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#16
--- 週末 ---
「おぉ、音葉ちゃん、おはようさん!」
突き当たりの曲がり角で顔をひょこっと出したのは保科だった。
「ん?あぁ、おはよー」
音葉は少し気だるげに答える。今日は第六番隊に行く日だから、いつもよりも少しテンションが低かった。
「今日は第六番隊に行くんやな。ボク、心配やで」
保科の表情はいつものように心配そうだ。
「心配なら、来る?」
音葉は軽く言った後続いていった
「そんなに心配しなくてもいいと思うよ。ただ専用武器を取りに行くだけやし」
「そうかもしれへんけど、兄貴は結構過保護やからなぁ」
「…兄弟揃って心配性なんだね」
音葉は思わず呆れたように呟くと、
「そう言わんといてなぁ」
保科は目を潤ませたように、まるで泣きそうな顔をした。
「はぁ…迎えの車が来てるから、もう行かないと」
音葉はため息をつきながら歩き出し、扉の方に向かった。
「それならボクも一緒に行くで!」
保科は嬉しそうに言ったが、音葉は軽く首を振りながら答える。
「門までね」
「うん、わかった!」
保科はにこっと笑った。
---
「音葉師団長、お待ちしておりました」
外にて、そこに六番隊員が静かに立っていた。
「長い旅お疲れ様」
音葉はやや照れくさそうに言うと、隊員は軽く敬礼をし続けて行った
「それでは、参りましょうか」
音葉は後方に向かって歩き出す
「…あ、音葉ちゃん」
そのとき、保科が急に音葉を呼び止めた。
「はよ帰ってきてな。そのときに、音葉ちゃんに伝えたいことがあるんや」
保科は少し照れたように言い、音葉はにっこり笑った。
「うん、わかった」
音葉は頷きながら答え、少し照れながらも保科に手を振った。
「///はよ行け!」
保科は顔を赤くしながら、そう言って音葉を送り出した。
「はいはい」
音葉は笑いながら車に乗り込んだ。
--- 二時間後 ---
応接室にて音葉が座っているのが見えた。音葉は少し不機嫌そうにソファに座っていた
「久々やな、音葉」
宗一郎がにっこりと笑い、音葉は不満げに答えた。
「はぁ、何分待たせる気なん」
宗一郎は苦笑いしながら、
「それについては、ほんますまんなぁ」
と言った。
「さっさと、僕の専用武器があるところに連れてってくれ。早く帰りたいんや」
音葉はため息をつきながら言うと、宗一郎は笑って答えた。
「あはは、そうやな。ほんなら、僕についてきて」
音葉は少し頷き、宗一郎について歩き出す。
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「これや」
宗一郎が指差した先には、長くて鋭い刃を持つ薙刀が展示されていた。
「これがうちの専用武器、‘’薙刀‘’」
「そうや、ほんまにすまんな。遅くなって」
音葉は少し不機嫌そうに言う。
「はぁ、あんたが言うことじゃないやろ。元々本部が悪いねん」
音葉はぶっきらぼうに言ったが、宗一郎は苦笑いしながら、
「せやね」
と、軽く同意した。
終