはわたしだ、と言うふうに。
💙「ゲームマスターだけが、この人狼ゲームの中にいない」
🧵「はっ?パソコンがゲームマスターなんじゃないの?」
💙「…高音、《《あなたが一番知っている》》はずでしょ?」
そう言って、葵の視線は高音を射止めた。
🍀「…どういうこと、まさか高音が…」
🧵「違う。本当に違うから!ずっと一緒にいたでしょ、葵!?」
💙「それも戦略のうち、といったらいいかな。だって、命がかかっている…いや」
🌸「どういうこと?命がかかってるって言い出したの、葵でしょっ?」
💙「だって、わたしは人狼なんだもの。命を引き合いに出したほうが、信頼されると思って」
あまりに手段を選ばない葵に、ぞっとする。
👻「なんでゲームマスターって確証が…」
💙「バレバレだよ。まあ、わたししか高音と交流していないから、推理するのも無理はないけど」
🐱「な、なんで高音を選んだの?」
💙「それは単なる勘。なんとなく、のほうが伝わる?」
🧵「…なんで、勘に負けなきゃなのよっ…」
そう言って、高音は葵に掴みかかった。
👻「やめろ!!」
真綾が高音を押し返す。
🍀「暴力反対や。うちは高音に一票いれる」
そう言って、よつばは声を大きくした。
🍀「誰に入れるか、投票して。せーのっ!」
満場一致で、高音を指さした。ただひとり、高音は葵に入れていた。
🍀「糸崎高音、退場やっ」
そう言って、萌も声を荒げる。
🐱「さあ、襲撃して追放した人らを返してもらおうか!」
🧵「…また、大崎中学校で」
そう言って、わたしたちは睡魔にかられ___