公開中
紅龍神
ハイリスクレッド
ショート・ショートストーリー✍ 20
紅龍神・AGITΩ〈改〉
☆
この世には、偶然と言う言葉がある。
だが、偶然と言う現象はないと云われる。
必然の偶然であり、必然は導かれた定め、運命であると。
☆
梨々梨 (りりな)、25歳、身長160センチ、体重45キロ。
自然の艶やかな緑の黒髪に、潤いを湛えた漆黒の瞳をしている。
天孫降臨の地、高千穂の国に生まれた。
天照大御神が神術を用い日出デル國を造りだした。
女皇、卑弥呼が神術を駆使し日出デル國を統制した。
その神術を操る力を宿す、紫水晶の首飾りを受け継ぐ女性である。
時代の流れ、移り変わりの導きで現は吉備の国で暮らしている。
☆
龍季 (りゅうき)、29歳、身長180センチ、体重90キロ。
身体能力に秀で筋骨隆々の身体はまるでに鎧を纏った様ないでたちで、銀髪を無造作に伸ばしている。
龍を神と祀る地、諏訪の国に生まれた。
遥かなる祖の代から諏訪大社の神官として龍神に仕えてきた血を引いてる男性である。
時代の流れ、移り変わりの導きで現は吉備の国に暮らしている。
☆
梨々梨は、女性としての節目であると感じたこの歳に一人旅に出た。
龍季は、男として機すると感じたこの歳に一人旅に出た。
☆
神の集う地、出雲の国。
梨々梨は、出雲大社(いづもおおやしろ)の第一の大鳥居の前に立っていた。
龍季は、出雲大社(いづもおおやしろ)の第一の前に立っていた。
第一の大鳥居に面して姿勢を正し、一礼をし神地内へと足を進める、梨々梨。
第一の大鳥居に面して銀髪を押さえ込む様に被っていたキャップをとりボディバッグに引っ掛け、姿勢を正し、一礼をし神地内へと足を進める、龍季。
参道の右側を歩き進め、右手に在る、祓いの社で柏手を打ち、手を合わせ、頭を垂れ、梨々梨は先へと進む。
参道の右側を歩き進め、右手に在る、祓いの社で柏手を打ち、手を合わせ、頭を垂れ、龍季は先へと進んだ。
大きく緩やかな下り坂の参道の右側を進み続けると正面に境内への門が見えてくる。
正門前で浄めの手洗いをし、正門前で姿勢を正し、一礼をし境内へと入る。
境内へと入った正面に大注連縄が目に入ってくる。
大注連縄の手前で一礼をし、賽銭を納め、頭を垂れ、手を合わせ、四拍手の柏手を打ち、二礼をし左斜めへ後退り大注連縄の手前まで戻る。
正面への参拝を済ませた梨々梨は大社の左側へと足を進める。
正面への参拝を済ませると龍季は大社の左側へと向かった。
大社の左側に小さな賽銭を納める箱が立てられている。
実は、この小さな賽銭を納める箱の有る場所が出雲大社御神体の御顔の正面となるである。
梨々梨は、小さな箱に賽銭を納め、先程と同じ所作で参拝を済ませ、さらに左へ周ってゆく。
龍季は、小さな箱に賽銭を納め参拝を済ませ、左周りへと足を進めた。
大社正面に戻った梨々梨は正面の門出て振り返り、一礼をし正面を背に右側歩き出した。
大社正面に戻り正面の門出て振り返り一礼をし、龍季は正面を背に右側を歩き出す。
大きく緩やかな登り坂の参道の戻り、第一の大鳥居を抜け、振り返り、一礼をする。
参拝を終えた梨々梨が、ふぅ、と大きく息を吐いた。
参拝を終えた龍季は大きく背伸びをし、はぁ、と大きく吐いた。
