幕間①(メイア×ヘイル×凍矢)

？？？:「ハァ…… ハァ…… ヘイ……ル……」 逢間市にある とある廃ビルの一室。元々ビジネスホテルとして経営されていたが不況の波にさらされ 解体工事や荷物の撤去も行われないまま放置されていた。元ビジネスホテルというだけあって寝具やタオル類は完備されていた。食糧や水 電気などのインフラに関しては【魔法】で解決している。ベッドの上でメイアは胸を押さえ呼吸は早くなっていた。 ヘイル:「くっ！　メイア…… 俺が絶対助けてやるからな……」 苦しむメイアにヘイルは左手の平を向け【治療】を行っていた。 ヘイル:「｜消《イレイズ》に洗脳されちまった｜凍矢《とうや》を救うため 今回は特に侵食がひどかったからな。【｜渇《かわ》き】が ここまで強く出てしまった」 メイア:「ヘイ…… ル……。私の……ため……に…… 無理……しない……で……。ヘイ……ル……にも……【渇き】が……来て……るの……に……」 ヘイル:「喋るな！ 俺が必ず助ける！メイアを……《《俺の目の前で 2度も死なせる》》ものか!!! ……うぐっ！」 ヘイルは魔力を使いすぎたのか 眩暈がしてしまいその場に膝をついてしまった。瞳の発光もチカチカと不安定になっている。 ヘイ:「くそっ！ このままでは…… 身体が……保てない……か！ こんな……所で…… 死ぬ……訳には……いかねぇ……のに！ 俺は……どうなっても……いい…… 必ずメイアを……《《奴ら》》の……手から……救うと……決めたんだ!!!」 __ｶﾞﾀｯ!!!__ 　突然の物音に二人は警戒した。 ヘイル:「だ…… 誰だ!!!?」 苦しみながらも強い口調で叫ぶ。 ？？？:「二人とも!!　大丈夫か!!?」 ドアを蹴破って現れたのは凍矢だった。《《指輪をスッと回すと｜消《イレイズ》で鎖を創り出し２人をヒョイッと持ち上げる》》。 メイア:「と、凍矢……？　ど、どう……し……て……ここ……に……？」 凍矢:「｜燐《りん》が 突然2人の危機を察知してな。俺の索敵能力を使って2人を探し出したんだよ！ 喋る余裕があるってのなら少しでも体力温存に回しとけ！……何か食べられそうか？」 メイア:「に、肉を…… か、可能……なら…… サラ……ダ…… チキ……ンが……」 苦しい身体で言葉をなんとか紡いでいる。 凍矢:「__ﾌｯ__ 燐！ 聞こえていたな！ 数分でそっちにつくからサラダチキンを用意しておいてくれ」 燐(インカム越し):「ちゃんと聞こえてるよ！　オッケー、準備しておくよ」 やり取りを終えると 凍矢は2人を事務所に運ぶため 窓ガラスから飛降り 超特急で目的地に向かった。