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焦燥
「社長が拉致されました、、、!」 「「「、、、え?」」」
何を言っているのかわからなかった。あの社長が拉致られるなんて世界が崩壊しても起こらないと思ってた。まあそれはさておきだ。「場所分かる?!」とライチが悲痛な声で言う。十和は「はい、ラムネ商業本社の最上階、80階です。」と呼吸を落ち着かせていることは受話器越しにでもわかるほど動揺していた。澪はその瞬間、すべてを察した。めんどくさいうえに、死にたくないから誰も行きたくないことを。しかし、社長には死んでほしくないということを。「なら、私が行く。あとのみんなは血拭いと食材、死体の始末を。始末はいつも通り未和に任せる。未和、おなかは?」「もっちろん腹ペコに決まってんじゃん!ていうか澪は先に自分の血を拭っとき」と言っておしぼりを投げてくる。ある程度見えるところを拭くと、澪は武器を確認した。クナイ6本、小刀2本、小さめの拳銃が二丁、後はほつれだらけのテディベア。すべて終わると、彼女は居酒屋を出た。大の苦手なスマホのマップを活用しながら辿り着くと、なかなか大きいビルがあった。マップを五回ほど確認すると、彼女は中に入る。セキュリティはいつも道理弥都が外してくれたらしい。警備員もいなかったから、存外するりと入れてしまった。淡々と進んでいくと、階段があった。八十階まで上がるのは面倒だが、探してる間に見つかるのもなかなかに面倒である。だから、彼女は駆け上がった。三階まで行くと、聞こえたのは、「誰かいないか?」という声。無視して駆け上がると、五階に人がいた。もちろんばれた。彼女は深いため息をつくと、「あんまりやりたくないんだけどね。」とぼやいた。
ダンジョンっぽくする。次回は待機組だよ。