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第八話 街での出会い
やっと更新できました…!
本当に毎回毎回遅くなりすみません……
では、本編をどうぞ🙇
「えーっと、パン屋パン屋……あ、あれかな」
「はい、あそこがパン屋です。……いい匂いですね〜」
とろけるような顔でそう言うサツキちゃん。
私とサツキちゃんは今、庶民の人が行き交う街へ来ていた。
それもこれも、魔物たちが「お腹すいた」と嘆いていたからだ。
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『お腹すいたー……パンとか食べたい〜……』
リーフがぐでんと床に寝ころびながら言い、私はこう聞いた。
「え、魔物たちの食糧は私の出す光……じゃないの?」
『光はめっちゃ美味しいけど、パンってやつも食べてみたい』
『そうそう。俺らの食事は魔力だけど、人間たちがあんまりにも美味しそうに食べてるから、パンに興味持った』
レイが食い気味にそう言う。
「ちなみに俺が平原に持って行ってたパンは、使いの者にお忍びで買いに行ってもらってた庶民の利用するパン屋のパンだ」
仕事をしていたレンさんが話に入ってきた。
「えっ、そうなんですか?てっきり王宮の料理人さんとかが焼いたのかと……それくらい美味しかったですし」
「……この国の人々は、努力を惜しまない。自分にできることをいつも探っている。だから、パンも美味しいんだ。……というか今丁度パンは尽きてる。魔物たちにあげられるパンがこの王宮には今ない」
『『『ええええーーーー』』』
ショックを受ける魔物三匹。なんか……とてもSランク級の魔物とは思えないなぁ。
「あ、じゃあ、買いに行くにはどうでしょう」
「え?」
「ヒリさんはまだ街に行ったことがないですよね?たまには外の空気を吸いに街へパンを買いに行ってみてはどうでしょうか?」
と、サツキちゃんが提案してくれる。
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で、レンさんに転移魔法で街まで送ってもらい、今に至る。
「わぁ……あ、メロンパンだ!私メロンパン好きなのよね……、うん。買おう」
「あ、ヒリさんヒリさん!私、クリームパンを食べてみたいです……!」
魔物たちにあげるパンを買いに来たはずなのに、2人ではしゃぐ私とサツキちゃん。
まぁレンさんは「ついでに好きなパン買ってきてもいいぞ」と沢山お金をくれたから、メロンパンやクリームパンのひとつやふたつ……いいよね。
「魔物たちは何がいいかなぁ……ん?」
適当に私チョイスでいいかな、と思った時、連絡用魔道具にボイスメッセージが送られてきた。レンさんからだ。
『私、ホットドッグがいい』
『俺、クロワッサン』
『僕、チーズパンで』
レンさんの連絡用魔道具を使い、レイ、フラン、リーフの順番でそれぞれ買ってきて欲しいパンを言ってきた。
「えー……ホットドッグ、クロワッサン、チーズパン……そんな都合よくあるかなぁ」
「チーズパン、ホットドッグ……あ……クロワッサンが売り切れてます……」
メッセージを聞いたサツキちゃんが一生懸命魔物の希望したパンを探してくれていた。2種類は無事見つかったようだが、クロワッサンだけ品切れしていたようで、「どうしましょう……」と戸惑っているサツキちゃん。
そんな時、隣にいた綺麗な女性が、私たちに声をかけた。
「──あの。クロワッサン、ついでに買っただけなので、よかったら差し上げますよ」
「……え?…………えっ、そんな、悪いですっ」
「いえいえいえっ、全然遠慮しなくていいですから!」
腕を掴まれ、クロワッサンの入っている袋を、無理やり手渡される。……この人、力強いな……!?
「……じゃあ、もらっておきます……?ええと、ありがとうございます」
「いいえ、全然大丈夫ですよ!どうか美味しく食べてください」
たたたっと走って行く女性。なんか、すごい人だった……。
「……じゃあとりあえず、クロワッサン以外のパンを買いますか」
「あ、は、はいっ」
「すみません、これください!」
「はーい、まいど!」
呆然としていたサツキちゃんにそう言って、チーズパン、ホットドッグ、メロンパン、クリームパンを購入。
私はレンさんに連絡して、人気のない場所まで行き、転移魔法で迎えにきてもらったのだった。
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『『『美味しいーーーー!!』』』
バクバクと勢いよく食べる魔物たち。ついでに私の出した光も食べてる。三角食べ。
「あ〜……美味しい……」
私も、久しぶりに食べるメロンパンに口元が緩む。
「クリームが濃厚です……!」
サツキちゃんも喜んでいるようで、よかった。
「俺の分まで、すまないな」
レンさんもそう言いながらクロワッサンを上品に食べている。さすが王族。
そう、あの女性がくれたクロワッサン、てっきり一個だと思ってたら2個入っていたのだ。だから、レンさんに差し上げた。
「いえ、私がレンさんの分を買ったわけではなく、同じくパンを買いに来ていた女性が私たちがクロワッサンが売り切れているのを見て途方に暮れているところに、クロワッサンを差し出してくれたんです」
「……え。これ貰い物なのか。見知らぬ人からの貰い物を王族にあげるのか、お前……毒とか入ってたらどうするつもりだ」
「……ぁ」
そこは考えてなかった。ごめんなさい。
『だいじょーぶ。食べる前に二つとも鑑定したけど毒なんて入ってないよー』
リーフの言葉にほっとした。よかった……。
「ちなみに、どんな人だったんだ?」
「え?えーっと、気が強そうな、庶民には見えない、目立つ女性でした。あ、偏見かもですけど」
「…………」
「……レンさん?」
「…………知り合いかもしれない」
「えっ」
レンさんはそう言って、無言で部屋を出て行った。
けれど数分後、すぐ帰ってきた。
「その……知り合いに『今日パン屋でクロワッサンを誰かに渡したか』──と連絡してみたが…………ビンゴだ」
「えっ?」
「つまり、ヒリにクロワッサンを渡した女性は、俺の昔からの知り合いだった」
「えっ?えっ??」
「そいつは、時々お忍びで庶民の街へ出かけてることがある。……まぁなんだ、強いやつだからな……多分今日も街へ行っててそこでヒリに出会って、パンをあげたんだろう」
「えええええ??」
そんなことがあるの??
「ついでに、お前と友達になりたいって言ってる」
「えっ?はっ?」
状況にあたまが追いつかない。
「と、友達?何故に?」
「なんか、気が合いそうだった、とかいう理由で」
「ええ……??」
……この世界に来てから、初めて友達になりたいって言われた。
「……え、急だからすぐYESと言えないんですけど……一回じっくり会って話すことってできます?」
「できる。多分あいつも喜ぶ」
「……じゃあ近々、会うことって──」
「もうOK出たぞ。『明日はどう?』だそうだ」
会うことってできますか、と言う前に、言葉を遮られる。……OK出るの早すぎでしょ。
「じゃあ明日、ここに来る、だそうだ」
「…………」
すごいいきなり。なんかすごい。
ていうかそのレーナさんとレンさんの関係は何なのかな。なんか気になるんだけど。
そして、パンはいつのまにか手元から消えていた。会話している間に魔物たちに取られたようだ。私のメロンパンが……!!
──色々いきなりすぎるけど、少し楽しみなのだった。
八話、いじゃがでしたでしょうか…。
鳥音さんのキャラクター、レーナさんが半ば無理やりな感じでの登場になってしまい申し訳ございません…、汗 不確かな点があれば「修正して!!」と言ってくださればできる限り修正させていただきます🙇
今回も、最後まで読んでくださりありがとうございました!