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準備
「も〜っ!」
わたしはいらついていた。まーた柿の木がめっちゃくちゃになってる。
最近、人間や妖精、妖怪とかが活発になってるけど、なんでかしら。
「お、由有。これはひどいな」
「そうでしょ!?もういい!異変解決するわよっ!なるべく手短に、2人で」
「…由有、それマジか?絶対、今回の異変は只者が手を出してる気がしないんだけれど」
「ふーん」
まあ、紅のカンは十中八九当たるし。
「じゃ、2人1組。わたしたちがペアで、あとは花音と文、サニーとムーンを誘うわ」
「それがいいと思う」
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「__っていうことなの。お願い、真守。通信機能があるお守り、作ってよ」
「えー!むちゃだなぁ。じゃあ、通信機能は萬に頼んでよ」
「よ、ろず?」
3組が別行動で異変を解決するから、通信は絶対。
でも、小心萬に頼めって言われてもなあ。めんどくさい場所に、めんどくさい方法で、めんどくさいやつに頼み込まなきゃいけないのに。
「小心真守、あんたの技術力は確かよね?ならお願い」
「無理!いくらいとこでも」
「いくら!?」
「うーん…萬に頼み込むしかないから、500円?」
「あんたは萬と違って融通がきくから助かるわ」
500円、か。前の異変でかなり稼いだしいいかな。
「あ、あとなんの異変を解決するの?ひょっとして、活発異変?」
「まあ、それ」
「え、そうなの!?」
きらりんと、真守の目が輝く。
「なら、わーしゃが払うよ。せっかく作った勾玉とか、お守りが壊されちゃうんだもの。萬だってきっとそう思ってるから、うまいこと騙しとくね」
「言い方が悪いけど、いいわ」
真守は萬を呼び込み、通信機能を作らせた。そして作った6つのお守りに通信機能のこんぴゅーた?というものを埋め込む。
「これでどう!?」
「ありがと。ちなみに、解決料はいくら?」
「うーん、いまの持ち金が200000なんだ。だから、1万は払うよ」
「オッケー!」
1万!!
「いつごろ?」
「午後11時にはできるよ。200円くれたら探知ライト機能付き」
「払う!」
探知ライト、とはライトを付けながら人の気配があったら知らせてくれる代物だ。
「じゃあ、月日が変わる時に出発するわ。真守、頑張ってね」
「ふふ、御礼も弾むと言ってもらわなきゃ。じゃ、頑張って」
さすが、萬と違って真守は人がいい。