公開中
初詣
1月2日。
「正月は好きに過ごして、2日に会お!良いお年を〜」
そう紫桜が言っていたのを思いだす。
「ほら雪菜ぁ、みんな来るんでしょ?」
「わかってるわよ、でも…」
ホウキを動かす手を止める。
「わたしだってこんな寂れた神社の掃除なんてしたくないわよ!!」
わたしが住む世界は、『雪女との物語』。地球が隕石により滅びた中、奇跡的に生き延びた(いや、わたしは死んでるけど)このメンバーで過ごしている。
「何なの?ここ、絶対人間来ないじゃない。第一、胸を張って人間って言えるのは瑠芽と夜羽夢だけじゃない!」
「何なのじゃ?本当に」
「ほら、早く!」
ちゃきちゃきとしたルナの声に押され、わたしは手を動かした。
その瞬間、ぽわんとゲートが開いた。刹那、雪崩のごとく人が押し寄せる。
「うっ…あ、明けましておめでとうございま〜す…」
最初に声を上げたのは結花だった。まだパジャマ姿だ。
「あ、明けましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いします」
かたすぎる始まりは暦。
「明けましておめでとう、今年もよろしくお願いするわ」
余裕を見せつけるのはフーク。
「あけおめことよろ〜」
若い感じの挨拶は岬。
「明けましておめでと〜!今年もよろしくっ」
元気な口調の結月。
「久しぶり。今年も色々遊びましょ」
ずいぶん変わっているものの、ちゃんと挨拶をするレイ。
「明けましておめでとう、今年もよろしくね」
そう言って、わたしはホウキをもたれかけた。
「明けましておめでとうっ、今年も色々よろしく」
最後に、紫桜が飛び出してきた。
「ったく、貴方のせいで掃かなくちゃなったじゃない」
「え〜、だって神社といったらここ!小町神社じゃん」
「まあ、利用客が増えるのは嬉しいことよ、ね?ラグナ、夜羽夢」
「そうなのじゃ」
能天気な神を置いといて、わたしは気持ちを切り替える。
「さっ、夜羽夢、お御籤ちょうだい。わたし、お御籤好きなのよ」
「あ、わたしも好き。ちょうだい」
紫桜が真っ先に、御籤箱に手を突っ込む。そして勢いよく手を掲げた。
「40番、大吉〜っと!えへへ、8年連続大吉なんだ〜(ガチ)勉学もいけるっと」
「あ、じゃあわたしも。3番、吉。よしっ、勉学イケる!」
中学受験勢は、喜びに満ちあふれていた。
「じゃあわたしももらうわ」
「あ、わたしもー」
「タダでいいよね」
「お御籤なんていつぶりかしら」
そう言って、各々お御籤を引いていく。
「じゃあ、わたしも引くわね」
そう言って、ガサゴソと箱の中を漁る。
『7番 小吉 仲間とともに過ごすと吉』