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木津根 李
〈登場人物〉
ラテ(20):油絵科の美大生。カフェラテが好き。
ルジュネ(23):カフェ店員、画家。ラテの大学の卒業生。
マスター(?):カフェのイケオジマスター。料理が得意。
モカ(20):ラテの親友。エートにずっと片思い中。
エート(20):高等部時代のクラスメイト。
1 |ラテ《私》は、今日もカフェの薄い夕日に照らされるドアを開いた。
「「いらっしゃいませ〜」」声が重なっている事に気がついて、店内を見渡す。
マスターと、もう一人店員さんが居る。
カウンターに座ると、「サービスしよっか?」と
マスターに言われ、よくわからないまま頷く。
カウンターの奥には、背の低い茶髪の店員さんが居た。
買ったばかりの本を読みつつ待っていると、
「どうぞ」と声がして、少し前にはラテアートが置かれていた。
顔を上げると、緑〜琥珀色のグラデーションの目があった。
「まだ熱いのでお気をつけてください。」
はい⋯と言いつつも、アートの方から目を離せなかった。
繊細に描かれたふわふわの猫。胸元にはリボンがついている、おしゃれな子。
「壁に飾ってある絵⋯を描いた人ですか?」
|ルジュネ《彼》は「⋯そうですよ。」と答えた。
マスターはそれを聞いていたのか、
「そうそう、あれも、これも、全部ルジュネの絵。」と笑顔で言う。
どの絵にも共通して描かれている、可愛いリボン。
ラテアートでもつやつやな布に見えるし、描き方がおそらく同じ。
「今度、立体的なリボンの描き方を教えていただけますか?」
彼はかなり長い時間考えて、ポケットから手帳を取って見て、
「良いよ。」と微笑んだ。きっと、忙しいのね。
⋯後でマスターに聞いてみたら、やはりルジュネさんは画家だった。
しかし、事情があってなかなか絵を買ってもらえず、
ついにカフェと両立する事にしたらしい。
2 ルジュネサイド/夜。
家に帰ってきたルジュネは、筆を取って絵を描き進めた。
寝る前に、ベッドからそれを眺めて考える。
リボンをほどかれた箱から、グレーの猫が顔を出している絵。
(リボンの描き方か⋯教えられるかな⋯)
リボンを描くのはかなり得意だ。布質やうねりを表現する事も。
⋯悩んでいる理由はただ一つ。今日できてしまった、一生の願い。
ラテさんに、リボンで体中を結ばれてみたい。
既に体中が熱く、下半身の物が硬く、大きくなっている。早く結んでほしい。
(リボン⋯どこ⋯)広いベッドの上を探り、新品の黒いリボンを手に取った。
「⋯」目覚めた時、ベッド中に散らかったリボンを見て、罪悪感に包まれた。
こんな僕は、どんな顔してカフェに行けば良いんだろ⋯。
カフェにて/「美大って、癖が強い人多いですよね⋯」
「そうだね⋯危ない人には気をつけてね。」(僕の性癖は君とリボンだけどね⋯)
シリーズで短編を書く予定です。投稿はゆっくりします。