公開中
ゴブリン転生 第六話
名も無き旅人
今までで一番死を感じたのは目の前の堤防に雷が落ちたこと!
その距離僅か10m、音がヤバい。
俺が大狼を倒して1ヶ月が経った。
大狼という名のこの地の主がいなくなった影響か、最近は見たことのない魔物がうろついている。
もちろんその中には同族であるゴブリンもいるわけである。
と言うことで、ゴブリンに対話してみた。
「グギャッグギャッ(俺の仲間にならないか?)」
やっぱり仲間を作るのは大事だ。特に同族には生き残って欲しいからな。
「グギッグッ(わかったぜ!)」
おお!話が通じるなんて!どんどん仲間を作るぞ。
***
その後、俺は仲間を作りまくり、20匹のゴブリン仲間ができた。
そうなると集落が作れそうだ。
まずは一刀両断で木を切り倒す。
【通知】
中級剣術がLv.4になりました。
その後、その木の断面を綺麗にして土に差し込む。もちろん下側と上側は針状になっている。
そんな感じで木の壁ができた。
あとはゴブリンたちと壁の更に外側に堀を掘る。
さらに中に家や見張り塔を立てれば、小さな集落の完成だ。
ついに、小さくはあれど、コロニーを作ることに成功した。
***
そこからの俺たちゴブリン軍団は敵なしだった。
主の消えた森に突如として現れた敵なしのゴブリン軍団。
そうするとこの森からは俺ら以外の魔物がいなくなった。
森から魔物がいなくなって半年、俺たちゴブリン軍団は100人規模に膨れ上がった。
そして、その中にはゴブリンの上位種である、ホブゴブリンやゴブリンソルジャー、ゴブリンソーサラーがいるわけで、正直なところ負けることがないと思っていた。
また、鍛治や採掘のできるゴブリンがいて、かなり装備も整って来ていた。
***
そんなある日、いつもの日常に、ある違和感を感じていた。
そう、足音が聞こえるのだ。それはさながら戦場にでもいるような。
そして昼前になった頃、見張りのゴブリンが叫んだ。
「グギャッグギャ!(敵襲だ!)」
どうやら足音の原因と戦うことになりそうだ。
その足音の原因はオークだ。
でかい図体に太った体。顔はほとんどゴブリンと変わらない。
そして、オークの軍勢がいると言うことは、軍勢をまとめ上げる存在がいるのであろう。
***
とは言え敵は敵、戦わなければなるまい。
まずはゴブリンアーチャーで敵を減らしていく。
敵は装備を何もつけていないようで矢でいとも容易く倒せる。
しかし、少しずつでも前進されている。
攻城戦で不利なのは俺たちだから、到達される前に倒し切りたい。
まず、攻城戦では同じ能力だと仮定すると、攻めは守りの3倍の兵力が必要である。しかし、能力で勝るのはオーク。さらに敵は1000を超える大軍勢。オークに歩があるのは確かだ。
だが、近づかれる前にその8割を減らせられれば勝負は勝ったようなもの、つまり遠距離戦で勝敗が決する。
***
だが、当然のごとく敵を大量に減らすことなどできなかった。
よって、ここからは近距離戦だ。堀と壁によって一度に入ってこれる敵には限りがある。
よって各個撃破だ。
前衛はゴブリンソルジャーと俺。単純な力でオークを倒す。
中衛はゴブリンソーサラーとゴブリン、ミニゴブリン。投擲や魔法で取り逃がした敵を確実に屠る。
後衛はゴブリンアーチャーとホブゴブリン。矢を打ちながら、後ろから指示を飛ばす。
このままならいける…!
そう思っていた時であった。
何か暗いな?気づいた時には遅かった。
オークが飛んできたのだ。否、おそらく投げられてきたのだ。
それはまさしくいんせか隕石。100を超えるオークが降ってきた。
近接戦をこなすような俺やゴブリンソルジャーは回避して生き残ったが、中後衛は全滅である。
突然にして、最強の布陣は脆く崩れ去ったのだ。
雷雨の中3時間サッカーした後の風呂は最高だ。生き残った安心感と寒いところから脱却した暖かさで心も体も癒される。
そして、今までで一番死にかけた出来事を思い出したのである。
てか何気にハロウィンじゃん!