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焔凍不鉄-5
「『そ言たる焔乃神と凍乃神の払い棒持ちたるは、颯と立ち去る。』…はい、この次の一文をー…14日だから、瀬野。読んで。」
「あっ…と…の……『の時、「次外来来るは、いつごろか。」人1人、去る者に聞きけり。』…………」
発表に苦手意識のある瀬野は困憊した様子で机に突っ伏した。
「じゃ次の文を隣の遠藤。」
そんなことも気にせず、授業は淡々と進んでいく。
「『焔乃神しばらく黙りたりに、ようやく口開く。「……我等帰りし時。』」
風でめくれるページの音に瀬野は顔を上げる。
窓側真ん中の席で、風が良く当たるのだ。
窓の外には目が痛くなるほどの青色と、入道雲の亡骸が浮かんでいる。
まだ生暖かい、でもどこか冷たい風が心地よい。
「ってことで、ここテストに出ます」
(あっやべ聞いてなかった……!)
意識を授業に戻した。
「菓子谷先輩助けてくださーい!!!」
「うおおおおおどうした!?!?」
神社への行き道、もはや家路のような安心感。
「菓子谷先輩頭いいっすよね、ノート写させてください!!」
「……っは?お前それ…さ……クラスの奴、に頼めば良くね?」
「俺の友達全員俺より頭悪いんですよ!!だからお願いします!!」
「ごめんだけど、俺中学のノートは捨てちゃって」
「あっ…」
瀬野は諦めたように空を見上げた。
「……空綺麗っすね!!」
「そーだね」
神社の石段は相変わらず掃除されていて、枯れ葉も落ちていない。
「先輩、どっちが先に上がれるか競争しましょうよ」
「よーいドン」
「あっ…フライングー!!」
『おかえりー!』
神主兄弟はいつも通り、明るく出迎えた。
「あれ奏架、今日は彼女と一緒じゃないんだね」
「兄貴…だからさトランペットを彼女って言ってる事に違和感持てよ…。」
菓子谷は苦笑した。
「しょうがないよ、こいつ彼女いない歴=年齢だもん。」
「………そうだけどさぁ」
瀬野は悔しそうに唇を噛んだ。
騒がしいな、何より改めてそう思った。
でも騒がしくない方が珍しい、というのが日常だ。
「なあ、お前らさ」
菓子谷が切り出した。
「神話とかって信じる?」
「…え、先輩もしかして俺のノート」「違えよ」
残念そうな瀬野を置いて、菓子谷は聞いた。
「兄貴、ひょう、お前らは?」
神主兄弟は少し考えて、兄が言った。
「俺達はこの神主っつう役割上、信じなかったらやばいだろ」
「…たしかにな。」
やはり自分の考えすぎだろうか…?
いや、でも____。
肯定と反論、恐ろしい速度で回転してしまう頭は結論を出さないままだった。
【悲報】国語3の俺氏、伏線のぽの字もない
先に真実全部語っちゃうタイプだわ小説向いてない(???)