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𝐈𝐧𝐟𝐞𝐫𝐢𝐨𝐫𝐢𝐭𝐲 𝐜𝐨𝐦𝐩𝐥𝐞𝐱
𝕐𝕦𝕓𝕒𝕣𝕖 𝐈𝐧𝐟𝐞𝐫𝐢𝐨𝐫𝐢𝐭𝐲 𝐜𝐨𝐦𝐩𝐥𝐞𝐱 𝑂𝑟𝑖𝑔𝑖𝑛𝑎𝑙 𝑛𝑜𝑣𝑒𝑙
〜入学式〜
「新入生代表、菊池雪」
「はい」
私は声を出して立ち上がる。新入生で話せる人は各学校で1人だけ。その1人に慣れたのだ。スラスラ出てくる言葉を私は感情移入して話していく。会場で拍手が響く。
あぁ…なんで今思い出したんだろう___?
こんな幸せな光景はもう___
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「前期1年学級委員長になりました。1年C組菊池雪です。私たち1年学級委員では、生徒全員の生活の質を高めるために___」
「さすがだよね。菊池さん」
「だって菊池さんのお兄さんってあの速稲田の生徒会長だよ」
「菊池さんも頭良いし、完璧だし」
「菊池さんの幼馴染は学級委員の副委員長やってて、めっちゃ頭良いんだよ」
「良いなぁその親戚関係」
──完璧優等生──それが私についたあだ名だった。嬉しかった。兄に追いつけるように、幼馴染の聡太に追いつけるように頑張ってきたのだから。
小学校のテストの点はいつも100点。児童会会長を務めていた。
中学に入学してからは毎日のように勉強をして、みんなのために何をできるかを考えて、そして1年学級委員長になることができたのだ。
幼馴染の聡太はすごい天才で、受験しないのが以外言われながらもこの公立学校に来た。聡太には、いつも点数を抜かされる。悔しい。だからこそ中学からは聡太を越すんだ。絶対に。
「3教科新入生テストは学年で合計満点が2人いたぞ〜。深谷聡太、菊池雪」
「「はい」」
私と聡太は揃って返事をする。やった…‼︎今回は聡太に抜かされることはなかった。この調子でずっとやっていけば問題ない。頑張らなければ。もっと。親に馬鹿にされないように。自分を超えろ。
嘘___だ___
私は自分の手元にある中間テストの結果を見て絶句する。学年5位。聡太だけでなく他の人にも抜かされた。新入生テストでは私が学年1位だったのに___?グシャッという音を立て個表を握りしめる。自分はあんなに努力したのに___?平日は毎日5時間は勉強して休日は毎日10時間勉強して___あんなに___あんなにやったのになんで___?
なんでなんでなんでなんでなんでなんで?自分は___
「雪、大丈夫?」
「五月蝿いっ‼︎」
私はつい話しかけてきた聡太を怒鳴り付ける。
「あ、ごめ___」
聡太は私の謝罪を聞く前に顔を顰めて去っていく。うざい。その余裕ぶっこいた態度が。その自信満々な態度が。
「なんでこんな低い点数なの⁉︎どれだけ勉強してないの⁉︎勉強したらもっと取れるでしょう‼︎たかが公立中学の学年1位くらい取りなさいよ。」
家に帰り、個表を見せるなり親に怒鳴りつけられる。何も__知らないくせに。こっちがどんな気持ちで勉強したか、何も知らないくせに。
「ふざけんな」
「何?親に向かって失礼でしょ‼︎」
「誰がお前のことを親なんて思うかよ‼︎」
私はそう言い部屋に篭る。
もっと、もっと、もっともっともっともっともっともっともっと___勉強しないと
私は誰かに認めてもらいたい___
〜数ヶ月後〜
「ねえ結局菊池さんってそんなに大したことないじゃん?」
「どんどん成績落ちてるらしいよ?」
「まじで?折角なら聡太くんに学級委員長やってほしいなぁ」
「聡太くんはいつも学年1位だもんね」
「尊敬するわぁ」
やめて…なんで?自分は誰よりも努力してるのに___
ふざけるな___
馬鹿にすんな___
あの時みたいに___
光景を取り戻してやる___
絶対に____________‼︎
ああ…けど___
もしこのまま全て捨てればマシになるのかな___?
どうせこのままやっても意味ないじゃん___
どうせ、どんなに足掻いたって
泣いたって
努力したって
意味がないんだよね?
ならいっそ___
これで最後に____________
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もう戻れないからさ___
みなさんこんにちは。
自分が推していた𝕐𝕦𝕓𝕒𝕣𝕖様とコラボすることになれて嬉しい気持ちでいっぱいの藤空木栾です。
𝕐𝕦𝕓𝕒𝕣𝕖様はそんなに表に目立ってるわけではありませんが、数少ない行動範囲でもその数少ないサイトの中でかなりの人気を発揮しているバンドグループです。
今回の小説は𝕐𝕦𝕓𝕒𝕣𝕖メンバーの黒雪様の実話を元に作られています。𝕐𝕦𝕓𝕒𝕣𝕖様の歌詞が投稿されたら、この小説の最後に付け足そうと思っています。
それでは。
みなさんに、奇跡の笑顔と祝福を__。