ボディバッグからキャップを外し銀髪を押さえ込む様に頭に被せた。
目の前を横切る道路を渡り、お土産通りへと足を向けた。
お土産通りに立ち並ぶ蕎麦屋に目が止まった。
名物、出雲蕎麦を頂かなければと蕎麦屋の前で店内を覗いてみる、梨々梨。
名物の出雲蕎麦を喰っわなきゃと空腹の腹を撫でながら蕎麦屋の前に龍季は立った。
店内は満席であった。
梨々梨は左腕のリストウォッチを見た。
正午ジャストである。
他に並んで待つ人もいない様なので空席を待つことにした。
「ねぇ、空いてないの席」
梨々梨の頭の上から声が聞こえてきた。
聞き覚えもないその声に無意識に反応してしまい梨々梨が振り返った。
そこには、10月も終わろうとする季節には違和感のある紫色の半袖ポロシャツにインディゴブルーのジーンズ姿の男性がいた。
梨々梨はその男性を睨みつけた。
男性と梨々梨の視線がぶつかり合う。
その瞬間、梨々梨の胸の奥が、ドクンッと跳ね、紫水晶の首飾りが光りを放ち始めた。
思わず、『あなたは』と音にならない言葉を呟いた。
龍季は誰ともなく出した声に目の前の女性が反応し振り返り、ぶつけてきた視線を受け止めた。
潤いを湛えた黒い瞳に、首元で光りを放つ紫水晶の首飾りに、龍季の銀髪の後ろ髪が、ビビッと逆立った。
思わず、『きみは』と音にならない言葉を呟いた。
ぶつかり合った視線が絡み合う。
刹那、偶然ではない必然の運命が動き出す。
梨々梨と龍季が見つめ合っている間に店内のカップルが立ち上がりレジへと向かった。
店員が満面の笑顔で声をかけてくる。
お二人様、どうぞ。
その声に從って店内に入り、梨々梨と龍季は向き合って座った。
名物、出雲蕎麦を堪能した梨々梨と龍季は、一畑電鉄に乗り込み因幡の国へと向かった。
☆
梨々梨と龍季が互いの、一人旅を終え吉備の国へ帰りついての、3日後であった。
吉備の国に、神の庭と呼ばれる山間がある。
そこは、古代最強の英雄、MOMOTAROが鬼を退治し封印し結界を張った場所である。
鬼(おに)とは、本来は怨霊人(おんりょうにん)の事で、伝言が移り単名へと変わったのである。
此の世に怨みを残した元々は人間の霊である。
鬼を封印した穴があり、その穴を神通力を宿す、西日本最大の滝が見守っている。
滝とは、鯉が厳しく、清廉な修行を行ない、龍へと昇しんする神聖厳粛な場である。
時代の移り変わり、流れによりその場所は観光地と成り下げられ無下に扱われている。
その神聖な場が汚され、鬼の穴の封印が破られたのである。
滝壺を汚水で汚し、鬼の穴の注連縄は焼き払われ、穴の中で火を炊き、塵で聖を犯したである。
犯人は、人間であった。
平成の時代に生まれた、無知に無智を重ねて我が物顔で無恥に生きている愚かなる人間達である。
その事を知った、梨々梨は危機感を募らせ、神の庭へ向かうべく、龍季へ連絡を入れた。
早朝、アパートの前で立っている龍季に向かってメタリックREDのSUVが駆けて来る。
相変わらず半袖の赤いポロシャツにブルージーンズ姿の龍季の目の前に停車する。
助手席側のドアを開け乗り込む。
スリムフィットのブラックパンツに紫色のパーカー姿でステアリングを握る梨々梨がSUVを発進させる。
さすがに観光地として有名になっている為、何も知らない観光客達がいる。
