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Prologue
目を覚ますと、右目に鋭い痛みが走った。
痛っ、と思いつつ左目を開ければ、等間隔に並ぶ白いベッドが視界に飛び込んでくる。どうやらここは病院らしい。天井のシミの数が多いですね、などとどうでもいいことを考える。
「おー、起きたかー」
担当医らしき男性がカーテンを開けてやってきた。子供のように無邪気な笑みを浮かべているが、その瞳に光はない。怪しい宗教の勧誘か何かですか。
「で、でねー、さっそく残念なお知らせがあるよー。きみの右目だけど──もう、完治は無理だねー」
彼は椅子の上で縮こまりながら、少し気まずそうに告げた。
私は右目を失った自分を想像する。不便だなあ、これから眼帯キャラで通すしかないのだろうか。そんなことが頭をよぎった瞬間、脳裏に全く別の映像が流れた。過去の記憶だ。
轟音を立てる爆風。むせかえるような硝煙の匂い。その奥で、浅黒い肌の女性がケラケラと笑っている──。