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    死と生と奇麗な血 00
    
    
        またmた
    
    
    紙を切っているみたいな音。
部屋に響き渡った皮膚を切り裂く音。
気持ちが良い音。
本当は、違う。
気持ちが良くなんてない。
最初は、試してみたかっただけ。ただの好奇心。
怖くてたまらなかったけど、痛そうだったけど、やってしまった。
「ぃった……」
痛くて痛くてたまらなかった。涙が出てきた。畳を濡らした。
でも、何故か止められなくて、赤黒く染まったカッターはまた、私の腕へと向かっていった。
拭いても拭いても色の取れなかったカッターは遂に錆びてきてしまった。
でも、それでも、錆びたカッターは止まらない。
私の腕を切ってゆく。
深く切れば切るほど赤黒い血は畳に垂れ、染みる。
立ち上がると、今、垂れた血が一層広がっていくように見えた。
それがたまらなかった。
立った後、貧血のせいであろう目まいは私を狂わせた。
最高の気分にさせた。