神の庭の鬼の穴の前で梨々梨が気を高め神術で探り始める。
龍季は周囲の探索を始める。
鬼の穴の入り口に新しい注連縄が張られている。
しかし、完全な封印には程遠く及んではいない。
周囲には邪気が漂っている。
龍季の銀髪が逆立つ。
メリッ、と亀裂音がする。
梨々梨の潤いを湛えた黒い瞳が揺れ始める。
メリッ、ガリッ、と亀裂音がさらに増す。
梨々梨の首元で紫水晶の首飾りが揺れ始める。
ガゴッ、ガゴッン、鬼の穴の入り口が崩れ始め、穴が広がっていく。
「ヤバイぞ」
龍季が大声を梨々梨に向け出す。
岩と岩が裂け、岩石が崩れ、飛び、粉塵を上げる。
粉塵に紛れ、ゆらりと大きな影が揺れる。
梨々梨は、その場を飛び退き、龍季の元へ駆け寄って来る。
揺れた影が動き出す。
ズンッと地響きがする。
ズンッ、ズンッ、とさらに地響きがすると影が姿を現した。
青白い巨体に、額に2本の厳めしい角がある頭部している。
腕、脚は丸太のように太く、手、足はごつくてデカイ。
セイキ、俗に言う青鬼である。
粉塵が止むと、青鬼は、カァーと息を大きく吸い込むと怨を込めた息を大きく吐き出した。
吐き出した怨が辺りを漂い始める。
青空が一転にわかにかき曇る。
陽が遮られ色が失われ灰色に辺りを染める。
観光客達が狼狽えざわめき始める。
紫水晶の首飾りの光がギラギラと煌めく。
「龍季、アタシを背中から包み込んで抱きしめて」
おぅ。と返事をして梨々梨を背中から抱き締める。
梨々梨が自分の胸の前で両腕を交差する。
それに重ねる様に、龍季が両腕を交差する。
二人は、拳を凛と握り締める。
梨々梨が顎を引き、瞳を閉じ俯く。
神術の気をさらに高め祈りを捧げる。
天の一画が紅の光に輝き灰色が割れる
雷鳴が轟き始める
紅く煌めく稲妻が天を駆けめぐり、疾風が吹き荒れる。
『風よ、光よ、力を与え賜え、願いを叶え賜え』
神術の気が満ちてくる。
気の満ちが溢れだす。
一呼吸置くと、顔を上げ声を出す。
「目覚めよ、その魂!」
梨々梨が、龍季が、天を仰ぎ、交差していた両腕を左右に開き同時に両拳を開手する。
天を駆けめぐっていた紅い稲妻が疾風迅雷、一点を目掛けて集まる。
その一点に稲妻が落雷となる。
落雷が、梨々梨と龍季の身体を撃ちつける。
紅い火柱が立ち昇る。
立ち昇った紅い火柱がう練り火焔の龍巻きとなる。
刹那、梨々梨が雄叫びを上げた。
「紅龍神、降臨!」
火焔の龍巻きの中から姿が現れた。
紅い筋肉が盛り上がり黒いボディを覆っている。
炎の様な紅い角を持つ顔に黄金の眼を煌めかせている。
腹部の真ん中には、紫水晶が光っている。
ぐぐっと腰を落とし身構え、首を僅かにく練らせ声を出す。
「AgitΩ(アギト)、見参」
☆
梨々梨を龍季が背中から包み込む抱き締める。
龍季の身体が梨々梨を覆い始める。
梨々梨の身体が龍季の身体の中へとフェードインし始める。
梨々梨と龍季の身体が一体化する。
梨々梨が黒いボディの芯体となり、龍季が赤い筋肉の鎧となる。
紅い稲妻により、紅龍神が降臨する。
梨々梨に、龍季に覚醒が起こる。
AgitΩ、それは、覚醒。
☆
AgitΩが、青鬼に向かってマッハでダッシュする。
一閃、高く、10メートルジャンプすると落下する勢いのままに怨を吐いている青鬼の口へ拳を突きを入れる。
翔龍正拳突き!
