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プロローグ🕛️孤独の少年の時は止まった
🕛️???視点🕛️
野鳥達が鳴き、風が草木を揺らす。
ぼくは、暗い森の中で1人、両親を待っていた。
父さんが、「すぐ戻るからここで待っててね」と言ったから。
なのに、もう、何時間も戻ってこない。
父さんの言葉の本当の意味を、薄々感じ取った。
数日前、ぼくは両親と喧嘩した。
喧嘩した次の朝から、両親はぼくの面倒を見なくなった。
そして今、このタイミングで森に来た、って事は。
···両親に捨てられたんだ。
全てが分かった瞬間、一気に悲しくなった。
そして、怖くなった。
森の獣に食べられたり、お腹が空いて死ぬのは嫌だった。
ぼくは、助けを求めて歩き出した。
でも、道なんて覚えてない。
直ぐに迷子になった。
森の暗さが増した気がした。
おまけに、雷が鳴って、雨が沢山降ってきた。
森は、真っ暗になった。
寒くて、怖くて、その場にうずくまった。
ふと地面を見ると、森の土でできた道に混じって、人が作った様な、石畳の道を見つけた。
不思議に思って、石畳を辿って歩いてみた。
しばらく歩いていくと、錆びた門が現れた。
上を見ると、大きな洋館が建っていた。
洋館の扉を叩くと、何かが合体する様な、「ガタン!」という音が鳴って、扉が開いた。
中に入ると、扉は勝手に閉まった。
洋館の中は蠟燭の光で照らされていて薄暗かった。
暗くて少し不気味だったけど、何故か怖さは感じなかった。
その時「ボーン···ボーン···」と、時計が鳴った。
それは、「知識」と「心の年齢」以外のぼくの全ての時が止まった事を表していたのだと、後になって気付いた。
「時間」が止まったぼくは、この、不思議な洋館の住人になった。
1人じゃ寂しいから、ここに来た他の人とでも遊ぼうかな。
でも、何でだろう。
この洋館が「不壊刻む撥条館」と言われて恐れられるのは。
ぼくや、この洋館にいる不思議な"オトモダチ"の事を「怪異」と呼ぶのは。
そんな事言わないで、ぼく"達"と遊んで欲しいな。
···あ。また誰か来たみたい。
···?
何で、悲鳴をあげて逃げるの?
ねぇ、逃げないで、ぼく"達"と遊んでよ。
待ちきれなかったんで始めちゃいました。
だってこれ設定考えて固めるのに5〜6ヶ月くらいかけたんよ???