青鬼が後方へと吹き飛ぶ。
もんどり打って倒れる。
それでも青鬼は、頭を振りながら立ち上がる。
AgitΩ に目掛けて青鬼の右腕が唸りを上げて振られる。
振られた右腕を、左腕で受け止め、体を右へ捻り右肩を、青鬼の右脇の下へ当てる。
瞬間的に、AgitΩの腰が跳ね上がり、青鬼の身体が宙を舞い、散乱する岩石の上に叩きつけられる。
再びもんどり打ち、喘ぐ青鬼から間合いをはかりAgitΩが立ち位置を移す。
それでもまだ揺れながら青鬼が立ち上がる。
AgitΩ がステップを踏み再びジャンプし宙に舞い、青鬼に目掛けて右足を蹴り出す。
閃光煌めく。
飛龍一文字蹴り。
右足の蹴りが、青鬼の胸を貫く。
地響きを立てて青鬼が倒れ、没し動きが止まる。
倒れ動きを止めた青鬼の傍らに片膝をつく。
AgitΩ は左掌を、腹部の真ん中にある紫水晶に当て、右掌を青鬼の額に当てる。
芯体となっている梨々梨が神術の聖なる祈りを捧げる。
青鬼が霊となりゆらりと浮き上がる。
AgitΩ の右手が、鬼の穴へと向けられ、霊を導く。
霊の納まった鬼の穴の前で梨々梨がさらに神術を高め封印、結界を張る。
完全な結界が張られ灰色だった辺りに色が戻り、空は青く澄みわたる。
梨々梨は、メタリックREDのSUVのステアリングを握り、龍季が助手席に収まると、アクセルを踏み込んだ。
☆
外伝
☆
この世には、偶然と言う言葉がある。
だが、偶然と言う現象はないと云われる。
必然の偶然であり、必然は導かれた定め、運命であると。
☆
梨々梨 (りりな)、25歳、身長160センチ、体重45キロ。
自然の艶やかな緑の黒髪に、潤いを湛えた漆黒の瞳をしている。
天孫降臨の地、高千穂の国に生まれた。
天照大御神が神術を用い日出デル國を造りだした。
女皇、卑弥呼が神術を駆使し日出デル國を統制した。
その神術を操る力を宿す、紫水晶の首飾りを受け継ぐ女性である。
時代の流れ、移り変わりの導きで現は吉備の国で暮らしている。
☆
龍季 (りゅうき)、29歳、身長180センチ、体重90キロ。
身体能力に秀で筋骨隆々の身体はまるでに鎧を纏った様ないでたちで、銀髪を無造作に伸ばしている。
龍を神と祀る地、諏訪の国に生まれた。
遥かなる祖の代から諏訪大社の神官として龍神に仕えてきた血を引いてる男性である。
時代の流れ、移り変わりの導きで現は吉備の国に暮らしている。
☆
梨々梨は、女性としての節目であると感じたこの歳に一人旅に出た。
龍季は、男として機すると感じたこの歳に一人旅に出た。
☆
神の集う地、出雲の国。
梨々梨は、出雲大社(いづもおおやしろ)の第一の大鳥居の前に立っていた。
龍季は、出雲大社(いづもおおやしろ)の第一の大鳥居の前に立っていた。
刹那、偶然ではない必然の運命は動き出し、神命を共にすることとなった梨々梨と龍季。
神芯、神心、芯体となる梨々梨。
鎧兜、プロテクター、装甲となる龍季。
一体化した二人はさらなる極みへと歩みだす!
☆
神都。
神々の聖地!
伊勢神宮(いせしんぐう)
太陽神・天照大御神御魂(あまてらすおおみのかみのみたま)に導かれ、御心に触れ、新たなる境地、極みへ達する。
魂皆伝!
超覚醒!
超変身!
紅龍神・AGITΩ(アギト)
から、
紅炎超龍神(ぐえんちょうりゅうじん)・
SHINING AGITΩ(シャイニングアギト)
へ。
☆
平成29年〈西暦2017年〉
酉の年
5月23日・外宮、24日・内宮 参拝。
皐月晴天、紅炎超龍神降臨!!
終り。